北アルプスIoT通信インフラ構築検証、第2段階のエリア拡充と通信テストを完了

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株式会社フォレストシー、北陸電力株式会社、国立大学法人富山大学、五十嶋商事有限会社の4社は、2021年6月より北アルプスの携帯電波圏外エリアにおけるIoT通信インフラの構築に向けた実証試験を開始しています。

その第1段階として、2021年6月28日と7月5日に北陸電力の有峰ダムにLPWAを活用した通信インフラ機器の親機・中継機を設置。7月16日~18日には山小屋3箇所(太郎平小屋、薬師沢小屋、薬師岳山荘)に中継機を増設し、検証エリアの主要登山道にて位置情報を中継機・親機経由でクラウドにアップロードすることを試み、登山道での広域通信テストに成功しました。

そしてこのたび、第2段階となるエリア拡充と通信テストを完了しています。

第2段階の結果と今後の予定

同実証試験の第2段階では、8月3日~6日に3箇所の山小屋(スゴ乗越小屋、高天原山荘、雲ノ平山荘)に中継機を増設。これにより、親機を含み計8つの通信基地局が構築されました。

通信テストには、子機端末「ジオチャット®」を活用し、拡充エリアでの広域通信に成功しています。また、通信可否だけでなく、登山者の安全確保や山小屋同士の連絡などの実利用に向けて、メッシュネットワークの構築およびクラウド経由によるチャットメッセージの送受信も確認できたようです。


さらに、8月25日~28日には、富山大学ワンダーフォーゲル部の協力を得て追加の通信エリア調査を実施。新たに雲ノ平方面および水晶岳から黒部五郎岳を経由して太郎平小屋に戻る周回ルートを調査し、おおむね全域で通信を確認しています。

今後は、太郎平小屋に遠隔監視カメラ「ジオカム®️」を設置し、薬師岳方面を定点撮影した画像をLPWA通信を使って送信することで気象状況などのモニタリングを行うテストを実施予定(9月中)。加えて今秋からは、現在インフラを構築している富山県側から県境を越えて長野県側に位置する山小屋と連携した、より広域なIoT通信インフラの構築へ向け動き出すようです。

通信規格と通信インフラ機器

同実証試験で活用されている通信規格、通信インフラ機器の親機・中継機、子機端末などはすべてフォレストシーが開発したものです。

通信規格「ジオウェイブ®」は、LPWA通信規格の中でも920MHz/250mWと高出力で、山間部の険しい地形でも回り込みや反射といった電波特性を活かしてワンホップで遠距離通信を実現可能。この「ジオウェイブ®」に対応した通信インフラ機器「ジオベース®」を親機・中継機として設置しています。

子機端末は先述の通り「ジオチャット®」。これは、スマートフォンの専用アプリと無線接続してテキスト・位置情報・SOS信号を送受信できる端末です。

太郎平小屋に設置予定の「ジオカム®️」は、「ジオウェイブ®」を活用した遠隔監視カメラ。独立電源で稼働し、定点撮影した低解像度画像を携帯圏外からでも遠距離送信できる、屋外対応の通信機能付きカメラです。

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株式会社フォレストシー

(文・Higuchi)

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