ネットで賛否両論 9月に朝倉未来vsメイウェザー 「世界中をエキシビジョンで楽しく旅している」 舐められていると言われても仕方ない記者会見

ネットで賛否両論 9月に朝倉未来vsメイウェザー 「世界中をエキシビジョンで楽しく旅している」 舐められていると言われても仕方ない記者会見

賛否が分かれたマッチメイクとなりました。不世出の無敗のボクサー、フロイド・メイウェザーと日本トップMMAファイター朝倉未来選手との「エキシビジョンマッチ」。

まず賛成派から。メイウェザーという高名なボクサーと国内でのYouTubeと格闘技での知名度が高い者同士ぶつけたのは「話題作りとして最高だ」というものです。また朝倉選手ファンからは「メイウェザーに挑む姿勢に感激している」といった主旨が多いようです。

世紀の一戦「THE MATCH2022」から地上波(フジテレビ)が手を引いたのは、ハッキリ言って痛手です。「いや、PPVでマネタイズすれば良い」という意見も理解は出来ます。ただ、新聞・テレビはオールドメディアではあるものの、国民の生活に根付いているものです。すなわち、オールドメディアであったとしてもそこに掲載・出演する事はオーソライズされます。格闘技ファン以外の人々に認知される。ここが一番大きい訳です。

野球やサッカーは地上波契約しているのに、今回の「THE MAYCH2022」(格闘技)だけハネられてしまいました。これは意識を高く持っている選手の側からすれば、ショック以外の何ものでもないでしょう。例えば、魔裟斗選手(今は引退)という名前を格闘技ファンでなくても知っているのは、地上波があったからこそです。

オーソライズされるかされないかは、再度言いますが、マネタイズよりも実は格闘技に限らず、競技の世界では大きいと思われます。

そこで、RIZINが仕掛けてきたのが、那須川天心戦以来、またメイウェザーを引っ張り出して、エキシビジョンを見せるというもの。詳しくない方に、エキシビジョンとは「練習」の延長線上に位置していると言ってよいでしょう。少なくとも「試合」ではありません。

MMAの朝倉選手とボクシングのメイウェザーの一戦は異種格闘技戦になる訳ですが、メイウェザーのギャラは一説には10億円とも言われています。このエキシビジョンに反対する人の声はここにあります。すなわち、「引退したボクサー(メイウェザー)にそれだけのギャラを払うなら、ベラトール(UFCの次に大きな総合格闘技団体)の現役バリバリの有名選手を呼べるはずだ」というもの。

これは理解出来ます。格闘技の原点に立ち戻って下さい。
ファンはなぜ、格闘技が好きなのか。魅了されてしまうのか。ボクシングでもキックでもMMAでも。

それは選手たちが身体と生活をも賭けて過酷なトレーニングと減量を経て、人生そのものの闘いをリング上で見せるからです。その真剣勝負に僕たちは、魅せられてきました。

何十年経った今でも語り継がれる名勝負はまさに「真剣勝負」「死闘」でした。辰吉丈一郎vs薬師寺保栄、畑山隆則vs坂本博之、桜庭和志vsホイス・グレイシー、魔裟斗vs山本KID等々数え上げたらきりがないので、この辺りにしておきますがネットがない時代とは言え、テレビ放送の影響は言うまでもなく大きかった訳です。格闘技ファンでなくてもテレビをつけたら、見てしまうからです。

振り返って、那須川天心選手vsメイウェザー戦。現役のボクサーや元チャンピオンクラスからでも「メイウェザーとグラブを交わるのは凄い」と賛成の声が聞こえます。確かにそうです。ただしメイウェザーが現役であるならば。

事実、対格差が1.5倍くらいあるのではないか?とさえ思われたほどの体重でリングに表れたメイウェザーは、笑いながら「神童」と言われたキックの天才・那須川天心選手を一蹴しました。手も足も出ませんでした。

さて、これは上記の名勝負のように語り継がれる試合でしょうか。魂と魂がぶつかり合ったのでしょうか。答えは否です。メイウェザーはわずが数時間日本に滞在し、十億円とも言われるギャラを貰って帰国しました。ここにどこに感動の要素があるのでしょう。運営は何を見せたかったのでしょう。

僕らは練習試合を見る為に課金をしている訳ではありません(この試合は地上波でしたが)。

50戦無敗のメイウェザーと言えど、現在45歳。それでも恐らくボクシングルールで初めて闘う朝倉選手を圧倒するでしょう。

記者会見でメイウェザーは喋りまくりました。体内時計では15分以上、1人語りでした。独壇場でした。朝倉選手がインタビューがさほど得意ではないとは言え、失礼ではないでしょうか。この長い話を途中で切れなかった事に、RIZINとメイウェザーの位置、すなわちどちらが立場が上か、透けて見えてきたような気がします。RIZINとしては、メイウェザーの名声とアメリカでの知名度とコネクションで「何か」をしたいのでしょう。
メイウェザーの言葉を正確ではないけれど、気になった部分を抜き出してみます。

「世界中をエキシビジョンで楽しくやっている」「ローガン・ポールともやって楽しく倒した。こういうエキシで」「天心戦って3Rでいいの? 遊ばないでいいと言われたので1Rで倒しました」「今度のエキシはRIZINがお金を払ってくれれば8Rでもやるよ」「相手(朝倉選手)の試合を見るまでもない」

選手からすれば、屈辱ではないでしょうか。MMA選手として、このエキしに何のメリットがあるのでしょうか。朝倉選手もクレバーなのでMMA選手としてメイウェザーと対戦したのはマクレガーと2人目と公言出来る事もアリと考えているかも知れません。が、今回は繰り返しますがエキシビジョン。世界の格闘技ファンが、世界のプロモーターがこのエキシをどう評価するのか。恐らくメイウェザーがこなしてきたうちの一つと捉えるでしょう。

メイウェザーは、エキシビジョンの楽しさを伝えると言っていました。であるならば、ボクシングの素晴らしさ、楽しさを伝えたいのなら、野球で言えばイチロー氏のように、ボランティアで子供たちに教えればいいのではないのではないでしょうか。そう考えると大変矛盾したメイウェザーの記者会見でした。

9月に試合ならぬ「練習」が見られるようですが、真剣勝負こそ格闘技の価値がある。これは永遠に変わらぬテーマであり、真剣勝負に勝つために選手たちは身体と生活を賭けて戦っているはず。と、考えるとこの試合をする意義が分かりません。ただし興行、プロモート、アメリカでのコネクション作りなど外枠を埋めるビジネスとしてのエキシビジョンだということはうっすらと理解しましたし、もう少し深い事情がありそうなのも分かってきました。(文@久田将義)


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TABLOとは アメリカが生んだ、偉大な古典ミステリーの大家レイモンド・チャンドラー作品の主人公フィリップ・マーロウの有名なセリフがあります。 「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」 人が生きていく上で、「優しさ」こそ最も大切なものであることを端的に表現した言葉です。優しさとは「人を思いやる気持ち」であり「想像力を働かせること」です。弱者の立場に立つ想像力。 「人に優しく」 これは報道する側にも言えることだと思います。 現在、ヘイトニュース、ヘイト発言、フェイクニュースがネットの普及に従い、増大しており、報道関係者の間では深刻な問題となっています。そこには「人に優しく」という考えが存在していません。 なぜ、ヘイト(差別)ニュースがはびこるのか。「相手はどういう感情を抱くのか」という想像力の欠如がなせる業です。ヘイトによって、人は人に憎悪し、戦争が起き、傷ましい結果をもたらし、人類は反省し、「差別をしてはならない」ということを学んだはずです。 しかし、またもヘイトニュースがはびこる世の中になっています。人種差別だけではありません、LGBT差別、女性差別、職業差別等々、依然としてなくなっていないのだな、ということは心ある人ならネットの言論にはびこっていることに気づいているはずです。本サイトはこのヘイトに対して徹頭徹尾、対峙するものです。

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