離れて暮らす単身高齢者の親を持つ子は、親の生活リズムや健康上の不安を正確に把握できていないことが判明?!
65 歳以上の単身の高齢者は年々増加しています。内閣府の「平成29 年版高齢社会白書」によると、2015 年時点で男性が約 192 万人、女性は約 400 万人が単身で暮らしており、この数値は今後も上昇していくことが予想されます。
また、昨今では新型コロナウイルス感染症拡大への懸念から、帰省を自粛せざるをえない傾向にあるなど、直接会って親の健康状態を確認することが難しくなっています。こうした状況の中で、「離れて暮らす親子の間には健康状態の認識について差があるのでは?」という仮説のもと、コミュニケーションの実態を把握するためのインターネット調査が実施されました。
さらに調査結果を受けて、介護・暮らしジャーナリストとして活躍されている太田差惠子氏に、遠距離介護とコミュニケーションの重要性、そして見守りサービスについてコメントがあります。
専門家は、親側の負担が少なくリアルタイムで確認できる見守りサービスを推奨
親の「夜中に目が覚める」といった生活リズムを把握できている子はわずか 3.6%
親の「薬を服用している」、「定期的に通院している」などの行動を把握している子は 56%と半数以上を占める一方で、「熟睡できない」、「夜中に目が覚める」のような、そばにいないと気づけない変化について把握できている子は、わずか 3.6%と著しく少ないという結果が出ました。
太田差惠子氏 コメント
親は子に心配をかけたくないとの気持ちから、熟睡できないとか、転んで腰が痛くて1日寝ていたとか、ちょっとした体調の変化までは話さないのでしょう。しかし、熟睡できないのが1日限りなら問題はなくても、継続している場合は、体調悪化のサインかもしれません。見守りサービスを導入すると、ちょっとした変化がいつから続いているか経過を含めて把握することができます。その結果、様子を見にいくとか、受診を勧めるとか、早めの対応を取れる可能性があります。
離れて暮らす単身高齢者の親を持つ子が不安に感じていることの第1位は「親の介護」
離れて暮らす単身高齢者の親を持つ子は、「親の介護」について強く不安に感じていることがわかりました。続いて親に対して感じている不安の2位は「親が病気やけがで入院した時の対応」、3位は「親の死後の手続き・片付け」でした。
太田差惠子氏 コメント
両親が揃っていれば、どちらかに何かあっても、もう一方の親がサポートできます。しかし、単身の場合は、子によるサポートが欠かせなくなります。呼び寄せ介護や U ターン介護を検討することも簡単ではありません。現在の状態を1日も長く続けるためには、親の異変を早期に察知し、早めに必要な医療や介護サービスにつなげることが必須です。見守りサービスは、そうしたことを実現するツールの1つとなり得ます。
親の 31.3%は、自身の体調や心配事を子に「全て伝えている」と思っている
一方、子で、親が体調や心配事を「全て話してくれている」と思っているのはたったの 9.3%
この結果から、親の体調や心配事に対して、親子の間で大きな認識の差があることがわかりました。「なぜ親が子に本当のことを言っていないと思うか」という子への質問に対し、1位が「自分に余計な心配をかけたくない気持ちからだと思う」、2位は「自分が必要以上に心配すると思っているからだと思う」でした。親が思っている以上に、子は親のことを心配していると考えられます。
太田差惠子氏 コメント
会えない時間が長いと、思いが募り、あれこれ心配になるものです。かといって、頻繁な帰省は、特にコロナ禍のような状況では難しいと言わざるをえません。電話をかけて話しても、どこまで本当のことを話しているのか見定めるのは難しいです。電話で数分間話すだけだと、普段以上に元気に装う親は少なくありません。一方で、生活リズムというのは誤魔化しようがないため、積み重なることで、「なんだか普段と違う」を察知できるようになります。
親子の 60%以上が「ドシテル」のような見守りサービスに共感できると回答
最も共感された特長は「子ども側がスマートフォンで簡単に確認できること」
親子ともに 60%以上が見守りサービスに共感できると回答しましたが、その中でも「ドシテル」の持つ特長の中で最も共感されたのが、「子側がスマートフォンで簡単に確認できること」でした。
太田差惠子氏 コメント
子は日々多忙です。帰省しない限り、1日 24 時間のなかで、親のことを考えたり、親のために何か行動したりできる時間は限られています。その結果、過分な心配につながるのだと思います。スマートフォンで確認できれば、時間をかけずに「見守る」ことができます。「今日も、普段通りだ」と思えると、安心できて、自分の仕事や生活に集中できます。
調査結果総論:太田差惠子氏 コメント
毎日の様子をスマートフォンで見ていれば、「普段通り」とはどんな状態かを知ることができます。結果として、親に変化があった場合に、いち早く気づくことが可能に。早期に発見できれば、状態を進行させないための策を考え、何らかの手を打つこともできます。気づくキッカケになるのが見守りサービスです。それに、日々「変わりがない」ことを確認できると、子にとっての心的負担はずいぶん軽減すると思います。
【介護・暮らしジャーナリスト】
太田差惠子氏
京都市生まれ。1993 年頃より老親介護の現場を取材。「遠距離介護」「高齢者住宅」「仕事と介護の両立」などの情報を発信。AFP(日本 FP 協会認定)の資格も持ち、「介護とお金」にも詳しい。一方、1996 年遠距離介護の情報交換の場、NPO 法人パオッコを立ち上げ、2005 年法人化した。現理事長。主な著書に「親が倒れた!親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと」(翔泳社)、「遠距離介護で自滅しない選択」(日本経済新聞出版)など多数。
【見守りサービス「ドシテル」について】
「ドシテル」は、専用のスマートフォンアプリを通じて、離れて暮らす単身高齢者の現在の様子(部屋の壁などに設置した専用の活動センサーで検知した在室状況や活動量など)を、アニメーションで表示しプライバシーに配慮した見守りサービスです。また、生活リズム・活動量・睡眠時間の履歴も確認でき、これらの履歴から、生活リズムや生活の変化がひと目でわかります。
■見守りサービス「ドシテル」 https://kadenfan.hitachi.co.jp/doshiteru/
■「離れて暮らす親子間(高齢者と高齢者を親に持つ子)のコミュニケーションに関するインターネット調査」 概要
調査期間:2021 年 8 月 27 日(金)~8 月 30 日(月)
調査方法:インターネットリサーチ
調査対象:
①子と離れて単身で暮らす 70 歳以上の親(166 名)
②離れて単身で暮らす 70 歳以上の親を持つ子(150 名)
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