紅葉の山へ!日帰りで楽しむ秋のおすすめハイキングコース5選
気温が下がってしのぎやすく、空気が澄んで見晴らしがよくなる秋は、低山ハイキングのベストシーズンです。
秋の山歩きの楽しみのひとつが紅葉。カエデやツツジの赤、ブナやナラ、カラマツの黄色…、鮮やかに彩られた山をのんびり歩いてみませんか。関東近郊の低山をこよなく愛する山岳ライターの西野淑子が、秋に訪れたい「紅葉の山」をご紹介。登山に慣れていない方でも楽しめる、とっておきのルートにご案内します。
①御岳山(東京都青梅市)
山頂に「武蔵御嶽神社」が建つ、関東屈指のパワースポット・御岳山。ケーブルカーで中腹までアクセスすることができ、山頂まではコンクリート舗装された道が続くので、登山者のみならず観光客も多い、人気の山です。
御岳山駅からの歩き始めは広葉樹の林。秋は赤や黄色に色づきます。山頂直下の石段の両脇にはカエデが植栽され、11月には真っ赤に。
体力や時間に多少余裕があるなら、山頂から約50分の「御岳山ロックガーデン」まで足を延ばしてみましょう。御岳山ロックガーデンは、沢沿いに設けられた散策路。適度に湿度があり、気温差が大きい沢沿いは紅葉が美しくなる条件が揃っているのです。カエデの赤、カツラやブナの黄色が美しく、見入ってしまいます。
アクセス: JR青梅線御嶽駅からバス15分+ケーブルカー6分
おすすめルート: ケーブルカー御岳山駅→御岳山→長尾平→ロックガーデン→長尾平→往路を戻る
歩行時間:3時間
標高:929m
難易度:★★☆
スポット情報
御岳ビジターセンター
URL:https://www.ces-net.jp/mitakevc/index.html
②鎌倉アルプス(神奈川県鎌倉市)
古都の印象が強い鎌倉ですが、市街地から近いところに低い山が連なり、手軽に歩けるハイキングコースも多いです。そのなかでも一番人気と言えるのが鎌倉アルプス。鎌倉五山のひとつである「建長寺」から尾根道を進み、鎌倉方面に向かいます。ところどころで南側の眺望が開け、鎌倉市街と相模湾を眼下に見渡せます。天気がよければ、海の向こうに伊豆半島や伊豆大島なども眺められるでしょう。
鎌倉市最高峰の大平山の先の分岐で「獅子舞・鎌倉宮」方面へ。市街地に下る途中にカエデとイチョウの樹林があり、11月下旬から12月初めに紅葉が見頃となります。山の中にイチョウの大木がそびえ、黄色い葉をびっしりとつけているのは見応えがあります。下山後は社寺をめぐり、紅葉の美しい庭園を散策するのも楽しみです。
アクセス: JR横須賀線北鎌倉駅下車
おすすめルート: 北鎌倉駅→建長寺→勝上けん展望台→大平山→獅子舞→鶴岡八幡宮→JR鎌倉駅
歩行時間:2時間30分
標高:159m
難易度:★★☆
スポット情報
鎌倉市観光協会
URL:https://www.trip-kamakura.com
③養老渓谷(千葉県大多喜町、市原市)
関東近郊で最も遅くまで楽しめる紅葉の名所のひとつが、房総半島の養老渓谷です。養老川とその支流によってつくられた渓谷で、川沿いに湧く温泉も。例年11月半ばから12月上旬まで紅葉が楽しめます。
いくつかハイキングコースがあるなかで、最も手軽に歩けるのが滝めぐりコース。全長約4km、川沿いを散策するルートで、大半がコンクリート舗装の道です。
粟又の滝バス停を起点に周回してみましょう。最初に現れる粟又の滝は、別名「養老の滝」。落差30m、長さ100mの滝を下から間近に眺めることができます。
滝を観賞したあとは、整備された川沿いをのんびり歩きます。川の両側にはカエデの木々が多く、見頃の時期には真っ赤に。透き通った川面に木々の赤色が映り込むのも美しいものです。
アクセス: 小湊鐵道養老渓谷駅からバス17分
おすすめルート: 粟又の滝バス停→粟又の滝→養老渓谷→粟又の滝バス停
歩行時間:1時間30分
標高:約130m
難易度:★☆☆
※2021年10月現在、土砂崩れのため通行不可の区間あり。お出かけ前は現地サイトでご確認ください。
スポット情報
養老渓谷観光協会
URL:http://www.youroukeikoku.com/
④那須岳(栃木県那須町)
那須岳は、今もところどころで噴気を上げる主峰・茶臼岳をはじめとする山々の総称。茶臼岳は8合目までロープウェイでアクセスでき、山頂駅から1時間ほどで登頂できます。背の高い木が生育する境界である森林限界を超えた、山頂付近の火山らしい荒涼とした風景は、東京近郊の低山とは全く違った趣です。紅葉の見頃は10月上旬〜中旬。山肌を覆うナナカマドやツツジ類の赤色が目を引きます。
紅葉の時期はロープウェイに乗らず、山麓駅から約1時間の「峰の茶屋跡避難小屋」経由で山頂を目指すのがおすすめ。登っていくと右手に見える朝日岳の山肌が、紅葉でひときわ美しいのです。山麓駅から茶臼岳山頂までは約1時間40分の道のりです。
山頂からはロープウェイ山頂駅に下山しますが、紅葉の時期は山腹を周回する鉢巻き道を歩いても。背の低い木々や草が真っ赤に染まり、絨毯が広がっているかのようです。
アクセス: JR東北本線黒磯駅からバス1時間
おすすめルート: 那須ロープウェイ山麓駅→峰の茶屋跡避難小屋→茶臼岳→那須ロープウェイ山頂駅
歩行時間:2時間30分
標高:1915m
難易度:★★★
スポット情報
那須町観光協会
URL:https://www.nasukogen.org/
⑤昇仙峡(山梨県甲府市)
山梨県甲府市の北部に位置し、国の特別名勝にも指定されている昇仙峡。渓谷沿いに遊歩道が整備され、のんびりと歩くことができます。
美しい渓谷とともに奇岩めぐりも楽しみのひとつ。昇仙峡を代表する景観が、「覚円峰(かくえんぼう)」。白い花崗岩の岩塔が目を引きます。10月下旬〜11月上旬の紅葉の時期は白い岩と赤や黄色に染まった木々、常緑樹の緑が絶妙なコントラストを見せてくれます。
コース終盤に現れる「仙娥滝(せんがたき)」も見どころ。岩肌を削るように流れ落ちる落差30mの滝は見応えがあります。条件に恵まれれば滝に虹がかかるのを見ることができます。
散策後は昇仙峡ロープウェイへ。山頂のパノラマ台駅からは南アルプスや富士山が一望できます。
アクセス: JR中央本線甲府駅からバス30分
おすすめルート: 昇仙峡口→覚円峰→仙娥滝→昇仙峡ロープウェイ
歩行時間:2時間
標高:680m
難易度:★☆☆
※2021年9月現在、落石のため一部通行不可の区間あり。お出かけ前は現地サイトでご確認ください。
スポット情報
昇仙峡観光協会
URL:https://www.shosenkyo-kankoukyokai.com
紅葉の見頃は、気候により大きく変動します。現地のサイトなどで、紅葉の状況を確認してお出かけすることをおすすめします。晴れていれば暑いくらいでも空気は冷たく、風が吹けば寒く感じるでしょう。薄手のダウンジャケットやウインドブレーカー、ウールの手袋などをご持参ください。
赤や黄色に色づいた葉は陽光をうけて輝き、青空によく映えます。天気のよいときを選んでお出かけくださいね。よい山行を。
掲載情報は2021年10月15日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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