『ピーターラビット』と『スパイダーマン』で“ピーターの親友”を好演! 吉田ウーロン太さんに聞く「ウサギと蜘蛛のお世話役」「声の演技の面白さ」
イギリスで最も美しいと称えられる湖水地方を舞台に、世界で一番愛されるウサギを主人公にした、ビアトリクス・ポター原作の絵本「ピーターラビット」。シリーズ累計発行部数全世界2億5000万部を超え、2018年に初めてハリウッドで実写映画化されると全世界興行収入が約386億円を超える大ヒット! 『ピーターラビット2/バーナバスの誘惑』がいよいよ6月25日より公開となります。
見た目はモフモフでキュート、中身は破天荒でヤンチャもののピーターが繰り広げるドタバタ大冒険は、前作よりもさらにパワーアップ。動物も人間も、おなじみのキャラクターたち大活躍を見せてくれます。
『ピーターラビット』シリーズで、主人公ピーターの親友「ベンジャミン」の日本語吹替を担当しているのが、俳優の吉田ウーロン太さん。吉田ウーロン太さんは様々なドラマや映画で活躍中で、映画『スパイダーマン』シリーズでは「ネッド」の日本語吹替を担当。そう、ピーター・パーカーの親友を好演しているのです!奇しくも2つの大人気作品で“ピーターの親友”に抜擢されている吉田さんに、作品の感想や演技で工夫している点など、お話を伺いました!
▲様々な作品で活躍中の吉田ウーロン太さん。
『ピーターラビット』のベンジャミン役は「実写のドラマで人間の役柄を演じるのとあまり変わらない」
――今日は色々とお話を伺わせていただきます。まずは、いよいよ公開する『ピーターラビット2/バーナバスの誘惑』についてなのですが、ご覧になった率直な感想はいかがですか?
吉田:アフレコしたのは一昨年で、そこから公開が延びて延びて、ようやく公開だ!という感じですね。色々時代は変わったけれど、普遍的なテーマを扱っている作品ですし、この作品を映画館で観ることは大きな癒しになるんじゃないかなと思います。
――前作『ピーターラビット』は、キュートな見た目で大暴れというギャップが大きな話題となりましたよね。
吉田:僕も衝撃的だったんですよね。絵本とかマグカップの横に描いてある様な、ほのぼのとした「ピーターラビット」を想像していたら、全然違うものが出てきて驚きました。映像もすごいですよね。ふわふわのモフモフの毛を触った感覚まで分かる様な。「もう喋れるウサギを連れてきたほうが早いんじゃない?!」と思うくらい(笑)。
――ベンジャミンもとても良いキャラクターですよね!
吉田:ベンジャミンはロップイヤーという種類のウサギで、本当に可愛いんですよね。ピーターの仲間たちの中でも目立っているキャラクターですし、僕も頑張って演じようと思いました。
ベンジャミンは破天荒なピーターに対して、出来もしないマウントをとるというか。僕と似ている部分もあったので、役作りをするというよりは、台本を読んで「自分だったらこういう気持ちだろうな」「自分だったらこうは言わないな」って取捨択一出来ました。
――なるほど、ベンジャミンに共感しながら演じられたというか。
吉田:そうですね、僕はアニメの経験は多くないのですが、アニメのキャラクターは「この性格だったらこういうキャラクターデザイン」という様に作り手側の意思が入っているから、それを汲み取って演じることになると思います。でも『ピーターラビット』の場合は、ウサギは自然界が作ったものなので、実写のドラマで人間の役柄を演じるのとあまり変わらないと思っています。
――本作では親友同士のベンジャミンとピーターが、ちょっと離れ離れになってしまいますね。
吉田:本作のピーターってちょっと可哀想な感じなんですよね。ちょっとしたすれ違いとか勘違いで、ピーターがどんどんすねてしまって。でもそれは僕はいち観客として映画を観た感想で、ベンジャミン自身は何も気にしていないんですよね。「あれ〜ピーターいなくなっっちゃった〜」くらいの(笑)。
――確かにそうですね(笑)。そこがウサギらしいというか、可愛いです。吉田さんはベンジャミン以外に本作で好きなキャラクターはいらっしゃいますか?
吉田:ピーターのお調子者だけど要領が悪いというか、肝心なところが伝わらない不器用な所は好きですね。マクレガーさんも同じタイプで、似ているんですよね。その2人が本作では通じ合うという展開が素敵でした。フロプシーとモプシーとカトンテールは、僕はまだ見分けがつかなくって(笑)。
『スパイダーマン』のネッドを演じる時は「自分の人生経験が出ない様に意識しています」
▲『スパイダーマン/ホームカミング』
(C)Marvel Studios 2017. (C)2017 CTMG. All Rights Reserved.
――そして、吉田さんは『スパイダーマン』シリーズの「ネッド」として、こちらでもピーターの親友を演じられています!
吉田:嬉しいですよ<ピーターのお世話をするぽっちゃり君>を2作品で演じることが出来て! そんなことは僕が心の中で密かに思っていて、飲み屋でネタにするくらいかと思っていたんですが、こうやって取材までしていただいて光栄です! 本当は1で気付いて欲しかったですけどね(笑)。
――こちらの親友ペアも、ウサギの親友ペアとちょっと似ている部分がありますよね。
吉田:そうなんですよ、ウサギのピーターも蜘蛛のピーターもちょっと似ているんですよね。そしてベンジャミンとネッドも似ている。「俺の方が知識あるんだよ」ってピーターに上からいく感じが。なので嫌われない様に、嫌味が出ない様に慎重に演じています。
――ネッドを演じる上で工夫されている点はどんなことですか?
吉田:ネッドは演じているジェイコブさんが若いですし、設定も16,17歳くらいの高校生で。でも僕自身は43歳なので、人生経験が出ない様に意識しています。声を高めに出すとか、若めに演じるというのは基本で、「大人になったらこういう言い方は出来ないな」というストッパーを取り払うとういうか。思ったことをそのまま躊躇なく口に出すというのが大事かなと思っています。
あとは、本当に細かいのですがちょっとした裏話を、『ホームカミング』の最後の方、ネッドが椅子に座ってピーターに色々と指示を出すシーンで、先生が部屋にガチャって入ってきて、ネッドが誤魔化すために「み、見てました…エロ動画」って言うんですよね。あのセリフは現場でかなり話し合って作ったんですよ。ネッドの様なオタク少年はどんな言い方するんだろう?って。「アダルトサイト」じゃないよな、「ポルノ」とは言わないよな…とか。元のセリフは「ポルノ」なんですけど、そのままで言うとアメリカっぽすぎるな、とか。色々考えてのセリフなんです。
――すごく貴重なエピソードを教えていただきありがとうございます! 『ピーターラビット』はシリーズ化しましたし、『スパイダーマン』は『アベンジャーズ』とも絡んでいって、広がりがファンとしても嬉しいです。
吉田:本当に楽しいですよね。『アベンジャーズ』のツッコミどころを『スパイダーマン』シリーズでネタにしている様な所もあって。『アベンジャーズ』で見えなかった部分の補足をしているだけじゃなくて、それがエンターテイメントになっているからすごいなと思います。
――吉田さんが声のお芝居をする時、どんなことが一番楽しいですか?
吉田:撮り終えた時が一番楽しいんですよね。ドラマだと「その役の人生を生きている」という感じで、僕たちが今人生の終わりを感じないのと一緒で、その人が継続して居続ける感覚があって。吹き替えの場合は、体は別の人がやっているので、声の芝居を忠実にやることに徹していて。今回でいうとベンジャミンが色々と頑張っているシーンの、声のサポートをしただけという感じで。終わった後はすごく達成感があります。
――実写のお芝居も吹替も両方やられている吉田さんならではの視点ですね。
吉田:名前のせいで、エンドクレジットで悪目立ちしてしまうんですが…(笑)。吹替の仕事は僕に気付かないでいてくれるのが、一番嬉しいので、『ピーターラビット2/バーナバスの誘惑』もベンジャミンの頑張りをぜひ楽しんでいただけたらと思います!
――今日は楽しいお話をありがとうございました!
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