TOEICを題材にしたミステリー小説が登場

TOEICを題材にしたミステリー小説が登場
 企業のグローバル化が進み、入社試験や昇進試験の際、TOEIC○○○点以上といったことを条件の1つとしている会社は増えている。
 そうしたTOEIC対策のために、リスニングの教材やテキストを使って勉強している人も多いだろう。もちろん、そういったTOEICの試験対策のテキストを使うのは勉強になるが、たまには、少し違った方法で、TOEICに触れてみるのはどうだろうか。

 『不思議の国のグプタ―飛行機は、今日も遅れる』(ヒロ前田、清涼院流水/著、アルク/刊)は、TOEICに繰り返し出題される出来事や状況を、物語に反映したミステリー小説だ。

 主人公は世界的物流企業であるトビアス・アインシュタイン社のバンクーバー本社で顧客サービス部に勤務するグプタ。彼は自分のいる世界に違和感を覚え始める。例えば「すべての電話番号に“555”が含まれる」「図書館は、いつも閉まっている」「老人と子どもが、いない」「アルコールとタバコが、存在しない」「病院は存在するが、治療で利用する人は、いない」「警察が存在しない」といったことだ。グプタが感じた、この世界の不思議には、どんな秘密が隠されているのか…。

 7つの章で、それぞれ1章終わるごとにTOEICについて解説が入る。本書のタイトルにもある「飛行機は、今日も遅れる」というのは、TOEICのパート4(説明文問題)に登場するものだ。(1)悪天候 (2)機体の点検 (3)荷積みの遅れ が飛行機の遅れの三大原因だ。たまに搭乗ゲートの変更を知らせるアナウンスが出題されることもある。
 もし、飛行機が遅れなければ、なにも質問すべきことがなくなってしまう。飛行機が遅れるからこそ、その理由や影響について質問する試験が成立する。だから飛行機は遅れるということだ。現実世界には、自分が乗るフライトの出発が遅れることを知ると、ガッツポーズを作って喜ぶTOEIC愛好家が少なからず存在するという。

 TOEICに向けてすでに勉強をしている人も、少し違った角度からTOEICにスポットを当てている本書は、斬新に映るはず。小説を読んでいるうちにTOEICの世界観や概要、傾向をおさえることのできる一冊だ。
(新刊JP編集部)



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