自分の好みに合う温泉地はどこ? 「温泉オタク」が役立つ情報をまとめた”偏愛エッセイ”
温泉が恋しい季節がやってきました。冬になると雑誌の特集も温泉宿や旅館の紹介で溢れ、ますます”温泉欲”が高まります。幸運にも日本には草津や箱根、伊豆、熱海、越後湯沢など有名な温泉地がたくさんあります。でも温泉街が好きだったり、静かな温泉旅館でしっぽり楽しむのが好きだったり、人それぞれ好みが違いますよね。自分の好みに合う温泉地はどうやって探せばいいのでしょうか。
そんな悩みにズバリ答えてくれるのが、永井千晴さんの著書『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』です。「温泉オタク」である永井さんはTwitterやブログで多くの温泉情報を発信しており、これまで国内外あわせて約500湯の温泉に浸かってきたといいます。同書は”女ひとり温泉”と冠されていて、永井さんが「女性のひとり温泉旅行」ビギナーに向けて執筆した内容ではありますが、老若男女問わず温泉好きに響く内容が盛りだくさんの”偏愛エッセイ”です。
まず紹介したいのは、先述した悩み「自分の好みに合う温泉地を見つけたい」を解決する「おすすめ温泉チャート」。これは、スタート地点の質問「趣ある”温泉街”はマスト」に「はい」なら次の質問「ガツンと個性派湯or浸かりやすいつるさら湯」へ、「いいえ」なら「とにかく宿でゆっくり過ごしたい」へ、どんどん質問に答えて進んでいくと好みの温泉地がどこなのかがわかる大変便利なチャートです。しかも「全国版」「大阪から1泊2日で行ける」「東京から1泊2日で行ける」の3バージョンが用意されています。
チャートでだいたいの場所に目星をつけたら、さらに具体的に温泉旅行の計画を立てていきましょう。ここで衝撃の事実なのですが、温泉は冬のイメージがあり、冒頭でもこの時期こそ温泉欲が高まると記したものの、永井さんいわく「一番温泉旅行に適しているのは五月下旬(でも五月以外ももちろんサイコー)」とのこと。2018年5月28日に永井さんがTwitterに投稿した以下のツイートは多くの共感を得たといいます。
「これは声を大にして言いたいんですが、五月は温泉のベストシーズンです。露天風呂に虫いない、日差ししんどくない、台風の心配ない、連休終わって落ち着いてる、新緑きもちいい、祭りとかのイベントないから混んでない、紅葉ももちろんない、冬季閉鎖終わって山道に雪もほぼない」(同書より)
温泉ビギナーとしては目から鱗の情報です。でも「じゃあ5月まで待たなきゃ……」と落ち込まないでください。永井さんは「基本的には、どの時期も楽しみ方を工夫すればサイコーの温泉旅行が実現できます」とアドバイスします。また、家族や友人と休みを合わせて温泉旅行をするとなると、どうしても大型連休を利用して行くことが多くなってしまいますが、連休を避けて落ち着いた時期に旅程を組めるのは、ひとり温泉旅行ならでは、とも。
また、永井さんは「温泉ソムリエ」の資格受験を勧めています。ビギナーにはハードルが高すぎると思ってしまいますが、永井さんいわく「お金を払えば取得できる資格」だそうで、資格取得以上のものが得られると、以下のように解説します。
「温泉ソムリエの試験に無事合格すると(セミナーの難易度は高いですが、試験は簡単です)、認定証や記念タオルと一緒に、配られた冊子を持ち帰ることができます。この冊子がすごい。およそ、受験代はこれに支払っていたのだと思うほどにすごいんです。温泉ソムリエを創設した遠間和広さんの温泉愛が詰まっています」(同書より)
冊子には250ページ超にわたるさまざまな温泉の情報が書かれており、「一番活用できるのが、温質別の主な温泉地がまとめられているのと、温泉達人(評論家や大学教授など)のおすすめ温泉地一覧がコメント付きで書かれていること」(同書より)だと永井さんは力説します。
女優・釈由美子さんやお笑いコンビ・品川庄司の庄司智春さん、SixTONES・髙地優吾さんなど、多くの有名人が温泉ソムリエを取得しており、在宅で講座と試験を受けることも可能です。永井さんは、この冊子があれば「一生、温泉旅行に困りません。マジで」と大プッシュ。これから温泉旅行にたくさん行きたいと思っている人は受験を考えてみるのもいいかもしれません。
ここまでに紹介した内容は同書のほんの一部です。ほかにも「本当にいい温泉なのか」を見極めるのに信頼できるサイトの紹介や、永井さん流の旅行計画のまとめ方、チャートで紹介された温泉地それぞれの特徴など、温泉への熱い思いを持つ永井さんだからこそ書ける内容がぎゅっと詰まっています。温泉好きな人は、この機会に読んでみてはいかがでしょうか。
[文・春夏冬つかさ]
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