入札情報速報サービス「NJSS」、今年度国家予算のポイントと入札傾向を分析
3月22日、令和4年度の国家予算が107兆6000億円という過去最大額で成立。
これを受け、株式会社うるるが運営する入札情報速報サービス「NJSS(エヌジェス)」は、「令和4年度の国家予算トレンドと、データで見る官公庁入札」を公表しました。
7700機関の入札・落札情報を網羅する「NJSS」
「NJSS」は、全国の官公庁・自治体・外郭団体など7700機関の入札・落札情報を一括検索・管理できる業務支援サービス。クラウドワーカーによる目視・手作業の情報収集体制を構築し、プログラムのみでは取得できない情報も網羅していることが特徴です。
このたび、NJSSで収集した案件のうち、21年4月1日~22年5月31日に機関から公示された案件を対象に入札市場について調査。NJSSが注目する国家予算のポイントとともに結果を公開しています。
今回は、NJSSが注目した国家予算の3領域「感染拡大防止」「デジタル化」「エネルギー」のうち、デジタル化とエネルギーについて、予算や入札・落札傾向を紹介しましょう。「25年の崖」問題解決へ向けて
「デジタル化」には、“デジタル田園都市国家構想”へ向けた予算やデジタル庁における情報システム関係予算、地方自治体のDXを支援する予算が組み込まれています。
直近1年間に公示されたデジタル化案件をカテゴリ別に見ると、“DX”の案件数が1位に。次いで“AI”、その次に“業務自動化”と続きます。合計落札金額では、“クラウド”や“IoT”、“業務自動化”などシステム系の案件が上位となりました。
新型コロナなどの影響で加速したように感じるDXですが、まだ検討・検証段階の案件も多いとか。経済産業省がDXレポートで示した「25年の崖」問題もあるなか、NJSSはこれから本格的にDXが進んでいくものと推察しています。
2050年カーボンニュートラルへ向けて
「エネルギー」では、エネルギー基本計画やグリーン成長戦略といった再エネへの転換を示唆する取り組みを受け、脱炭素に資する予算が計上されています。
直近1年間に公示された案件のカテゴリを見ると、“エコ”・“脱炭素”・“再生可能エネルギー”の順に。合計落札金額は、調査や建設工事をともなう“脱炭素”が1位となりました。予算規模は全体と比べてさほど大きくないものの、エネルギー関連の話題は国際的にも関心が高い領域のため、国策に注目したいところです。
入札方法の違い、エネルギー分野は随意契約が多い
それぞれの入札方法には、多少違いが見られました。
「デジタル化」では、価格勝負の一般競争入札が半数以上を占めています。これは、もうひとつの注目ポイントとなった「感染拡大防止」においても同様の結果となりました。 「エネルギー」はと言うと、ほかの2つと比較して随意契約が多くなっています。NJSS事業本部の杉山純一氏によると、エネルギー分野には専門的な知識や技術を必要とする案件が多く、価格競争ではなく一定の要件を満たす事業者に委託する傾向があるためとのことです。(文・Higuchi)
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