自由研究の実験に!水に浮く野菜or沈む野菜は、何で決まる?

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自由研究の実験に!水に浮く野菜or沈む野菜は、何で決まる?

野菜を洗うとき、ピーマンやきゅうり、キャベツなどは水に浮きますが、じゃがいもやにんじんなどは水に沈みます。なぜ違いが生まれるのか、浮いたり沈んだりする理由を紹介します。

水に浮く野菜と沈む野菜の種類

まず、水に浮く野菜と沈む野菜の主なものを見てみましょう。かぼちゃは重そうなのに水に浮き、かぼちゃよりも軽いイメージのあるじゃがいもは沈みます。
[水に浮く野菜]
ピーマン、きゅうり、キャベツ、かぼちゃ など
[水に沈む野菜]
じゃがいも、さつまいも、にんじん、れんこん など

どうして種類によって浮き沈みするの?

地面の上で育つ野菜は水に浮いて、地面の中で育つ野菜は沈みます。かぼちゃは、野菜の中でも重たいのに、地上で育つ野菜だから水に浮きます。一方、地中で育つれんこんは、穴が開いているのに沈みます。
もし地中で育つ野菜が水に浮いてしまうと、雨が続いて土がドロドロになったときに地表まで浮いて、枯れてしまいます。野菜は生き残るために、長い進化の中で、地上で育つものは水に浮き、地中で育つものは水に沈むようになっていったと考えられています。

浮くか沈むかは「密度」の違い

水に浮くか沈むかは、体積(※1)と重さの関係=「密度(※2)」で決まります。例えば、にんじんと水を同じ1m³(立法メートル)の体積で比較すると、にんじんの方が重く、この状態を「密度が高い」や「密度が大きい」といいます。にんじんは、密度が高いため、水に沈むのです。にんじんを小さく切ると浮きそうな気がしますが、小さく切っても沈んでしまうのは、密度で浮くかどうかが決まるからなのです。

1 体積とは:ものの量の大きさで「かさ」のこと。縦×横×高さで求められる。例えばすべての辺が1mの箱(立方体)の体積は1m³

2 密度とは:ものを同じ体積(かさ)で比べたときの、質量(ものの重さ)のこと。一定の体積あたりの質量と定義される。例えば1kgのものの体積が1m³の場合、密度は1kg/m³

地上で育つのに沈むものがある!?

トマトは熟すと密度が高くなり水に沈む

地上で育つと浮き、地中で育つと沈みますが、中には例外もあります。そのひとつがトマトです。地上で育つトマトは、本来水に浮くはずですが、実験してみると真っ赤に完熟したものは沈み、青い未完熟のものは浮きます。その理由のひとつとして、「糖度」が挙げられます。

●糖度が高くなると「密度」が高くなる

完熟したトマトは根からの吸水が制限され、果実内の水分が減少して糖が濃縮されると考えられています。完熟したトマトは、果実の水分が少ないため密度が高くなって、水に沈むのです。

最後に

いろいろな野菜を水に入れて、実験してみましょう。

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トマトには大きく分けて2種類あり、果皮が赤い品種の「赤系」、果皮が透明な品種の「ピンク系」に区別されます。現在は品種改良が進み、あまり区別はなくなっています。鮮やかな赤い色の正体は「リコピン」で、カロテノイドの一種です。

最終更新:2023.01.13

文:アーク・コミュニケーションズ
イラスト:林タロウ
監修:カゴメ
出典:
公益財団法人郡山市文化・学び振興公社 郡山市ふれあい科学館スペースパーク おもしろ科学 科学の広場 浮く野菜・沈む野菜の科学(水に浮く野菜と沈む野菜がある理由)
文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年告示)解説「算数編」(体積の説明)
J-STAGE
学習の系統性を考慮し物理量概念形成を目指した中学「密度」の指導(密度の説明)
「同じ条件で栽培した高糖度トマトと大玉トマトの比較」(完熟したトマトの水分と糖度)
農林水産省YouTubeチャンネル BUZZ MAFF ばずまふ 自由研究「野菜は浮くの?沈むの?」(水に浮くトマトと沈むトマトの理由)

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