世界最高の図書館をドキュメンタリーで追った作品 『ニューヨーク公共図書館 エクス・リプリス』

公開当時、3時間25分という尺に日和ってしまい、劇場に足を運ばなかったのだが、ようやく配信で見ることができた。ドキュメンタリーなので半分ずつ見てもいいと思うし、実際、私も休憩を入れつつのんびりと見た。

舞台は「ニューヨーク公共図書館」。利用者数は年間約180万人、所蔵約5,200万冊。アメリカで2番目、世界で4番目に大きいと言われている図書館。わたしにとっては、漫画「BANANA FISH」、映画「ゴースト・バスターズ」「ティファニーで朝食を」での印象が強く残っている。そして、SATCでキャリーが結婚式を挙げた場所でもあるようだ(これはよく覚えていなかった)。

この図書館は公共と名付くだけあって、誰でも無料で入館でき、
老若男女の知りたいという欲求に応えている。カメラは図書館の内側、STAFF ONLYの舞台裏を見せていくのだが、ニューヨーク公共図書館が本を貸し出すだけに留まらず、カルチャーセンターや児童館、ハローワーク、人々を結びつけるための様々な役割も担っていることがわかってくる。建物そのものは、荘厳な19世紀初頭のボザール様式の建築ではあるが、働く人々は古さや慣例に縛られることはない。そこにあるのは、誇りと愛情をもって働く司書やボランティアたちの姿。予算はどうやって引っ張ってくる? 紙の本か電子本か? ホームレスが眠っていたら起こすべきなのか? これからできることを積極的に模索する様子からは目が離せないし、働き方の参考にもなった。
これを見て、いつか必ず行ってみたい、そう思う人もいるだろう。私もそうだから。

(文/峰典子)

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