小さな体をした鳥の「シャカイハタオリ」、仲間と力を合わせて作る巣がデカすぎる!

小さな体をした鳥の「シャカイハタオリ」、仲間と力を合わせて作る巣がデカすぎる!

自然界には、人間の想像を超える巨大な巣を作る鳥がいます。
それが、アフリカ大陸に生息している「シャカイハタオリ」です。
スズメ程度の大きさない体ながら、想像の何倍ものある構造物を作りあげます!

そこでここでは、巨大な巣を作るシャカイハタオリをご紹介します。
仲間と一緒に作っていく巣がマジでデカすぎます!

シャカイハタオリとは

出典:Wikipedia(©Charles J. Sharp)

 

シャカイハタオリは、シャカイハタオリ科シャカイハタオリ属に分類される、スズメの近縁種の鳥です。

シャカイハタオリの生息域

シャカイハタオリは、アフリカ大陸にある南アフリカ共和国の北ケープ州を中心に分布しています。
他にも、ナミビアやボツワナなどに生息しており、近年は徐々にその生息域も広げつつあるともされています。

生息域の中でも、特にカラハリ南部の不毛なサバンナ地帯で暮らしています。
なぜ不毛なサバンナ地帯を生活拠点にしているのかというと、この地域がシャカイハタオリが巣の材料とするイネ科植物の繁茂地となっているためです。

なお、カラハリ北部や中心部では草木が自然発火しやすいため、シャカイハタオリはそれ以上分布を広げることはできないとも考えられています。

スズメの仲間の小さな鳥

シャカイハタオリはスズメの仲間であり、その体も小さいです。
南部アフリカ特産のスズメ科鳥類の一種とされており、見た目も日本で見かけるようなスズメにちょっとだけ似ています。

シャカイハタオリは、体長が約14cmほどで体重も約26g~32gほど。
大きさだけならスズメくらいしかなく、本当に巨大な巣を作るのか疑ってしまうほどの小さな体の持ち主です。

シャカイハタオリの巣がスゴイ!!


出典:Wikipedia(©Harald Süpfle)

 

シャカイハタオリは、体は小さいながらも大きな巣を作ります。

鳥類最大の巣を作る

シャカイハタオリが作る巣はどの鳥の巣よりも巨大とされます。
これらの巣は現地ではコロニーと呼ばれ、シャカイハタオリの巣は動物の住処というよりも立派な建築物のように見えます。

事実、内部は幾重にも構造が作られており、実際に部屋も無数にあるのだとか!

築100年にもなる巣も

シャカイハタオリの巣は築100年になるものも少なくありません。
そう、シャカイハタオリは自分だけで巣を作るのではなく、親や兄弟などが作った巣を修理拡大している鳥なのです。
そのため数世代にわたって巣が使われることもあり、中には築100年にもなる巣もアフリカ大陸の各地に存在しています。

ちなみに、巣は高度に構造化されていることによって中が心地よい温度に保たれているそうです。
特に巣の中心に位置する部屋ほど保温がきちんとされており、シャカイハタオリの寝ぐらとされています。

逆に外に面した部屋は日よけなどに使われるなど、それぞれの部屋ごとに使い道がしっかり分けられているようです!

巣にはシャカイハタオリ以外にも居候が

ただ、こんなに大きな巣ということも相まって、シャカイハタオリの巣にはシャカイハタオリ以外の生き物、つまり居候もたくさんいます!(笑)
数種類以上の鳥類がこのコロニーで共生しており、主にコビトハヤブサなどの猛禽類が好んで生活するようです。

他にもオオイッコウチョウやコザクラインコという鳥もここで繁殖する他、シロマユゴシキドリやアカオイワビタキやシジュウカラなどはここを寝床として利用することがあります。
フクロウやハゲワシのようなより大きい鳥も住み着くことがあり、場合によっては自身の巣を築くための土台とするそうです。

子育ては若鳥も手伝う

シャカイハタオリは1シーズンあたり約4羽前後の雛を育てます。

こんなに巨大なコロニーということもあって、シャカイハタオリの子育てもこの巣の中で行います。
この巣の中では、特に若鳥がより幼い雛の子育てを補助をするヘルパー役を担っており、みんなで子育てするのが特徴となっています。

若鳥たちは同じコロニーに住むカップルから生まれた血縁のない雛であってもお世話をすることがわかっています。

巣作りも簡単じゃない!


出典:Wikipedia(©Mike Peel)

 

ただ、シャカイハタオリの巣作りは簡単ではありません。

コツコツ作るシャカイハタオリの巣

シャカイハタオリは一気に巨大な巣を作るのではなく、本当に地道な作業を繰り返してコツコツ作ります。

コロニーはアカシアのような大きくて頑丈な木に構築されるのですが、より巨大なものを作るには長い年月がかかります。
なにせシャカイハタオリ自体は、スズメと同程度のサイズ感の小鳥です。
材料となる植物をついばむことができるのも大した量でもありません。

しかも、巣を作りつつも、その間に他の箇所は壊れたり欠損することもありますので、その箇所を修復する必要もあります。
なので、巣をより大きくすることだけに専念できるわけでもないのです。

そして、巣を作っている途中で途中で天敵のヘビに襲われることもあります。
特にヘビは巣にあるすべての卵を食い尽くすこともあるのだとか。

また、巣が大きく他の動物にも知られているからこそ襲撃される確率も高く、実に約70%が被害に遭った研究例もあります。
その他の捕食者に狙われてしまうこともあり、常にシャカイハタオリは危険に晒されています。

それだけでなく大きくなり過ぎた巣によって木が倒れることもあれば、巣自体が落下してしまうこともあります。
まさにシャカイハタオリの巣作りは前途多難なのです!

怖い現場監督がいる?!

シャカイハタオリの巣作りには現場監督ともいうべき存在がいます。
巨大な巣の建造および維持をチェックする存在がおり、その現場監督が攻撃的な指示をすることで秩序が保たれているのだとか。

事実、現場監督役の鳥が巣作り中の鳥を監視し、怠け者を見つけては罰を与えているそうです!

巣作りの任務をサボって自分の個室作りに集中している鳥はコロニーから追い出されてしまうこともあるのだとか!
追われた鳥が巣に戻るときは以前よりも真面目になっているとされるので、本当の人間社会のようなものがコロニーと言われる巨大な巣の中で展開されているのです。

まとめ

シャカイハタオリは、驚くほど巨大な巣を作る鳥です。
しかしその体は小さく、スズメ程度の大きさしかありません。

この巣作りは一頭で行うのではなく、何頭ものシャカイハタオリが何世代もかけて巣を作ります。
そのため、中には築100年とされる非常に歴史ある巣もあるのだとか。

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