観逃した作品をチェック! 2021年公開のホラー・スリラー・ゾンビ映画まとめ[ホラー通信]

2021年に日本で劇場公開されたホラー・スリラー・ゾンビ映画のなかから、注目作品やユニークな作品をセレクトして振り返っていきます。観逃した作品のチェックや、観た作品の振り返りにお役立てください。

※カッコ内は公開月
※★印は映画祭・特集上映で公開

続編・シリーズ作

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・『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』(10月)
・『ハロウィン KILLS』(10月)

2021年はビッグタイトルのシリーズ作が続々公開されました。シリーズを超えてユニバースとなった『死霊館』の最新作は、80年代に実際に起きた事件をベースにした、ミステリー要素のあるホラー。大家を殺害した青年が、“悪魔に取り憑かれていた”ことを理由に無罪を主張。心霊研究家のウォーレン夫妻がその証拠を見つけるべく奔走します。実話ベースの作品なので、事件の当事者の証言[リンク]と併せて観るとより味わい深い。(さすがに実話から超越した部分もあるけれど)

『ハロウィン KILLS』は、殺人鬼マイケル・マイヤーズを描く伝説的ホラー『ハロウィン』(78)の40年後を舞台にした続編3部作の2作目にあたります。前作では、一作目の生存者ローリーとマイケルとの因縁の対決が描かれましたが、今作では、事件の舞台となった町・ハドンフィールドの住人たちに焦点が当てられました。身内を殺された恨み、長年平和を脅かされてきた恨み。住人たちが怒りに燃え、マイケルへの復讐を企てます。“純粋な悪”と称されたマイケルの神秘性がますます高まっている2作目。完結編となる次回作『HALLOWEEN ENDS(原題)』は2022年に本国アメリカで公開予定。こちらも楽しみ!

・『ドント・ブリーズ2』(8月)
・『スパイラル:ソウ オールリセット』(9月)

盲目老人の家に強盗に押し入った若者たちが、老人の恐るべき聴覚と戦闘能力によって返り討ちになる様を描いた大ヒットホラー『ドント・ブリーズ』(16)に、まさかの続編が登場。一作目で“とある秘密”が明かされ、観客を驚愕(ドン引き?)させた盲目老人が今作では主人公に。老人が謎の少女を育てており、謎の男たちから彼女を守ろうとする、という謎だらけのストーリー。“悪人vs悪人”だった前作の構造が、本作ではどうなっているのか。盲目老人の戦闘術を楽しみつつ、次第に明かされる真実にゾワゾワできる一作です。

『スパイラル:ソウ オールリセット』は、『ソウ』シリーズの最新作。人々を誘拐しては、究極の選択を迫る“殺人トラップ”の餌食にしてきたジグソウ。今作では、シリーズで描かれてきたジグソウをめぐるストーリーを一旦脇に置き、“ジグソウの模倣犯”が現れるという設定に。ジグソウに愛着のあるファンにはちょっと淋しい設定ですが、情け無用の殺人トラップをサクサク楽しみたい方にはオススメ。サミュエル・L・ジャクソンの出演シーン、強烈でしたネ~。

・『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』(6月)
・『キャンディマン』(10月)

コロナ禍で一年ものあいだ公開が延期された『クワイエット・プレイス』の続編が遂に公開。音に反応して襲いかかってくる“何か”がいる世界で、必死に生きていく一家を描く本シリーズ。前作では“音を(極力)立てずに出産”という一大イベントがありましたが、今作では、そのときに生まれた赤ん坊を連れてのサバイバルです。一家の子供達が大活躍、自身も役柄と同じく聾者であるミリセント・シモンズと、彼女の弟役ノア・ジュプの熱演が白眉。

『キャンディマン』は、“鏡の前で5回その名を唱えると殺される”という、都市伝説の黒人の殺人鬼を描くホラー。1992年の同名映画をベースに、根強く残る人種差別問題を色濃く反映させて、現代に蘇らせた一作。前作とのつながりも本編に登場します。製作・共同脚本は『ゲット・アウト』『アス』のジョーダン・ピール。オリジナル版のファンだったピールは、本作で“黒人の視点で語るキャンディマンの物語”を作ることを重要視したそう。

・『新感染半島 ファイナル・ステージ』(1月)
・『樹海村』(2月)

2021年の元日に公開されたのは、韓国発のゾンビ映画として一躍話題となった『新感染 ファイナル・エクスプレス』の続編、『新感染半島 ファイナル・ステージ』でした。続編とはいえキャラクターは引き継がず、前作で描かれたゾンビ・パンデミックの4年後を描いたストーリー。ウイルスと感染者は“半島”へ隔離することに成功していましたが、実はそこにはまだ生存者たちが……。危険な半島を舞台に、取り残された生存者たちのドラマと、激しいカーアクションを交えたサバイバルを描きます。監督・脚本は、前作からの続投で、Netflixドラマ「地獄が呼んでいる」も話題沸騰中のヨン・サンホです。

『樹海村』は、清水崇監督が実在の心霊スポットを舞台にホラー映画を作る「恐怖の村」シリーズの二作目。“入ったら生きては出られない”と噂される富士の青木ヶ原樹海と、ネット発の都市伝説“コトリバコ”をかけ合わせた物語になっています。前作の『犬鳴村』とはストーリー的なつながりはないものの、前作で亡くなったとあるキャラクターがしれっと蘇って登場しているのが不気味でニンマリ。実は不死身なのかな? 3作目となる『牛首村』が2022年2月公開予定。

人気・注目監督の作品

・『マリグナント 狂暴な悪夢』(11月)
・『ラストナイト・イン・ソーホー』(12月)

ふたりの人気監督が、ジャーロ映画(70年代頃の独特なイタリアンホラー)や過去のホラー映画をインスピレーションに、主人公が見る“夢”をめぐるオリジナルホラーを作る、という不思議なシンクロ現象が起こりました。まずは、『ソウ』『死霊館』のジェームズ・ワンによる『マリグナント 狂暴な悪夢』。“目の前で殺人を目撃する”というショッキングな夢に苛まれる女性と、その夢に秘められた恐るべき真実をめぐる物語。ホラーというジャンルの枠を軽々超えたクライマックスの驚愕展開が話題に。あまりの興奮に、観終わったあとジェームズ・ワン監督をハグしたくなる一作。

『ラストナイト・イン・ソーホー』は、『ショーン・オブ・ザ・デッド』のエドガー・ライト監督作品。ずっとホラーを撮りたかったというライト監督が選んだ題材は、思い入れがあるロンドン・ソーホー地区の、“光と闇”。田舎から憧れのロンドンへと引っ越した現代の女性が、夢の中で60年代のソーホーにタイムリープし、当時の女性の体験を追体験することで、憧れの対象の輝かしい部分のみならず“闇の部分”をも知ることになります。60年代に女性が殺された事件と、現代にも現れる“無数の亡霊”のつながりとは。過去のホラー映画へオマージュを捧げながらも懐古主義にはならず、“現代の視点”を盛り込んだ意欲作。

・『ライトハウス』(7月)
・『オールド』(8月)

アニャ・テイラー・ジョイ主演の『ウィッチ』でデビューを飾り、一躍注目を集めたロバート・エガース監督『ライトハウス』。本国公開から2年を経て待望の日本公開となりました。そりの合わない新人灯台守と老いたベテラン灯台守が、凄まじい嵐によって絶海の孤島に閉じ込められ、二人きりで過ごすうちに狂気に囚われていきます。役柄と同じく、タイプの全く異なる二人の主演俳優ロバート・パティンソンとウィレム・デフォーの演技合戦が圧巻。ほぼ正方形のスクリーンサイズが閉塞感を増幅させ、モノクロの映像が光と闇の差を強調。観客を魅惑と狂気の世界に誘っていました。

『スプリット』『ミスター・ガラス』のM.ナイト・シャマラン監督が、“時間”を題材に作り上げたスリラーが『オールド』です。舞台は、時間が異常なスピードで過ぎ去り、“一日で老いて一生が終わってしまう”という恐るべきビーチ。そこに閉じ込められた人々は、脱出する方法を探して試行錯誤しますが……。わずか一日という期間に濃縮される人生を描きながら、時間の怖さと優しさの両方を浮かび上がらせていきます。「短い人生をどう生きるのか」という問いを突きつける、シャマラン監督らしいヒューマンドラマの側面を持ったスリラー。

・『RUN/ラン』(6月)
・『ザ・スイッチ』(4月)

PC上で物語が展開するサスペンス・スリラー『search/サーチ』が話題となったアニーシュ・チャガンティ監督と製作チームが贈る『RUN/ラン』は、“歪んだ母性”が題材に。生まれつき車椅子の娘に、“人間が飲むべきではない薬”を飲ませて甲斐甲斐しく世話していた母親。娘がそれに気付いたことから、仲睦まじかった二人の関係性が破綻していきます。サラ・ポールソンが母親の狂気を怪演。娘役に、自身も車椅子で生活するキーラ・アレンを起用したことでディテールのリアリティが増しています。新人とは思えぬ彼女の迫力の熱演も大きな見どころ。

『ハッピー・デス・デイ』のクリストファー・ランドン監督待望の新作は、女子高校生と連続殺人鬼の体が入れ替わってしまうというホラーコメディ『ザ・スイッチ』。誰も自分を殺人鬼とは疑わない外見を手に入れた殺人鬼は思う存分殺戮を楽しみ、指名手配中の巨漢の殺人鬼になってしまった高校生は大慌て。入れ替わる二人をコミカルかつ説得力を持って演じたキャスリン・ニュートン、ヴィンス・ヴォーンの二人もお見事でした。

世界観がユニークな風刺スリラー

・『プラットフォーム』(1月)
・『ビバリウム』(3月)
・『アンテベラム』(11月)

『プラットフォーム』は、スペイン発のかなりユニークな風刺映画です。いくつもの階層がある塔のような建物の中で、部屋の真ん中に空いている穴を通じて“上から降りてくる残飯”だけを食べて過ごす人々。食べ物はすべての人のお腹を満たせるほど充分にあるのに、そうはならない。ミニマルな構造とわずかなルールのなかで、人々が思い思いの行動を取り、その行動によって様々な社会問題があぶり出されていきます。

『ビバリウム』は、奇妙なあらすじと悪夢的なビジュアルで話題となりました。新居を探す若いカップルが、内見に訪れた“住宅地”に閉じ込められ、強制的に“子育て”をさせられるというストーリー。どこまでも同じ家が立ち並ぶ無味乾燥な住宅地で、精神が崩壊していくカップル。本作を手掛けたロルカン・フィネガン監督は、リーマンショックで工事が中止されたアイルランドの住宅地がインスピレーションになったそう。拡大を続けながらもどこかで破綻し、不幸な人々を生む資本主義社会に警鐘を鳴らしています。

ジャネール・モネイ主演の『アンテベラム』は、驚くべき仕掛けを持つパラドックス・スリラー。『ゲット・アウト』『アス』のプロデューサー、ショーン・マッキトリックが製作を務めています。現代を生きる社会学者の女性ヴェロニカと、南部のプランテーションで奴隷として働くエデンという女性をめぐる物語。言えば言うほど楽しみを奪ってしまうので、これ以上は何も言えません。予備知識なしに観て、ぜひ衝撃を受けてください。

現代の問題を笑っちゃうくらいシニカルに描く

・『スプリー』(4月)
・『キラージーンズ』(10月)★
・『整形水』(9月)

Netflixドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』で人気のジョー・キーリーが主演を務めた『スプリー』は、SNSで“バズる”ことを夢見る青年が、注目を集めるために殺人を生配信するという超現代的スリラー。誰しも持ちうる承認欲求が暴走し、取り返しのつかない事態へと陥っていきます。現代の若者たちが起こした実際の殺人事件がヒントとなっていますが、そんな殺人犯を“クールではないもの”として見せたかったという監督は、あえて主人公を滑稽で哀れな人物としてコミカルに描いています。

カナダ発の『キラー・ジーンズ』は、ジーンズが人間を襲うというトンデモホラーコメディ。アパレルブランド渾身の新作ジーンズが、ひとりでに動き出して人々を残虐に殺し始めます。ジーンズの特性を活かした独特すぎる殺害方法に大笑い。こんな設定だけれど、実は偽善的なブランディングや消費社会を痛烈に皮肉るストーリーです。

『整形水』は、外見至上主義の現代社会の闇を描く、韓国発のアニメーション映画。外見に強いコンプレックスを持つ主人公のもとに、容姿を好きなように作り変えられる“整形水”が送られてきて……。LINEマンガで配信中のオムニバス漫画「奇々怪々」の1エピソードを原作としていますが、かなりアレンジが加えられています。ダークなトーンの作品ですが、ナナメ上に突き抜けたクライマックスは思わず笑ってしまうかも。

ヤバい奴がどこまでも追いかけてくる

・『アオラレ』(5月)
・『殺人鬼から逃げる夜』(9月)

ラッセル・クロウが狂気の“あおり運転男”を演じるスリラー『アオラレ』。車で子供を送迎中の母親が、見知らぬ男とトラブルになったことで、凄まじいあおり運転と常軌を逸した脅迫のターゲットに……。どこまでも粘着質で、異常な強さを持つ恐ろしい男の役に、ラッセル・クロウが妙にハマっています。

韓国発のスリラー『殺人鬼から逃げる夜』は、殺人現場を目撃してしまった耳の不自由な女性が、サイコパス殺人鬼のターゲットとなってしまうストーリー。まるでゲームを楽しむがごとくターゲットを追い詰めていく殺人⻤ですが、女性が意外な健闘を見せ……。サイコパス殺人鬼をイキイキと演じるのは、POVホラー『コンジアム』に出演していたウィ・ハジュン。

あなたも年を取るんだよ

・『アミューズメント・パーク』(10月)
・『レリック-遺物-』(8月)

『アミューズメント・パーク』は、なんとゾンビ映画の父、故・ジョージ・A・ロメロ監督が1973年に手掛けた幻の未公開作品。半世紀近く経っての初公開です。ホラーやエンタメ作品として作られたものではありませんが、あまりに怖いのでこのまとめに入れさせていただきます。老人が遊園地でひたすら悲惨な目に遭うだけ!という、53分の短くも強烈な内容。高齢者虐待に対する世間の認識を高めるために制作されたものの、その悲惨さからお蔵入りになったという逸話が。“誰しもが通る(かもしれない)道”を容赦なく描いているので、身につまされる怖さがあります……。

『レリック -遺物-』は、監督の祖母の認知症から着想を得て作られた作品。高齢の母が一時的に行方をくらます事件があり、心配した娘と孫娘は母が一人で暮らしている実家へと帰ります。そこには、母が認知症に苦しめられていた痕跡が。母は無事に帰ってきたものの、別人のように変容していき……。認知症によって失われていく記憶と、そこから始まる恐怖の連鎖を描いた物哀しい作品。脚本に惚れ込んだ『アベンジャーズ』シリーズのルッソ兄弟とジェイク・ギレンホールがプロデューサーを務めています。

あの傑作がリバイバル

・『ヒッチャー ニューマスター版』(1月)
・『屋敷女 ノーカット完全版』(7月)

『ブレードランナー』のルトガー・ハウアーが恐ろしくも魅惑的な殺人ヒッチハイカーを演じる『ヒッチャー』(86)が、美麗なニューマスター版でリバイバルされました。青年が厚意で車に乗せたヒッチハイカー。しかし彼の正体は殺人鬼で、青年に異様な執着を見せ、延々と命を狙われることに。命がけの追いかけっこを続けるうちに、“殺人鬼とそのターゲット”という以上の不思議な絆を感じさせる関係性へと発展していきます。

ジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロの監督コンビによる『屋敷女』(07)が、ノーカット完全版として復活。出産を間近に控えた妊婦が、侵入者の女によっておぞましい体験をする衝撃ホラー。容赦のないストーリーとゴア描写、謎の女を演じたベアトリス・ダルの怪演が目に焼き付きます。以前の日本公開時には大幅な修正とカットを余儀なくされたものの、今回のノーカット完全版ですべてが丸見えに……!

こんな映画もあるよ

・『呪術召喚 カンディシャ』(10月)★
・『ズーム/見えない参加者』(1月)

ジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロ監督コンビは『屋敷女』だけにあらず、ちゃーんと新作もありますよ。『呪術召喚 カンディシャ』は、モロッコの妖女伝説をベースにしたホラー。ティーンエイジャーが自分を暴行した元カレに復讐するため、女の魔物“カンディシャ”を召喚してしまいます。しかしカンディシャは、元カレのみならず、その他の男たちまでも皆殺しにし始め……。魔物が自分に都合よく動いてくれるわけないよね。

『ズーム/見えない参加者』は、ビデオ会議ツール“Zoom”を使ってコロナ禍のロックダウン中に撮影されたイギリスのホラー映画です。Zoomで交霊会をしていた友人グループに、次々と怪異が起こります。キャストは自分以外のメンバーに何が起こるか知らされていないため、リアクションはすべてガチだそう。テレビ画面で観てもいいけれど、パソコンで観るとより臨場感が味わえます!

・『クローブヒッチ・キラー』(6月)
・『ダニエル』(2月)

『クローブヒッチ・キラー』は、父親への疑念をめぐる緊迫のサスペンス・スリラー。信仰を重んじる小さな町で、10年前に起きた未解決の連続殺人事件。16歳の少年がふとしたことから自分の父親が犯人ではないかと疑いを持ち、事件に関心を持つ少女と真相を探っていきます。一度疑念を抱くと、父親のあらゆる所作が恐ろしい……。大きな問題に直面したティーンエイジャーの精神的な成長を描くドラマでもあります。

『ダニエル』は、“イマジナリーフレンド(想像上の友達)”を題材にしたスリラー。辛い幼少期の心の支えとして生み出したイマジナリーフレンドが、ひとりでに暴走して自分の脅威になってしまったら?というゾクゾクするストーリー。ハリウッド俳優を親に持つマイルズ・ロビンスとパトリック・シュワルツェネッガーの共演も話題になりました。ポスタービジュアルはお耽美ですが、『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』『カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇』を世に送り出したクセの強い(いい意味で)製作会社Spectrevisionの作品ですのでご留意を。

・『ダーク・アンド・ウィケッド』(11月)
・『降霊会 血塗られた女子寮』(12月)★

『ダーク・アンド・ウィケッド』は、インベージョン・スリラーの傑作『ストレンジャーズ/戦慄の訪問者』のブライアン・ベルティノ監督作。ある姉弟が父の最期を看取るため帰郷しますが、父を介護していた母が突然の自殺。寝たきりの父とともに取り残された姉弟は、次第に想像を絶する怪異に襲われていき……。全編に漂う、ずっしりとした陰鬱なムードが強烈!

『サプライズ』のアダム・ウィンガード監督が『ゴジラVSコング』のヒットで大出世しておりますが、一方、『サプライズ』の脚本家で、ウィンガード監督と長らくタッグを組んでいた盟友サイモン・バレットが監督デビュー。初監督作となるのが『降霊会 血塗られた女子寮』です。全寮制女子高校の生徒たちが悪ふざけで降霊会を行い、死んだ生徒の霊を呼び出します。しかし、参加したメンバーが次々と死んでいき……。これは呪いか、それとも?

・『ウィリーズ・ワンダーランド』(7月)★
・『ゾンビ津波』(3月)★

とにかく多作のニコラス・ケイジ、こんな作品に主演していました。『ウィリーズ・ワンダーランド』は、廃墟となったテーマパークで一晩清掃員をすることになった男が、ひとりでに動き出す呪いのアニマルロボットたちと死闘を繰り広げる一作。掃除する&戦うを延々繰り返すだけのタイトさがなんか心地いい。“絵になる男”ニコラス・ケイジの魅力を堪能できます。

『ゾンビ津波』はもはやタイトルがすべて。“津波に乗ってゾンビがやってくる”ゾンビパニックムービーです。竜巻に乗ってサメがやってくる『シャークネード』シリーズの監督と主演俳優による作品と聞けば納得でしょうか。今作のゾンビは頭を撃っても動きを止められないのがミソ。大量のゾンビを果たしてどうする?

以上、34作品ご紹介しました。お気に入りが入ってなかったらごめんネ。2021年はとにかく人気シリーズの新作が多かった印象です。一方で、ジェームズ・ワンやエドガー・ライトのような人気監督が意欲的なオリジナルホラーを届けてくれたのも嬉しかったですね。2022年は、「恐怖の村」シリーズ新作『牛首村』や、デヴィッド・クローネンバーグのご子息、ブランドン・クローネンバーグ監督の『ポゼッサー』などの公開が決まっています。2022年も、どうぞお楽しみに!

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レイナス

おもにホラー通信(horror2.jp)で洋画ホラーの記事ばかり書いています。好きな食べ物はラーメンと角煮、好きな怪人はガマボイラーです。

TwitterID: _reinus

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