実はオーストラリア生まれ!ハツコイソウがを枯らさないコツ5選

実はオーストラリア生まれ!ハツコイソウがを枯らさないコツ5選

「ハツコイソウって、オーストラリア原産なんですよ」というと、「え? てっきり日本の草花かと思っていた」と驚く方も少なくありません。南半球生まれのため、日本で枯らしてしまう人も多々。栽培のポイントを伝授します。

ハツコイソウは「花木」。1年で枯らさないコツをマスター!

「ハツコイソウ」という名に惑わされますが、本来は低木に分類される植物。なのに、1年で枯らしてしまう人が後を絶たないのは、日本流の栽培方法をしているから。原産地に近い環境を整えて、ぜひハツコイソウを大株に育てましょう。

ハツコイソウってどんな植物?

ハツコイソウ(クサトベラ科 )は、草花ではありません。常緑性の低木に分類されます。ハツコイソウ(初恋草)の名が日本ではメジャーですが、本来の植物名は「レケナウルティア(レシュノルティア)」です。

原産地は、オーストラリアの南西部。砂漠やサバンナに近い、砂ぼこり舞う乾いた大地に自生しています。保水性の乏しい土壌、決して肥沃ではないやせ地、ハツコイソウはそんな場所で育つタフな植物なのです。

花径1〜2㎝の小花は、青、黄色、白、オレンジなど多彩。樹高30〜60cmと小柄ながら、株を覆いつくさんばかりの花盛りの様子はボリューミーで、育てがいのある花木です。

花期は10〜5月と長期にわたります。日本では、冬場に花鉢として園芸店やホームセンターで販売されています。日本で流通するようになったのは1970年代で、非常にポピュラーになったのは1990年代以降。日本での本格的な栽培歴は短く、1年で枯れてしまうことも多かったため、「一年草扱い」されることも少なくありません。

しかし、先にお話ししたように、ハツコイソウは「木」です。栽培環境を整えて、ぜひ長く育てたいもの。そのためのコツをご紹介します。

 

コツ1)ハツコイソウは鉢植えで育てる!

西オーストラリアの原産地では、原野に根づいて広がるように育つハツコイソウですが、日本では鉢植えで育てましょう。この「地植えせず、鉢植えにする」ことこそ、ハツコイソウを越年栽培させる、最大のポイントです。

なぜ地植えがおすすめできないかというと、動かせないから。動かせないと、日本の気候風土の影響をダイレクトに受けてしまい、避けることができません。鉢植えなら動かして、最適な環境下で栽培することができます。

植物を上手に育てるコツは、原産地の環境に近づけること。南半球の乾燥地で生育するハツコイソウにとって、雨が多く、多湿な日本の気候風土は過酷なのです。鉢植えのハツコイソウは、栽培適地である乾燥気味の場所を選び、雨を当てないよう移動させながら育てましょう。

 

コツ2)ハツコイソウは水やりしすぎない&雨に当てない

ハツコイソウの原産地は年間雨量が500mm程度で、世界平均(880mm)よりはるかに乾燥しています。かたや日本は、年平均1700mm以上の降雨量。日本で野ざらしで栽培し、雨に当たり続ければ、やがてハツコイソウが枯れてしまうのも当然です。ハツコイソウにとって雨は天敵と心得て、雨が降ったら軒下などに鉢を移動させてください。

同様に、ハツコイソウの鉢を過湿状態にするのは避けましょう。まず、水はけのよい用土にすること。目安は、水がすぐに鉢底穴から染み出るくらいです。無肥料の培養土に、鹿沼土や軽石を加えて水はけをよくするのがおすすめです。

表土が乾いたら水やりをしますが、葉に水が当たらぬよう、株元を狙って水やりを。

 

コツ3)ハツコイソウにリン酸過多の肥料は与えない

日本のガーデニングでは、「花付きをよくするには、リン酸を多く含む肥料を与える」というのが常識です。しかし、ハツコイソウの原産地・オーストラリアの園芸店では、「この植物にはリン酸肥料を与えてはいけませんリスト」を配布している所もあるというから、驚きです。

なぜリン酸が禁忌なのかといえば、ハツコイソウなど、西オーストラリアのワイルドフラワーが育つ原野の土は、非常にリン酸分が少ないやせ地。そのため、リン酸が少ない土でも生育できるよう、独特の進化をしているのです。

よって、良かれと思って与えたリン酸が多い肥料が、かえってよくない結果を生むことも…。ハツコイソウのようなオーストラリア原産の植物用の、低リン酸の肥料を与えるか、リン酸が控えめの油粕などを置き肥にしましょう。

 

コツ4)ハツコイソウには防寒対策よりも暑さ対策を

ハツコイソウには、わりあい耐寒性があります。鉢が凍結するような酷寒期以外は、室内に取り入れなくても戸外で冬越しが可能です。雨だけでなく、雪や霜を避けられる場所に鉢を置いてください。

ハツコイソウが枯れ込んでしまう時期は、冬よりも夏が多いようです。高温多湿の日本の気候は、ハツコイソウにとっては厳しい環境。夏を乗り越えるためには、何よりも雨を避けること、そして風通しのよい場所で育てることが大切です。乾燥した南半球の原野をイメージして、上手に夏越ししましょう。

 

コツ5)ハツコイソウは根詰まり防止に毎年植え替える

上手に越年できれば、どんどん株は大きく育ちます。しかし、鉢の中で根がいっぱいになってしまうと生育不良に。花の後の5月頃、根鉢をくずさずに、一回り大きな鉢に植え直しましょう。

 

まとめ

いかがでしたか? コツを押さえれば、ハツコイソウを日本でも大株に育てることは夢ではありません!

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