激論を生んだ映画『大怪獣のあとしまつ』三木聡監督「すごく愛してくれることと、すごく嫌いってことは同義だったりする」「激しく感情が動いてくれるのは嬉しい」

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公開初日からSNSのトレンドを席巻するほどの話題作、映画『大怪獣のあとしまつ』満員御礼舞台挨拶が2月15日に実施されました。

暴れ狂う大怪獣に、逃げ惑う人々。突如、ヒーローが現れて世界を救う――。それは、子供の頃に誰もが憧れた、特撮映画でお決まりの展開。しかし、倒された怪獣の死体処理は、果たしてどうなっていたのか…? そんな「誰もが知る“巨大怪獣”の、誰も知らない“死んだ後”の物語」を史上初めて描いた、映画『大怪獣のあとしまつ』が、2月4日に全国公開。

主演にはHey! Say! JUMPの山田涼介さん、ヒロインに土屋太鳳さんを迎え、監督・脚本を「時効警察」シリーズなどで知られる三木聡氏が務め、さらに特撮監督に「仮面ライダー」シリーズの佛田洋氏、怪獣造形を手掛けたのは「平成ゴジラ」シリーズや「ウルトラマン」シリーズなどで知られる若狭新一氏。今まで誰も見たことのない“空想特撮エンターテイメント”にふさわしい最強タッグが実現しました。

2月4日に公開を迎え、週末興行ランキングでも初登場作品1位に輝き、公開初日にTwitterでもトレンド1位を獲得するなど話題沸騰中の映画『大怪獣のあとしまつ』。本作の大ヒットを記念して行われた「満員御礼舞台挨拶」には、主演の山田涼介さん、ヒロインの土屋太鳳さん、三木聡監督が登壇。

本作では初の本編上映後のイベントということでネタバレ有りのトークが展開されました。MCから「撮影中に思わずツッコミを入れたくなったシーン」について話題が振られると、山田さんは「めちゃくちゃありすぎて、一つに絞るのが非常に難しい。でもやっぱりラストですかね。ホン(脚本)を読んで嘘だろ!?と思いましたので」と回答。

その山田さんからの“ツッコミ”に対し「みんなそう思うわけですよね」と三木監督は想定通りの様子。「例えば巨大ヒーローが出す光線とか、なんで最初から出さないんだろうと子供の頃ずっと思っていたんですよ」と幼少期に疑問を告白し、それに対するオマージュとパロディをラストシーンに込めていたことを明かしました。当初は「最初からそうしろよ」とナレーションも入れる予定だったとのこと。最終的には観客に委ねるべきと考え、入れなかったと裏話を披露しました。

一方、土屋さんの「思わずツッコミを入れたくなったシーン」は「環境大臣の部屋で、他(自分以外)に働かれている人がいると思うんだけど、リモート会議なのかどうか」。大臣部屋の人の少なさを指摘。これについて監督は「秘書室は意外とそうみたいよ」と返答。「実際聞くと横に別の部屋があって、そこに必要な人がいて用があれば入ってくる、というような仕事のやり方をしてることも多いらしい」と説明し、「リアリティのある映画なんです」と付け加え、会場の笑いを誘いました。

続いてイベントでは、筆と特大色紙が用意され「本作を一文字で表すなら何を書くか」という展開に。登壇者それぞれが思いの丈を表現しました。

まず三木監督から発表。監督が描いた一文字は「激」。「過激な作品だったと思うし、激論を生んだ。こんなにリアクションがあったのは初めて」と、公開初日に賛否両論が巻き起こったことを振り返りました。中には激しい言説もありましたが、「すごく愛してくれることと、すごく嫌いってことは同義だったりする。その意味で激しく感情が動いてくれるのは嬉しかったりもする」と話しました。

次に発表したのは土屋さん。出された色紙には「∞」と書かれており、まさかの記号での発表! 「ね、天然でしょ」と山田さんにフォローを入れられながらも、「この作品には無限大の魅力があって、いろんな考え方や捉え方が出てくるなと思って」と自身の思いの丈を説明。「この無限大の魅力が時間や国境を飛び越えて、多くの人に観てもらえたら」と願いを込めて書いたことも話しました。

最後に発表となった山田さんが出した一文字は「新」。「新しい試みの映画だと思ったし、斬新の新でもある」と解説。「監督の“怪獣が死んだ後の物語”という斬新な着眼点もあるし、新しい、勇気のある一歩を踏み出した映画だと思っている」と、作品の魅力も合わせて力説しました。

イベントの最後のメッセージでは、土屋さんが「特撮もこの作品も本当に大好きです。将来もし、次世代の子供を何らかの立場で育てるときがきたら、この作品を一緒に見て、語り合えたら嬉しい」とコメント。

山田さんは「映画は本当に観る人の自由。どんな感想を持っても、どんなことを言っても良いと思っている。この作品が皆さんの手によって長い時間愛され、長い時間観ていただける作品になれば嬉しい」と語り、イベントは締めくくられました。

山田涼介さんインタビュー記事はコチラ↓
映画『大怪獣のあとしまつ』アドリブ一切なし!「台本は一字一句変えないで」計算し尽くされた難しさ 主演・山田涼介「映画館で臨場感を感じてほしい」
https://getnews.jp/archives/3216225

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【徹底議論】大怪獣の死体、どうやってあとしまつする?肉・骨・シーシャBar!? スペシャリスト達が本気で話してみた
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作品概要

■タイトル:『大怪獣のあとしまつ』
■監督・脚本:三木聡
■出演:山田涼介 土屋太鳳
濱田岳 眞島秀和 ふせえり
六角精児 矢柴俊博 有薗芳記 SUMIRE 笠兼三 MEGUMI
岩松了 田中要次 銀粉蝶 嶋田久作 笹野高史
菊地凛子 二階堂ふみ 染谷将太 松重豊
オダギリジョー 西田敏行
■VFXスーパーバイザー:野口光一(『男たちの大和/YAMATO』)
■特撮監督:佛田洋(『仮面ライダー』シリーズ)
■怪獣造形:若狭新一(『平成ゴジラ』シリーズ)
■企画・配給:松竹 東映
■制作スケジュール:撮影1 2020年3月10日〜3月末 / 撮影2 2021年1月末〜3月上旬
(C)2022「大怪獣のあとしまつ」製作委員会
■公式HP:daikaijyu-atoshimatsu.jp
■公式Twitter/Instagram:@daikaijyu_movie
【STORY】
人類を恐怖に陥れた巨大怪獣が、ある日突然、死んだ。――この死体、どうする?――
人類を未曽有の恐怖に陥れた巨大怪獣が、ある日突然、死んだ。
国民が歓喜に沸き、安堵に浸る一方で、残された巨大な死体は徐々に腐敗・膨張を進めていた。
爆発すれば国家崩壊。終焉へのカウントダウンは始まった。絶望的な時間との闘いの中、国民の運命を懸けて死体処理を任されたのは、警察でも軍でもなく、3年前に突然姿を消した過去をもつ1人の男…。
彼に託された<使命>とは一体? 果たして、爆発を阻止することができるのか――!?
前代未聞の緊急事態を前に立ち上がった、ある男の”極秘ミッション”を巡る空想特撮エンターテイメントが、今、動き出す。

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