現実のようで、少し違う? 東京エスムジカ、MVで「バーチャル・ジャーニー」を表現
2021年6月30日、アーティストの東京エスムジカが、MV(ミュージックビデオ)作品『光のない夜に花束を』をYouTube上にリリース。新曲公開は8年ぶりで、株式会社バイラルワークス(以下、バイラルワークス)とのコラボレーションによって、動画内のすべての素材はAI技術で自動生成されています。
架空の世界を旅する「バーチャル・ジャーニー」
コロナ禍で移動が制限される中、東京エスムジカの打ち出す「バーチャル・ジャーニー」というコンセプトを表現するため、本MVではAI技術で「架空の世界の風景」を構築。AIで作り出された世界の映像と3,000枚に及ぶ架空の花の姿など、すべて現実には存在しないオブジェクトで構成されています。現実世界にいるようで、でも何かが違う不思議な感覚を楽しむことができるでしょう。本システムの主眼となるモデル部分で使用されているのは、GAN(Genera tive Adversarial Networks:敵対的生成ネットワーク)技術。用意されたデータから特徴を学習することで、実在しないデータを生成したり、存在するデータの特徴に沿って変換したりすることが可能です。花の生成に関しては、バイラルワークス開発・学習のAIモデルを、その他の風景に関しては公開済みのあらかじめ学習されたモデルが使用されています。
AIによるクリエイティブの試み
バイラルワークスは、AIなどの技術を中心にITコンサルティング、アプリ・システム開発を行う企業。代表取締役の早川大地氏は、東京エスムジカのメンバーでもあります。
本作品はアーティストの表現に寄り添ったものでありながら、AIによるクリエイティブの試みの一つであると位置付けられています。
(文・和泉ゆかり)
ウェブサイト: https://techable.jp/
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