トマト加工品とアボカドでリコピンを効率よく摂取!簡単レシピも
リコピンは、植物などに含まれる赤色やオレンジ色の色素成分であるカロテノイドのひとつで、抗酸化力が強いことでも知られています。VEGEDAYでは、トマトからリコピンを効率よく摂る方法や吸収率が高まる食べ方を紹介してきました。実は、アボカドもリコピンの吸収を高める食べ物なのです。今回は、トマト加工品とアボカドを摂ったときの実験データを紹介しながら、リコピンを効率よく摂ることができる簡単レシピも紹介します。
アボカドの脂質でリコピン吸収率アップ
トマト加工品とアボカドを一緒に摂ることでリコピンの吸収率が高まるということがわかっています。その実験データを紹介しましょう。
下のグラフは、トマト加工品のサルサ(トマト・タマネギ・ピーマンなどを含むソース)にアボカドを加えて食べたときと、サルサだけを食べたときのリコピン吸収率の変化を示したものです。
摂取後数時間で、アボカドを加えたサルサのほうがアボカドなしのサルサよりも血漿中のリコピン濃度が高くなることがわかります。アボカドに含まれる脂質(生、可食部100g中18.7g)が、リコピン吸収を促進したと考えられます。
アボカドはβ-カロテンの吸収も促進
実験では、β-カロテンの吸収率も比較されました。アボカドを一緒に摂ることで、β-カロテンの吸収率も高まることもわかりました。
生のトマトとアボカドでもリコピン吸収率が上がる?
アボカドがトマト加工品のリコピンの吸収を促進させますが、生のトマトの場合はどうでしょうか。
下のグラフは、生のトマトを使ったサラダにオイル(キャノーラ油)を含むドレッシングをかけて食べた場合と含まないドレッシングをかけて食べた場合のリコピン吸収率の違いを示したグラフです。
実験から、28gのキャノーラ油を含むドレッシングを摂取した場合が、最もリコピン吸収率が高まることがわかります。リコピンは油と仲のいい成分なので、油と一緒に体の中へ取り入れられ、吸収率が高まると考えられています。トマト加工品のリコピン吸収促進にアボカドの脂質が関わっていることから、生トマトの場合も、アボカドの脂質の働きでリコピンの吸収率アップが期待できそうです。
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アボカドは葉酸84µg(マイクログラム)を豊富に含み、ビタミンC15mg、ビタミンB2 0.21mg、ナイアシン2.0mg、ビタミンB6 0.32mgを含む食材(生、可食部100gあたり)。トマト加工品と一緒に摂ることで栄養面のメリットも期待できます。
<リコピン吸収率アップレシピ>手巻き焼肉サルサ
リコピン吸収率を促進し、アボカドも一緒に摂れる簡単レシピ。サルサのピリ辛味が、よく合います。
材料(4人分)
レタス:1玉
アボカド:1個
トマト:2個
牛肉(焼肉用):400g
サラダ油:適量
焼肉のタレ:大さじ4
サルサ(市販のもの):お好みの分量
作り方
レタスは1枚ずつはがして洗い、水気をふき取る。アボカド、トマトは半分に切り、5mm厚さに切る。
フライパンにサラダ油を熱し、牛肉を焼き、焼肉のタレで味付けする。
レタスに、2の焼肉、アボカド、トマトをのせ、サルサをたっぷりかけ、巻いて食べる。
最後に
トマトにアボカドを加えて、リコピンを効率よく摂ってください。
[トマト]おいしいトマトの見分け方と、保存のコツ
トマトには大きく分けて2種類あり、果皮が赤い品種の「赤系」、果皮が透明な品種の「ピンク系」に区別されます。現在は品種改良が進み、あまり区別はなくなっています。鮮やかな赤い色の正体は「リコピン」。抗酸化作用があることから、注目が高まっています。
最終更新:2022.12.10
文:VEGEDAY編集部
イラスト:林タロウ
監修・レシピ提供:カゴメ
出典:
Nuray ZU. et al., J Nutr.,2005
「Carotenoid Absorption from Salad and Salsa by Humans Is Enhanced by the Addition of Avocado or Avocado Oil」(トマト加工品にアボカドを加えた場合のリコピンの吸収率)
Brown M.J. et al., Am J Clin Nutr.,2004
「Carotenoid bioavailability is higher from salads ingested with full-fat than with fat-reduced salad dressings as measured with electrochemical detection」(油の量によるリコピン吸収率の違い)
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」(果実類)
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