富士スピードウェイが“煙のないサーキット”に刷新 フィリップ モリス ジャパンの協力で
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国際サーキットの富士スピードウェイ(静岡県小山町)はフィリップ モリス ジャパンの協力により、サーキット内を加熱式たばこ専用とすることで「煙のないサーキット」に生まれ変わったことを宣言。26日におこなわれたメディア向けの発表会では、元F1ドライバーの片山右京氏を招いたトークセッションも開催された。
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デザインにもこだわった加熱式たばこ専用室
同施設では喫煙所をすべて撤廃し、関係者用を含む20か所の加熱式たばこ専用室・エリアを新設。サーキット内では燃焼をともなう紙巻たばこの使用が全面禁止となった。
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加熱式たばこ専用室の外装には、富士スピードウェイのシンボルであるインタープロトレースシリーズの車両をデザイン。描かれる車両は個々に異なり、また3か所は実物大とのことで、モータースポーツが好きな成人喫煙者にとっての新たなランドマークに生まれ変わっている。
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一部の内装にはレーシングカーのシートやホイールを展示したり、レーシングドライバーが富士スピードウェイのコースを実際に走行したオンボード映像を放映するなど、同施設ならではのこだわりがたっぷりと詰め込まれている。
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片山氏は、レーシングドライバーとして18歳でデビューして以来「(富士スピードウェイのコースを)1億周は走っている」という思い入れも深い。そんな片山氏が、富士スピードウェイが「煙のないサーキット」へ生まれ変わったことについて、「来場者の中には家族連れや若いファンも多いので、紙巻たばこの煙による望まない受動喫煙の問題は気になっていました。今回のようにはっきりとしたメッセージを打ち出しているサーキットは世界でも見たことがないので、この取り組みは非常に革新的だと感じています。自分を育ててもらった富士スピードウェイが率先して発信してくれたことを誇りに思います」とコメントした。
国内の“煙のないランドマーク”がさらに拡大へ
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歴史的に見てもモータースポーツとたばこ企業の関係は深く、富士スピードウェイにおいても1966年の開業以来、たばこ製品の看板が数多く掲出されたり、チームのスポンサーとしてレーシングカーを彩ってきた。
しかし、時代とともに紙巻たばこの煙をめぐる環境整備への議論が各所で加速。富士スピードウェイは国内サーキットの中でもいち早くこの課題解決に取り組んだ。
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富士スピードウェイの福島典雄取締役は、「モータースポーツのファンには喫煙者が多い印象」だとしつつ、「紙巻たばこによる喫煙者の皆さまにはご不便をおかけしますが、これからの時代を考え、小さなお子さんから高齢者の方々まで誰もが安心して過ごしていただける環境を用意するのも我々の役割だと思いました」と、今回の取り組みに至った背景を説明した。
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健康増進法の法改正以前から全国で「煙のないランドマーク」の拡大に取り組んできたフィリップ モリス ジャパンは、これまでにもZOZOマリンスタジアムや、世界遺産の白川郷、平泉の中尊寺・毛越寺、有馬温泉といった多くの施設や自治体で加熱式たばこ専用エリアの整備を進めてきた。
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フィリップ モリス ジャパンの井上哲エグゼクティブアドバイザーは、「一人でも多くの成人喫煙者に、加熱式たばこに切り替えてもらいたい。これは社会全体で取り組んでいかないといけないテーマです。我々は国内のたばこ市場において、10年後には紙巻きたばこから撤退すると明言しています。これはフィリップ モリスだけでは実現できません。今回の富士スピードウェイさんと取り組みにより、企業ビジョンとして掲げる“煙のない社会”の実現に向けて、大きな一歩を踏み出すことができたと感じています」とコメントし、今後、喫煙環境の整備を“街づくり”にも広げていきたい意向を明かした。
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