「アベノミクス」を批判ばかりする学者や評論家の不思議~なぜ「岩戸景気」以来54年振りの株価上昇局面を創出した現実を評価しないのか

「アベノミクス」を批判ばかりする学者や評論家の不思議~なぜ「岩戸景気」以来54年振りの株価上昇局面を創出した現実を評価しないのか

今回は木走正水さんのブログ『木走日記』からご寄稿いただきました。
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※この記事は2013年02月04日に書かれたものです。

「アベノミクス」を批判ばかりする学者や評論家の不思議~なぜ「岩戸景気」以来54年振りの株価上昇局面を創出した現実を評価しないのか

アベノミクス効果がすごい展開になってきました。

1日の株式市場で日経平均株価は52円高の1万1191円と昨年来の高値を更新しました。一週間(1月28日~2月1日)の日経平均株価は264円(2.4%)高と12週連続で上昇しています。

12週連続の上昇は1958年12月~1959年4月の17週連続以来、ほぼ54年ぶりの長さとなりました、1958年と言えば戦後最長の「岩戸景気」が始まった年です。

高度経済成長期以来の記録に迫りつつある原動力は、もちろん安倍晋三政権のデフレと円高からの脱却を目指す政策、所謂「アベノミクス」への期待感であります。

2012年11月の衆院解散を起点とする日本株上昇の主役が、海外機関投資家による「実需」の買いであることは明らかです。

東京証券取引所が24日発表した13年1月第3週(15~18日)の投資部門別株式売買動向(東京・大阪・名古屋3市場)によると、外国人投資家は12年11月第2週(12~16日)以降、10週連続で買い越し、この間の累計買越額は2兆7500億円強に達しています。

「衆院解散を起点」と記しましたが、より正確に日付を特定すれば野田首相(当時)が国会にて安倍自民党総裁に「衆議院解散」をはっきり言明した2012年11月14日が起点といってよいでしょう。

2012年11月14日から2013年2月1日までの日経平均株価の推移をあらためて確認しておきましょう。

表1:日経平均株価推移(2012年11月14日~2013年2月1日)

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ご覧のとおり、この2ヵ月半の間、株価は上昇基調をほぼ保ち続けています、8664.73円から11191.34円と29.16%の上昇です。

高度成長期と状況が大きく違う点の一つは外国為替の経済への影響度でしょう。

1日午後の東京外国為替市場では1ドル=92円台前半と約2年8カ月ぶりの円安・ドル高水準をつけています。

この期間での円相場の推移を確認しておきましょう。

表2:円ドル相場推移(2012年11月14日~2013年2月1日)

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ご覧のとおり、この2ヵ月半で円は対ドルで、80.24円から92.72円と15.55%も安くなっております。

1日の株式市場では円安進行で業績改善期待が高まった輸出企業に買いが向かいました、象徴的なのがホンダです、業績上振れを期待する市場予想に反して、今期の純利益見通しを小幅に下方修正したにも関わらず、小幅高で引けています。

円安基調が続き、来期以降の業績が大きく改善するとの期待で買われているのです。

・・・

経済紙においても強気の見立ての記事も散見され始めました。

25日付け日経新聞の小林茂氏の記事では「日本株の復活も、まだ始まったばかり」だと超強気です。

「日本株、「失われた22年」が秘める長期上昇マグマ」 2013年01月25日 『日本経済新聞』
http://www.nikkei.com/markets/kabu/market-focus.aspx?g=DGXNMSFK24039_24012013000000

記事は「日本株の超長期のリズム」として、68年から89年まで22年間上昇基調、90年から2011年まで22年間下落基調だったと分析、2012年が大きな基調変換となったとしています。

時間軸をさらに広げると、日本株の超長期のリズムがみえてくる。日経平均は1960年のベトナム戦争開始から証券不況を経て調整した後、68年から89年まで22年間上昇基調をたどり、90年から2011年まで22年間下落した。12年の年間のローソク足が陽線となったのは、大きな基調転換を反映している。

日経平均株価の推移で記事の分析を視覚的に確認しておきます。

表3:日経平均株価年推移(1950年~2012年)

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記事は「2万円という水準も視野に入る」、「日本株の復活も、まだ始まったばかり」と結ばれています。

13年は大発会が陽線という好スタートを切った。隅谷氏によると、過去の日経平均の年間変動率は2~4割。12年終値の1万395円を起点にすると、2割上昇でも1万2500円、4割上昇で1万4500円前後となる。「政権が経済に力を入れており、まさに『政策に売りなし』の状態。13年は前年比3割高、1万3500円に上昇しても不思議ではない」とみる。

半値戻しは「全値戻し」につながるエネルギーを秘める。09年3月に付けたバブル後安値7054円から1万3500円までの上げ幅約6500円を2倍にして安値に加算すると、2万円という水準も視野に入る。日本経済の復活への取り組みが政府・日銀の協調によってようやく始まろうとしている。日本株の復活も、まだ始まったばかりだ。

・・・

興味深いことは、「岩戸景気」以来54年振りの株価上昇局面を創出し、輸出関連株だけではなく内需関連株にまで外国人投資家を中心に買われ続けている現実を前に、いまだ「アベノミクス」に批判的に対峙している経済学者や経済評論家が少なからずいることです。

確かに今回の株価上昇は期待先行であり実体経済の成長はこれからである点では「ミニバブル」の側面はあるでしょう、その点では「アベノミクス」の真価が問われるのはこれから実体経済が上向いてくるか、さらにいえば好景気が国民の所得増にまでつながるのか、まさにこれからが正念場でしょう。

また、「アベノミクス」に批判的な論者の多くが長期金利の上昇と悪性インフレを招き日本国債が暴落しかねないとの危惧を示していますが、確かにその可能性はゼロではない、慎重をきし警戒を怠ることがあってはなりませんでしょう。

全ての経済政策はメリットとデメリットが伴うものです。

安倍さんの経済政策「アベノミクス」においても試行錯誤しながら必要な修正を絶えずしていくべきです。

しかしながら不思議なのは、この54年振りの株価上層局面を創出した「現実」に対して、批判的経済学者や評論家はなぜその事実を正しく評価することなく、水を差してばかりいるのでしょう。

最近の世論調査の結果でも安倍政権の支持率は発足時よりも上昇し続けています、多くの国民は今度こそ「アベノミクス」によって日本経済がデフレ脱却に成功することを期待しているのでしょう。

私は経済の専門家ではなく一零細企業経営者に過ぎませんが、54年振りの株価上層局面を創出した「アベノミクス」の効果をあえて無視し、そのデメリットばかり批判する一部の経済専門家達の態度が不思議でなりません。

執筆: この記事は木走正水さんのブログ『木走日記』からご寄稿いただきました。

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