Googleの「Pixel 6」シリーズで昼の浅草を撮影 Proの望遠カメラや新機能“消しゴムマジック”が秀逸
Googleが10月28日に発売する5G対応の新スマートフォン「Pixel 6」「Pixel 6 Pro」のカメラ機能をレビューにてご紹介します。一昨年前の「Pixel 4/4 XL」や昨年の「Pixel 5」では夜景モードの撮影が強化されたことから夜の浅草を撮影して検証しましたが、今回は昼の浅草を撮影してみました。
昨年の記事はこちら:
超広角とポートレートで夜景撮影がさらにパワーアップ GoogleのPixel 5で夜の浅草を撮影
https://getnews.jp/archives/2768135
まず始めに、Pixel 6とPixel 6 Proのカメラ機能についてまとめておきましょう。いずれも背面に設けられた黒い帯状の“カメラバー”に、横一列でカメラを配置しています。2機種ともメインに 5000万画素 f/1.85の広角カメラ、1200万画素 f/2.2の超広角カメラを搭載。Pixel 6 Proはさらに、光学4倍ズームで4800万画素 f/3.5の望遠カメラを搭載します。この記事で使用する写真は原則Pixel 6 Proで撮影し、カメラ機能に違いのある望遠やインカメラでの撮影では、Pixel 6による作例も掲載します。
明るく撮影できる広角&超広角カメラ
最初は広角と超広角の撮影を検証していきましょう。従来のPixelシリーズと比べてメインセンサーが取り込む光量を150%アップしたPixel 6シリーズ。より明るい写真の撮影が可能になりました。
▲Pixel 6 Proで撮影 f/1.85 1/765 6.81mm ISO42
▲Pixel 6 Proで撮影 f/2.2 1/1176 2.35mm ISO46
雷門を撮影。よく晴れた日とはいえ、広角・超広角ともに明るく色鮮やかな写真が撮れました。超広角では周辺部に不自然な歪みのない、自然な写真に仕上がっていることが分かります。
▲Pixel 6 Proで撮影 f/1.85 1/1133 6.81mm ISO42
▲Pixel 6 Proで撮影 f/2.2 1/877 2.35mm ISO47
仲見世通りを進んで宝蔵門が見えてきた場所を撮影。門にぶら下がった提灯の「小舟町」の文字はもちろん、沿道にかけられた小さな提灯の文字までくっきり読める解像感。
▲Pixel 6 Proで撮影 f/1.85 1/1167 6.81mm ISO41
▲Pixel 6 Proで撮影 f/2.2 1/1222 2.35mm ISO51
宝蔵門と五重塔を一緒に撮影。広角では宝蔵門看板の「浅草寺」の文字、屋根の瓦のひとつひとつまでクッキリと解像感が高い写真になり、超広角では広々と抜けがいい全景を収めることができます。
Pixel 6 Proの強力な望遠カメラを検証
例年どおり、五重塔の撮影でズーム機能を検証してみます。Pixel 6ではシャッターボタンのすぐ上にある倍率表示の「2x」「4x」をタップしてズーム撮影に切り替えが可能。光学4倍、さらにピンチ操作で20倍までズームすることができます。一方、Pixel 6では広角カメラで「2x」ズーム、さらにピンチ操作で7倍までズームが可能。
▲Pixel 6 Proで撮影 f/1.85 1/666 6.81mm ISO40
▲Pixel 6 Proで撮影 f/1.85 1/750 6.81mm ISO40
▲Pixel 6 Proで撮影 f/3.5 1/323 19mm ISO29
1倍、2倍は広角カメラによる撮影、4倍から望遠カメラでの撮影に切り替わりました。4倍でも細かい造作が忠実に撮影され、色も美しい写真に仕上がっています。
▲Pixel 6 Proで撮影 f/3.5 1/736 19mm ISO30
20倍ズームで撮影した写真は、AIが複数枚の写真を合成して高い解像感をもたらす“超解像ズーム”により、驚きの解像感に。先端の宝珠の形状まではっきりと確認できます。
▲Pixel 6で撮影 f/1.85 1/3236 6.81mm ISO40
Pixel 6でも4倍ズームまでは同じ写真が撮れるので、7倍ズームの写真を比較用に載せておきます。若干、エッジのなまった像にはなりますが、超解像ズームにより細かいディテールまで確認できる写真に。
Pixel 6 Proの20倍ズームがあまりにパワフルなので、東京スカイツリーや隅田川に浮かぶ水上バス“ヒミコ”など撮りまくってしまいました。
新機能“モーションモード”と“消しゴムマジック”を体験
Pixel 6シリーズは、GoogleがPixelのために独自開発したシステムオンチップ(SoC)の「Google Tensor」を搭載。AIや機械学習を利用するPixelの独自機能のオンデバイス処理に用いられ、カメラの撮影や画像処理がパワーアップしているのが特徴です。先ほどの超解像ズームもAIと機械学習が実現する機能。Pixel 6シリーズから追加された新機能の“モーションモード”と“消しゴムマジック”を試してみます。
モーションモードは、ダイナミックな動きのある写真や長時間露出した写真を撮影する機能。「アクション パン」と「長時間露光」の2つのモードが利用でき、アクション パンでは被写体の背景にぼかしを作って動きのある効果をもたらし、長時間露光では動く被写体をぼかす効果を適用できます。
▲Pixel 6 Proで撮影 f/1.85 1/2695 6.81mm ISO44
アクション パンではカメラを固定して撮影しても、背景がブレたような効果で動きのある写真が撮影できます。
▲Pixel 6 Proで撮影 f/1.85 1/2463 6.81mm ISO39
長時間露光では、建物など動きのない被写体を固定して、人や自動車など動きのある被写体をぼかすことで動きのある写真が撮影可能。プロの高度なテクニックを簡単にマネできるのがありがたいところです。
消しゴムマジックは、「Google フォト」アプリに追加された写真の編集機能。「Photoshop」のコンテンツに応じた塗りつぶし機能のように、写真に写り込んだ通行人など不要なものを消すことができます。消去する対象はAIが自動で認識して提案してくれる他、対象を囲んだりブラシでなぞって消すことも可能。
Pixel 6で写した写真ではなくても、Pixel 6シリーズのGoogleフォトから写真を選んで利用可能。「編集」メニューから「ツール」→「消しゴムマジック」を選択すると……。
「候補が見つかりました」と、通行人を自動ですべて選んでくれました。ここで「すべてを消去」をタップ。
通行人をごっそり消してくれました。車いすや自転車を残して消しているので少し不自然な個所もありますが、「とにかく人を消す」というAIの努力が感じられます。今後ソフトウェアがチューニングされれば、より自然に消すことができるようになるのではないでしょうか。
画素数と視野角が異なるインカメラを搭載
Pixel 6とPixel 6 Proでは、インカメラの仕様が異なります。Pixel 6 Proは1110万画素 f/2.2で視野角94°の超広角カメラを搭載するのに対して、Pixel 6は800万画素 f/2.0で視野角84°の広角カメラを搭載。Pixel 6 Proでは「1x」「0.7x」をタップして倍率を切り替えられる他、最大2.9倍のズームで撮影が可能。一方Pixel 6は、「1x」「1.4x」をタップして倍率を切り替えられる他、最大4倍のズームで撮影できます。動画撮影ではいずれも1080p(30fps、60fps)に対応し、Pixel 6 Proではさらに4K 30fpsにも対応する違いがあります。
▲Pixel 6 Proで撮影 f/2.2 1/180 2.74mm ISO528
▲Pixel 6 Proで撮影 f/2.2 1/180 2.74mm ISO231
Pixel 6 Proで1倍と0.7倍を撮影。インカメラながら明るく解像感のある撮影が可能で、広角側では複数人を収めたセルフィー撮影に活躍しそう。
▲Pixel 6で撮影 f/2 1/180 2.51mm ISO191
▲Pixel 6で撮影 f/2 1/180 2.51mm ISO353
Pixel 6で1倍と1.4倍を撮影。Pixel 6 Proと同様に明るく解像感がありますが、色味はこちらの方が温かく写っているように見えます。
より明るく美しい写真が撮れるようになり、AIによる強力な撮影機能や編集機能が利用可能になったPixel 6シリーズ。個人的にはPixel 6 Proの望遠カメラが強く印象に残りましたが、望遠で撮る機会があまりない、という人はPixel 6でも十分に美しい写真撮影が楽しめるのではないでしょうか。
おまけ:やっぱり夜景もきれい
最後に、浅草の夜を写した写真も載せておきます。夜景の撮影は特に強く打ち出していませんが、広角、超広角ともセンサーに取り込む光量が増えた分、色味もきれいな写真が撮影できています。
▲Pixel 6 Proで撮影 f/1.85 1/7 6.81mm ISO387
▲Pixel 6 Proで撮影 f/2.2 1/15 2.35mm ISO133
▲Pixel 6 Proで撮影 f/1.85 1/5 6.81mm ISO71
▲Pixel 6 Proで撮影 f/2.2 1/50 2.35mm ISO63
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— ガジェット通信(公式) (@getnewsfeed) October 26, 2021
宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます
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