【オフィシャルレポート】〈ロッキン・ライフ in ライブハウス Vol.2〉

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2021年8月8日、音楽ブログ「ロッキン・ライフ」のが主催するライブイベント〈ロッキン・ライフ in ライブハウス Vol.2〉が大阪のライブハウス阿倍野ROCKTOWNで行われた。

SOLD OUTとなったこの公演、開演前から多くの人がライブハウス前に集まり、開場と共にすぐ客席は人で埋まっていった。タイムテーブルが公開されていないこともあり、会場には好きなバンドにいつ会えるだろうというドキドキと、新しいバンドに会えるというワクワクが混じり合った期待感が充満していた。

そんな空気の中、トップバッターで登場したのは広島発4人組ロックバンドアメノイロ

「良い音楽を届けに来ました」と言って始まったのは『海外通り』。スタートから美しく優しい歌で、早くも万感の思いが会場を包む。しかしその空気を変えるかのように、2曲目は力強いロックナンバーの『メリープ』を披露。Vo.寺見の「おいで!」の声に、会場は声は出せずとも、確かに一体となって呼応していた。このバンドは本当に水彩絵具をバンドにしたようだ。客席をまるでキャンパスのように自分たちの歌で彩っていく。淡く優しい色はもちろん、濃くビビットな色も織り交ぜて、リスナーの心をカラフルに染め上げていく。

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「ネットで”次来るバンド”とかまとめられていると、つい見てしまう」という寺見。ある日、そのまとめの中でロッキン・ライフというブログにアメノイロ。がまとめられていて、それがきっかけで今ライブに呼んでもらっている。これはたまたまなのか?と問いかけていた。ただ間違いなく言えるのは、バンドと今日いるリスナーを繋ぎ合わせたのは、良い音楽だということだ。それはラストの力強い疾走感のあるナンバー『あとがき』を終えた後、深々と礼をする彼らに惜しみない拍手が送られてことが証明になっていた。

1海岸通り
2.メリープ
3.インスタントカメラ
4.水彩の日々に
5.パステルブルー
6.あとがき

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2番手で登場したのは大阪の6人組バンドOchunism
本番の幕が開ききる前から、Ochunism独特のギター、ベース、ドラムにキーボード、サンプラーを加えたサウンドが高揚感を強調させる。Vo.凪渡は「緊張しています」と言いながらも、1曲目の『rainy』から畳み掛ける。転換BGMで流れていた『SHOUT』でも、会場はこの卓越したグルーヴィさで揺れに揺れる。上下に、横に、そして手も挙がって皆がリズムを取る。ステージ上もみるみるボルテージが上がっていき、客席とのコミュニケーションも完璧。ライブハウスの天井にあるミラーボールも似合っている。

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5曲目の活動初期からの代表曲『glass』は、じっくり味わう曲で、その熱をしっかり落ち着かせていた。特殊な編成でしっかり曲ごとに個性を出す、彼らの表現力の豊かさ。時に人数や楽器の多さというのは曲調の”縛り”にも繋がるが、ステージ上にいる彼らからはそれを全く感じさせない。ラスト『Masamitsu』まで、しっかり楽しみ尽くし、最後に息を合わせてフィナーレを迎える姿は、かなりファンキーだった。

1.rainy
2.freefall
3.SHOUT
4.moove!!
5.glass
6.Masamistu

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3番手は東京からanewhite

1曲目からゴリゴリのロックチューン『群像劇にはいらない』が雷鳴のごとく鳴り響き、ここまでで一番力強く手が挙がっていた。彼らは透明感があり繊細な演奏が持ち味という印象が強いが、それだけじゃないというのを初っ端から見せつける。2曲目『metro』もその勢いを落とさず、会場を引っ張っていっていた。『切言』『カヤ』という、この夏の季節に彼らから一番送られたいであろう2曲も奏でられた。『カヤ』の前には、この曲のMVが先日100万再生回数を突破したことにも触れ、数が全てではないと前置きした上で、生まれた人との繋がりについて感謝を述べていた。

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ハイライトだったのが、『カヤ』終わりからすぐ始まったベースソロからのラストの曲『ソワレの街で』への繋ぎ。時間としては短かったかもしれないがグッと引き込まれたし、anewhiteはライブハウスの似合うパワーのあるバンドだ!というのを一気に認知させたと思う。そして『ソワレの街で』のサビでは、声は出せずとも心のシンガロングが確かに起こっていた。物語性の強い名曲を持ちながらも、数多くの力強い曲を一体感をライブで生む曲を持つ彼らの将来を誰が期待しないでいられるだろうか。

1.群像劇にはいらない
2.metro
3.切言
4.カヤ
5.ソワレの街で

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4番手はクレナズム

いきなり轟音SE、Vo.萌映の「福岡から来ました!クレナズムでーす!!!」という絶叫。転げ回るギター河内。度肝を抜かれたし、弦が切れないかハラハラするほど引き倒していたのを見るのは久しぶり。そんな1曲目『白い記憶』が終わってからはMCなども特になく、多彩なロックサウンドがとめどなく迫ってくる。3曲目『ひとり残らず睨みつけて』は鋭く真っ直ぐ前を見ながら歌い続けるその姿が印象的。4曲目『花弁』は哀愁たっぷりに鳴らされる音が、オレンジの照明と相性完璧。ちょうど大阪も日が落ちるくらいの時間だったので、「これを屋外で見れたなら…」と思わずにはいられなかった。

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一旦MCで今日このイベント参加者と出演者限定の配布グッズに触れた後に始まったのは未発表楽曲『積乱雲の下で』。溢れんばかりに紡がれていく言葉に引き込まれる1曲。詫びしさもありながら芯のあるサウンドが相まって、きっちり染み渡っていた。さぁそして最後どんな終わり方かと思ったら、2度目の度肝タイム『青を見る』。これでもかという音の波状攻撃。これが若手随一のシューゲイザーバンド。白の照明が高速点滅して照らされるその姿は一種の事件性を秘めていて現実感がなかった。しかし会場の誰もの耳に残ったこの残響は、また浴びたくなる魔力に満ち溢れていた。

1白い記憶
2.ラテラルアーク
3.ひとり残らず睨みつけて
4.花弁
5.積乱雲の下で
6.青を見る

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そして今回のトリはなきごとだ。

最初は軽快にユーモラスというか、さすがのギターロックを見せつつも、『知らない惑星』では手拍子などで楽しく朗らかにライブは進んでいった。1ヶ月という短いスパンでまた大阪に呼んでもらったことを心から感謝しつつ、「今日だから良かった!という日にします」というボーカル水上の言葉通り、初ライブかのように当たり前じゃない日を楽しんでいた。代表曲『メトロポリタン』はきっちり会場を揺らしてキラーチューンの役割を果たしたし、新曲、なきごと活動開始3周年を期にリリースされる『D.I.D』も披露。ベースの低音が魅力でドープな雰囲気から最後はギターも炸裂する、新しいなきごとが見える1曲だった。そして、最後のMCでは表現者としての葛藤を話す。

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「バンドに対して書かれたくないこと、違うんだよなと思うことを書かれることがある。その中で一番真っ直ぐにバンドのことを書いてくれたのが、ロキ中さん(主催者の愛称)のブログでした」。そういった言葉が不安な表現者にとって道標になると言葉を紡ぐ水上
。その感謝を力に変えたかのように繰り出された『癖』『ドリー』には、なきごとが歩んできた様々な喜怒哀楽が詰まっているように見えた。多くに人の心を打っていたし、言葉や形を超えたものを伝えることができるという、ライブバンドの真価を見せていた。

1.忘却炉
2.知らない惑星
3.メトロポリタン
4.D.I.D
5.癖
6.ドリー

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今回のライブはバンドの新たな1面を知ることができるとても良い機会に感じた人が多かったのではないか。「このバンド=〇〇」と括られてしまう世の中で、普段言えないバンドマンの感情が良い爆発をして届いた。

Text By遊津場
https://twitter.com/sakidori_yutuba?s=20

Photo By aoi / アオイ
https://twitter.com/thnks_th?s=20

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