電気代を抑えながらエアコンを使うにはどうすればいい? 猛暑の節電対策とは?
なんと6月中に猛暑が続き、東京電力管内で「電力需給ひっ迫注意報」が連日発令される事態になっている。家庭でも節電が促される一方で、熱中症のリスクも指摘され、適切なエアコンの使用を求めるなど、暑さに振り回される日々がもう始まっている。これから迎える本格的な夏の暮らしが心配このうえないが、どうしたらよいのだろう?
【今週の住活トピック】
「住まいにおける夏の快適性に関する調査(2022年)」結果を公表/積水ハウス 住生活研究所
「『自宅の省エネ意識』に関する実態調査」結果を公表/フリエ住まい総研
コロナ禍の外出自粛が緩和ムードでも、夏は自宅で過ごしたい!?
積水ハウスの住生活研究所が、「住まいにおける夏場快適性に関する調査(2022年)」の結果を公表した。それによると、「約2人に1人が他の季節と比べ、夏場の日中は自宅にいる時間が増えると回答した」という。詳しく見ていこう。
「夏場の日中、外出したいか、自宅で過ごしたいか」を聞いたところ、「自宅で過ごしたい」という回答がコロナ禍前と比べて、20代では減少(38.0%→33.0%)したが、その他の30~60代では増加(50.8%→57.8%)している。この夏は旅行を促進する動きもあり、外出自粛が緩和されるムードではあるが、約半数が自宅で過ごしたいと考えていることがわかった。その理由は、「夏の暑さ」で、約8割が「暑くて外出したくない」と回答したという。
出典:積水ハウス 住生活研究所「住まいにおける夏場の快適性に関する調査(2022年)」
また、「夏に自宅で長時間過ごす上で、気になることやネックになること」という質問では、「電気代」が64.0%と最多になり、2位の「運動不足」(37.8%)や3位の「室内温度調整」(23.2%)に大差をつけて気にしていることがわかった。これは、在宅勤務の増加などで、自宅にいる時間が長くなったことも影響している。コロナ禍で自宅にいる時間が長くなった人ほど、電気代が上がったと回答していることからもうかがえる。加えて、最近は電気代の値上げが相次ぎ、エアコンの利用による電気代が気になるのは当然のことだろう。
電気代の上昇が夏の省エネ意識を高めている!
次に、フリエ住まい総研の「『自宅の省エネ意識』に関する実態調査」を見ていこう。「今年の夏は自宅の省エネを意識するか」を聞いたところ、「はい」という回答は 83.5%にも達した。「以前に比べ省エネ意識に変化はあったか」を聞くと、51.9%の人が「向上した」と回答した。
省エネ意識が向上した人たちに対して、「省エネ意識が上がった要因」を聞いたところ、9割近い87.9%が「電気代の上昇」と回答した。直接的に家計に響く電気代が、省エネのモチベーションになっているというわけだ。
出典:フリエ住まい総研「自宅の省エネ意識」 に関する実態調査
では、具体的にどういった省エネに取り組んでいるかというと、「エアコンの温度設定」「照明をこまめに消す」「エアコンの使用を控える」などが上位に挙がった。
出典:フリエ住まい総研「自宅の省エネ意識」 に関する実態調査
さきほどの積水ハウス 住生活研究所で、「夏の電気代の対策」を聞いた調査結果では、「エアコンの稼働時間を減らす」「家族で一つの部屋に集まってエアコンの稼働台数を減らす」「エアコンとサーキュレーター・扇風機を併用する」など、エアコンの電気代の削減に関する項目が多くなった。
出典:積水ハウス 住生活研究所「住まいにおける夏の快適性に関する調査」
夏の省エネや電気代対策は、やはりエアコンの電気代をいかに削減するかということになるようだ。
夏のエアコンの電気代対策、あなたはどうしている?
「エアコンの電気代対策」としては、すでに調査項目に挙がっているものもあるが、一般的に以下のようなものが挙げられる。
・省エネ性の高いエアコンを使用する
・設定温度を上げる
・サーキュレーターや扇風機を併用する
・エアコンのフィルターなどを定期的に掃除する
・短時間の外出ならエアコンをつけっぱなしにする
ほかに効果が大きいのが、「窓の断熱性向上」や「窓の遮熱の工夫」だ。窓は直接外気に触れているので、省エネ性の高い窓(ガラスやサッシ)に変えるリフォームをすると、外気の影響を受けにくくなり、夏・冬共に節電効果が大きい。また、積水ハウスによると、「手軽にできる夏の日射対策としては、窓の外をつる植物などで覆うグリーンカーテンやすだれ、外付けのシェード、遮光・遮熱シート等も効果的」だという。
最後に、住宅設備機器メーカー株式会社コロナの提案を紹介しよう。寝苦しい夜のエアコンは「除湿運転で28度設定」がオススメだという。「除湿運転(弱冷房除湿)」は、弱冷房により除湿をするので、ゆっくり温度を下げることができ、風量も弱いことから喉を痛めにくいというメリットがあるからだ。さらに、寝苦しい夜は、扇風機を併用し、体に風が当たらないように注意しながら部屋の温度ムラをかき混ぜるとより快適に過ごすことができるそうだ。
気になる電気代について、コロナの広報に聞いてみた。
部屋の広さや室温・外気温度などの様々な要因に大きく左右されるので、必ずとは言えないようだが、「冷房運転」が室温を設定温度にできるだけ早く合わせようとする運転を行うのでそれだけ電力がかかるのに対して、「ドライ(除湿)運転」は除湿を重視しながら設定温度に合わせる運転を行うので、設定温度に達する時間はかかるもののそれだけ電力を節約できるという。
6月末から猛暑に悩まされるとは思いもしなかったが、地球温暖化の影響もあるので、今後は長い夏の暑さを覚悟する必要があるのだろう。そのためには、一時的に費用はかかっても長い目で見て、窓の省エネ改修や省エネ性の高いエアコンへの買い替えなどを検討したほうが良いと思う。
7月8月とまだまだ暑い夏は続きそうだ。それぞれの家庭で節電の工夫をして、この夏の暑さを乗り切ってほしい。
●関連サイト
積水ハウス 住生活研究所「住まいにおける夏の快適性に関する調査」
フリエ住まい総研「自宅の省エネ意識」 に関する実態調査
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