2021年夏のゲーム機市場はSwitchの独壇場!なぜこんなにも任天堂が強いのか?

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オリンピックや緊急事態宣言というワードがメディアを賑わした2021年の夏もそろそろ終わり。帰省も自由にできない事態となった夏休みをゲームをして過ごした方も多かったのではないでしょうか。

今回は2021年夏のゲーム機市場を振り返ってみましょう。結果から先にいうと、Switchが圧倒的なプレゼンスを発揮して、独走状態が続いてます。

新型の発表で旧型の供給と価格が安定化

現在のゲーム機市場では、Switch、PS5、Xbox Series XまたはS(以下、新型Xbox)が現行機と呼ばれています。PS5は昨年11月の発売以来、ずっと品薄の状態が続いています。都心の一部量販店では時折在庫が復活していることもありますが、現在でもインターネットの抽選販売が主流です。

一方の新型Xboxは、取り扱っている量販店を探すのが困難な状況。性能的にも価格面でもPS5と負けず劣らずですが、店頭で見かけることはほとんどありません。

こういった状況の中、任天堂は「Nintendo Switch(有機ELモデル)」(以下、新型Switch)を発表しました。

7月に発表されたこの新型Switchは、性能面では従来型と比較して大きな変更はなく、液晶に変わって有機ELパネルを使用したモデル。より美しく発色の良い画面でゲームをプレイできる新型は、2021年10月8日に37,980円で発売される予定です。

ゲーム機の世界では、新型がアナウンスされると買い控えが起こって、売上は収束していくのが一般的です。しかし、Switchの場合は状況が異なります。新型Switchは有機ELパネルが採用されますが、これの恩恵を受けるのは携帯モードやテーブルモードで使用するときです。

テレビに接続してSwitchを楽しむ場合は、従来型と大きく変わる部分はありません。ステイホームで自宅のテレビでSwitchを楽しみたい方は、従来機でじゅうぶんというわけです。新型の発表で、新しいもの好きの層は新型を待つ、テレビでプレイ派の人は今すぐほしいというバランスが出来上がり、これまで店頭在庫が不足気味だった状況が改善され、今夏は定価で店頭販売もよく見かけました。

こういった好循環が生まれて、Switch本体の販売もかなり好調な数字を記録。PS5や新型Xboxが数字を伸ばせずにいる中、お盆時期(8/9~8/15)には約9万台の販売をするなど、独走状態といっていい状況でした。
・Switch/75546台(累計1684万5143台)
・Switch Lite/14186台(累計400万9680台)
・PS5/7143台(累計80万3906台)
・PS5 デジタル・エディション/1913台(累計15万8883台)
・Xbox Series X/822台(累計51161台)
・Xbox Series S/434台(累計20684台)
※ファミ通.comより(https://www.famitsu.com/news/202108/19230882.html)

ファミ通のゲームソフト週間ランキングでSwicthタイトルが占拠!

ゲーム機の市場を左右するのは、本体よりソフトが重要なのはご存じのとおり。遊びたいゲームがあってこそのゲーム機でもあります。2017年3月に発売されたSwitchは現在4年目を迎えており、ゲームのラインナップがかなり充実してきています。

この夏にも多数の新作ゲームが発売されましたが、売れ行きはどうだったのでしょうか。さきほど例示した本体の数字と同時期で見てみると快挙といっていい状況がわかります。なんと、ゲームソフト売上トップ10がSwitchのゲームだけで構成されているのです。

1位:遊戯王ラッシュデュエル 最強バトルロイヤル!!/2021年8月12日発売
2位:桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~/2020年11月19日発売
3位:Minecraft/2018年6月21日発売
4位:マリオカート8 デラックス/2017年4月28日発売
5位:リングフィット アドベンチャー/2019年10月18日発売
6位:ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD/2021年7月16日発売
7位:クレヨンしんちゃん「オラと博士の夏休み」~おわらない七日間の旅~/2021年7月15日発売
8位:大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL/2018年12月7日発売
9位:ナビつき! つくってわかる はじめてゲームプログラミング/2021年6月11日発売
10位:スーパーマリオ 3Dワールド + フューリーワールド/2021年2月12日発売
※ファミ通.comより(https://www.famitsu.com/news/202108/19230882.html)

今夏の新作が入っている中で、2017年発売の『マリオカート8 デラックス』、2019年発売の『リングフィット アドベンチャー』など、他のプラットフォームではあまり見かけない息の長いゲームも目立ちます。このようなタイトル開発は一朝一夕に実現できることではなく、任天堂のノウハウがいかんなく発揮されている証明でもあります。

なお、この売上げランキングはSwitchに限ったものではなく、全プラットフォームを対象にしたランキングなので、いかにこれがすごいことかはゲームファンならおわかりになると思います。

この秋以降も、『メトロイド ドレッド』『マリオパーティ スーパースターズ』『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・パール』など、Switchでしかプレイできない居力なゲームが目白押し。こういった状況にPS5や新型Xboxはどう対抗してくるのか? ゲームファンとしても楽しみです。

(文・辻英之)

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