東スポは世の中のリトマス試験紙だ ウクライナ侵攻『プーチン トナカイの血飲む』の意図するもの│プチ鹿島

東スポは世の中のリトマス試験紙だ ウクライナ侵攻『プーチン トナカイの血飲む』の意図するもの│プチ鹿島

朝日新聞の峯村記者問題。安倍晋三元首相が週刊ダイヤモンドのインタビュー取材を受けた後、ダイヤモンド編集部の副編集長に公表前の誌面を見せるように要求した峯村記者の行為のことだ。

ギョッとする話だがこの件が報じられた当日、私は青木理さんと久田将義さんとトークライブをおこなったのです。見解をプロに聞けてラッキーだった。
ジャーナリストの青木さんがどう見たか(峯村記者とは面識もあるらしい)も必聴でしたが、何と言っても編集者として久田さんの解説がとても勉強になりました。

著作権や編集権、発行権から丁寧に解説してくださり、今回の峯村氏の行動は「野球で言うなら打ったら三塁に走ってるようなもの。それくらいルールを逸脱していてあり得ない」とビシッ。アーカイブは4月21日まで残ります。ぜひご覧ください。

そうそう、先日亡くなられた宮崎学さんの話も面白かった。宮崎さんと言えばグリコ森永事件で「キツネ目の男」として疑われた話がありますが、そこから未解決事件のトークへ。好事家は泣いて喜ぶ一夜となりました。

今回こちらでも紹介したいトーク内容はロシアのウクライナ侵攻の報道についてです。なんでこの話になったかと言えば我々が東スポ餃子を好きすぎるからだ。メディアの生き残り戦略を注視したいのです。新聞社がなぜ餃子を売るのかと思う人もいるだろうが、大手新聞社やテレビ局では不動産業をやっている社もある。だったら東スポが餃子を売ってもいい。

そして東スポのロシア報道が何で大切なのか。私は東スポが独自の一面を放っているうちは世の中はまだ大丈夫だと思っているからです。ある種のリトマス試験紙なのだ。逆に言えば「世の中が乱れると、東京スポーツと朝日新聞の見出しが同じになる」のです。

最近のロシア報道も同じ兆候があります。たとえばタブロイド紙だと日刊ゲンダイと夕刊フジは普段は政治的な論調は正反対ですが(だから面白い)、ロシア報道ではどうか。
4月9日はどちらもプーチンの写真を載せ、

『深刻病状』(夕刊フジ)
『深刻 ロシア食糧難焦り』(日刊ゲンダイ)

と報じていました。プーチンが本当に病気なのかどうかはわかりませんが「深刻」というテーマは同じです。日刊ゲンダイと夕刊フジの論調が似てきている。この件だけでもやはり「深刻」です。

その頃の東スポは『プーチン トナカイの血飲む』(4月6日)でした。

シカの枝角から採取した血を利用した民間療法はロシアに存在している、という情報から元警視庁公安部出身の方が解説していました。
一見すると面白記事のようですがよく読むとこれもプーチンの健康に関する記事でした。この点からもタブロイド&夕刊紙では「実際プーチンはどうなってんの?」という興味が集中していることがわかります。それほどプーチンの行いは酷い、なぜだ?という思いが共通しているのだ。下世話な視点から大きいニュースを追うのも重要だと思います。世の中の気分がわかります。

※朝日新聞のほか園子温問題についても話しました。4月21日まで視聴できます。
青木理×久田将義×プチ鹿島の“タブーなきニュース空間へようこそ” vol.8
https://twitcasting.tv/loft9shibuya/shopcart/144421
(文@プチ鹿島 連載「余計な下世話」)


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TABLOとは アメリカが生んだ、偉大な古典ミステリーの大家レイモンド・チャンドラー作品の主人公フィリップ・マーロウの有名なセリフがあります。 「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」 人が生きていく上で、「優しさ」こそ最も大切なものであることを端的に表現した言葉です。優しさとは「人を思いやる気持ち」であり「想像力を働かせること」です。弱者の立場に立つ想像力。 「人に優しく」 これは報道する側にも言えることだと思います。 現在、ヘイトニュース、ヘイト発言、フェイクニュースがネットの普及に従い、増大しており、報道関係者の間では深刻な問題となっています。そこには「人に優しく」という考えが存在していません。 なぜ、ヘイト(差別)ニュースがはびこるのか。「相手はどういう感情を抱くのか」という想像力の欠如がなせる業です。ヘイトによって、人は人に憎悪し、戦争が起き、傷ましい結果をもたらし、人類は反省し、「差別をしてはならない」ということを学んだはずです。 しかし、またもヘイトニュースがはびこる世の中になっています。人種差別だけではありません、LGBT差別、女性差別、職業差別等々、依然としてなくなっていないのだな、ということは心ある人ならネットの言論にはびこっていることに気づいているはずです。本サイトはこのヘイトに対して徹頭徹尾、対峙するものです。

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