果樹農家の泣き寝入りを防ぐ! 果実盗難抑止のためのドローン運用実証実験

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ぶどうや桃の生産量全国第一位を誇る山梨県。その盗難件数は年々増加をしており、昨年も高級品種を筆頭に少なくとも約200万円の盗難被害が出ているといます。しかしながら、被害が大規模でない限り、果樹農家は泣き寝入りをすることが多いのだそう。盗難多発時期と出荷繁忙期が重なるため、警察への被害届を提出する時間が取れないという事情があるというのです。

このような状況を打破すべく、果実盗難抑止のためのドローン運用実証実験が行われました。

甲府市桃盗難実証実験の内容

本実証実験は、株式会社ヘキサメディア(以下、ヘキサメディア)が、山梨県甲州市とJAフルーツ山梨の協力のもとで実施。具体的には、「赤外線カメラによる不審者及び不審車両の発見」「暗視カメラ撮影による不審者及び不審車両の発見」「強光スポットライト+可視カメラによる不審者及び不審車両の特定」の3パターンの検証が行われました。

その結果、約50メートル上空の赤外線カメラによる撮影で、不審役の様子を把握できることがわかりました。

暗視カメラについては、赤外線スポットライトと組み合わせることで、不審者役の動きや車両の様子を撮影可能。そして、可視カメラは、本来夜間は照明がないと全く撮影できないものですが、同一のカメラで赤外線と可視を切り替えれば撮影することができるようになるため、映像では車両の荷台の状況が確認できました。

暗視カメラ・強光スポットライトの撮影は、今回は地上での実施となったため、次回の実証実験では、それらを飛行させて行う予定。また、ぶどう棚上空から赤外線カメラの適切な角度と高度の組み合わせも検証、さらに地形追従からの自動航行テストも実施予定です。

ヘキサメディアは、今回の実証実験の結果をもとに、より実践的な盗難抑止のためのドローン運用事業化実現に向けてさらに検証を行うとしています。

ドローンで広がる可能性

企業だけでなく、多くの地方自治体がドローンの利活用に注目している近年。経済産業省の広報サイト『METI Journal』は、2021年4月の政策特集として、各地で繰り広げられるドローンの先進的な取り組みを紹介。このことからも、ドローンは大きな可能性を秘めていることがわかります。

ドローンを安全・安心に運用を実現するためのルール整備は着実に進んでいることから、今後の展開にも期待できるでしょう。

PR TIMES

(文・和泉ゆかり)

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