【週末おこもりステイ】宇奈月温泉やまのはで雪景色に癒やされる
はじめまして。ホテルが好きなさかかなです。普段は都内のホテルを中心に、週末ホテルステイを楽しんでいます。今回は富山県黒部市の宇奈月温泉に、おこもりステイにぴったりのお宿があると聞いて1泊2日で列車旅をしてきました。週5のテレワークでたまった疲れを温泉で癒やしてきます。
JR東京駅
北陸新幹線なら約2時間半で富山まで!
朝7時。冬の白い朝日が、北陸新幹線「はくたか」とビル群を照らしています。晴れ女でよかった!
富山県黒部市の宇奈月温泉駅へは、北陸新幹線でJR東京駅からJR黒部宇奈月温泉駅まで約2時間20分。富山地方鉄道に乗り換えて約30分。計3時間ほどかかります。
晴れた喜びもつかの間、日本海側特有のどんよりとした鈍色の空に。とはいえ、これぞ日本海の冬。車窓側が少しひんやりとし、いよいよ北陸に突入です。
黒部宇奈月温泉駅
レトロな富山地方鉄道で宇奈月温泉駅へ
黒部宇奈月温泉駅に到着です。まるで冷凍庫のような冷たい空気に、旅気分が上がります。
黒部宇奈月温泉駅から富山地方鉄道の乗車駅、新黒部駅への乗り換えは10分程です。
「カンカンカンっ」と響く踏切音と共に、こっくりとした黄色と鮮やかな緑の列車が現れます。かわいい!
この列車の愛称は、かぼちゃ電車。もともと京阪電気鉄道で走っていた列車を、富山地方鉄道が1990年に譲り受け、その後、オリジナルカラーに塗装したんだそう。映え要素満載です。ちなみに、だいこん電車もあるんですよ。かわいいですね。
さてさて、話が逸れてしまいました。新黒部駅から宇奈月温泉駅までは約30分。どこか懐かしいふかふかの椅子に深く腰かけ、がたごと揺られながら、山奥へと運ばれていきます。
宇奈月温泉駅に到着。風見鶏がトレードマークの山小屋風の駅舎。駅前の温泉噴水からは湯気がもうもうです。
ブーツでも雪の中をザクザクと歩いていると、足元からすっかり冷えきってしまいました。もはや、私の頭の中には「温泉」の二文字しかありません。
黒部・宇奈月温泉 やまのは
黒部峡谷の絶景を堪能する
駅から宿までは徒歩約3分。本日のお宿、黒部・宇奈月温泉「やまのは」に到着です。
今回のお宿を選んだ最大の目的は、「絶景の温泉でテレワークの疲れを癒やす」こと! チェックインをすませ、温泉に直行したい気持ちを抑えつつ、まずはお部屋へ。
何度ホテルに泊まっても、鍵を回し、一晩過ごす部屋に入る瞬間の高揚感は大好きです。部屋は広々していて、シンプル。 宿の部屋が広いと「旅行に来たな」という特別感が高まります。ゆったりとした空間は、都心ではなかなか味わえない贅沢です。旅行の醍醐味ですよね。
やまのはで特筆したいのは……
部屋から望む黒部峡谷!
「うわあああ~」と思わず声が出ます。これです、これ。見たかったのはこの景色です! と、おもわず窓を開けると、外のしんしんと冷えた空気が頬を撫でます。泊まることが多い都内のホテルには絶対にない雄大な景色と澄んだ空気に、「あぁ、ここまで来てよかった……」と心を打たれます。
ああ! そうだ。私、温泉に入りたかったんだ! とお部屋の感動さめやらぬまま、タオルと浴衣を持ち、露天風呂へと急ぎます。
黒部・宇奈月温泉 やまのは
つべつべの湯と黒部峡谷
やまのはには男女入替制の露天風呂が2つあります。湯船に棚田状の段差のある「棚湯」と、源泉かけ流しの「大黒部」。
宇奈月温泉のお湯は、透明の弱アルカリ性単純泉。日本でも随一の透明度を誇り、黒部川の清流を思わせます。匂いも強くなく、一見すると普通のお風呂みたいな感じ。美肌の湯といわれるだけあり、肌へのうるおいやデトックス、リラックス効果まで期待できるそう! 湯量も豊富で、泉温は約90℃。
ちなみに、美肌の湯のことを富山の方言では「つべつべの湯」と表現するそう。つるつるとすべすべの間のような言葉なのでしょうか。
にしても、露天風呂からのこの絶景よ!
無彩色の雪景色に、赤く映える鉄橋のコントラスト。頬には湯気が当たり、肺まで冷めたさを感じる空気。ほのかに聞こえる川の音。自宅のお風呂ではとれない疲れが溶けだしていくようです。
温泉の後は、浴衣に着替え、部屋に戻ります。普段はホテルで仕事をすることも多いのですが、今日は何もしないと決め込んで、本を一冊持ってきました。温泉効果で体が内側からぽかぽかしているのを感じながら、本を片手にのんびりと過ごしました。
※編集部注:部屋からの眺めは客室によって異なります。
黒部・宇奈月温泉 やまのは
北陸の海の幸と旨い酒を堪能すべし
夕食は、バイキングレストランで。200人以上は入る広さですが、新型コロナウイルス感染症対策で席を間引いていて、ゆったりとした雰囲気。
できたての料理を楽しめるオープンキッチン! バイキング形式で、 地元、魚津漁港より直送される鮮魚を中心に、さまざまなメニューが楽しめます。
お寿司やお刺身、蟹も!
ということで、どどん。
黒部は「名水の地」で、地酒の種類が豊富なんですよ。酒のあてに身の引き締まった鰤のお刺身をおかわりし、富山の日本酒を堪能します。あー、仕事がんばって宇奈月温泉に来てよかった!
肌はつべつべ、存分に食べ、旨い酒を飲み比べて、あとは寝るだけ。これ以上ない格別な旅の過ごし方です。雪景色を眺めながらのおこもりステイは最高ですね。
セレネ美術館
画家の目を通して黒部を味わうべし
2日目は、まず宿から徒歩約10分の「セレネ美術館」へ。
美術館の基本理念「黒部峡谷の大自然を、絵画芸術を通して未来へ伝える」に賛同した7名の日本画家が、黒部を取材した作品を展示した「黒部峡谷 日本画展」(2021年3月31日まで)が開催されていました。
私たちは立ち入れない黒部峡谷や、雪解けの春に龍のように青く荒ぶる激流、今はもうない小学校など、黒部の景色を描いた作品が30点ほどありました。鑑賞時間にして1時間くらいでしょうか。
日本画って、墨汁でさらさら〜っと描いてるイメージだったのですが、実際は色鮮やかで、力強さと躍動感があり、深く感動しました。
下立駅
列車旅と宇奈月ビールを満喫すべし
せっかく宇奈月まで来たからには、立ち寄りたいのが「宇奈月麦酒館」。宇奈月温泉駅から下立駅まで富山地方鉄道で約20分、さらに徒歩約8分。
私は旅行先の地酒や地ビールを飲むのも大好きなので、気軽に飲める列車旅が好きなんですよね。
宇奈月麦酒館は、レストラン兼ビール工場で、できたての樽ビールが楽しめます。ランチの一番人気は、黒ビールで煮込んだ宇奈月ビールカレー。宇奈月ビールの3種セットと一緒に注文しました。
光り輝くビールの、この透明度。飲み口は軽やか。雑味がまったくありません。冷たい湧き水のような美しい飲み口が特徴的です。
宇奈月ビールは、標高3,000m級の山々から流れ落ちた「黒部川の名水」とその名水で育てた「黒部産二条麦」を原材料につくられています。
醸造の過程でビールにモーツァルトを聞かせるのもポイント。
富山国際大学の調査で「音楽の振動は、水とアルコールの分子結合が盛んになり、空気が減り、酵母菌が活発に動くため発酵に良い」ことがわかり、ロックやポップスも聞かせた結果、最終的に「モーツァルト仕込み」が誕生したそう。
また、一般的な製法では発酵がすすんでしまうため除去してしまう酵母を、宇奈月ビールでは酵母による美味しさを堪能して欲しいと、調整して、生きたまま出荷しているそう。
国際ビール大賞に何度も輝いている実績は伊達じゃありませんね。
しっかりお土産にビールを購入し、お昼過ぎの列車でのんびりと東京に帰ります。明日からもがんばれそう。
テレワークにしんどくなって、飛び乗った新幹線でしたが、思っていたよりも手軽に北陸を旅することができました。温泉でつべつべ肌&旨い海鮮&旨い地酒にビールを楽しみたい人は、ぜひ宇奈月温泉に行ってみてくださいね。
東京駅
掲載情報は2021年3月25日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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