「スリッパ」と「サンダル」、室内用と室外用以外にも違いはある?

スリッパとサンダル、その違いは室内か室外用かだけではありません。
よく見ると構造にも違いはありますし、その歴史に至っては全く別物なのです!
そこでここでは、スリッパとサンダルの違いを解説します。
それだけではなく、バブーシュやミュールとの違いについてもご紹介します。
「スリッパ」と「サンダル」の作りの違い
スリッパとサンダルは、作りがそれぞれ異なります。
まずはそれぞれの構造の違いについてご紹介します!
「スリッパ」の構造
スリッパは、足の前面部分のみ覆う作りとなっています。
また、かかとの厚みや靴底がない構造となっています。
足を滑らせるように入れると履けるのが特徴で、それ自体がスリッパという名前の由来にもなっています。
滑ることを意味する英単語「slip」から「slipper」と呼ばれるようになりました。
「サンダル」の構造

サンダルは、紐やバンドなどで足に固定する作りとなっています。
構造としては足全体は包みません。
サンダルには、ビーチサンダルのように親指と人差し指などの間で支えるものや靴底が無いものもあります。
そのため、日本の草履や下駄に雪駄も広義的にはサンダルの一種とされます。
「スリッパ」と「サンダル」の歴史の違い

スリッパとサンダルは歴史もまた違ってきます。
ここからはそれぞれの歴史を見ていきましょう!
「サンダル」はとにかく古い
サンダルは非常に古くからある履物となっています。
古すぎてどこが発祥なのかは不明とされています。
メソポタミア文明をはじめとした古代オリエント世界ではすでに使われていたという事が分かっていまます。
また、古代ギリシャ人やローマ人なども使用していました。
サンダルとして識別できる履物は、世界中の遺跡で発見されています。
古代の壁画などでサンダルのようなものが描かれていますので、サンダルとは呼ばれていなくとも『それらしきもの』はそれぞれの文明下で発明されていたのかもしれません。
室内履きとしての「スリッパ」は日本発
室内履きのスリッパは日本が発祥とされています。
欧米諸国から外国人が来訪するようになった明治時代のこと。
旅館を訪れた外国人が靴のまま室内に入ろうとしました。
その姿を見た「徳野利三郎」という人物が、靴の上に履かせるスリッパを作ったとされています。
これが現代のスリッパの原型とされています。
作られた時期については、1868年説や1876年説や1907年説といった、いくつかの説があります。
ただ、1868年は明治元年でもあり慶応3年~4年でもあります。
そのため、1868年の場合は江戸時代の終わりにはすでにスリッパが作られていたという事になります。
「バブーシュ」や「ミュール」との違い

スリッパやサンダルに似ているものとして、バブーシュやミュールともありますよね。
ここからは、サンダルとこのバブーシュやミュールとの違いについて解説します。
「バブーシュ」とは
バブーシュは靴に似た形状をした、かかとを踏んで履く履物です。
室外用と室内用があり、モロッコの伝統的な履物となっています。
今でこそモロッコ観光のお土産とされることも多いですが、現地の人は日常生活でバブーシュを履いています。
素材はヤギやヒツジ、ウシ、ラクダなどの革や布が使われています。
バブーシュという名前はペルシャ語で足を覆うものを意味します。
ちなみに、先端が丸い形状のバブーシュを「ベルベル」、尖っているものを「アラビック」と呼ぶこともあります。
「ミュール」とは
ミュールはかかとが高く、つま先が覆われている履物です。
かかとに留め具がないため、サンダルの一種とされています。
ミュールは、オードリー・ヘップバーンが映画「ローマの休日」で履いていたことで一躍日本で知名度を上げました。
そのことから日本では、「ヘップサンダル」もしくは「ヘップ」と呼ばれることもあります。
まとめ
スリッパは室内用、サンダルは室外用というのが一番大きなくくりの違いです。
しかし、他にも構造や歴史においてもスリッパとサンダルには違いがあります。
スリッパは足のつま先や甲を覆い、足を滑りこませて履くもの。
サンダルは足全体を覆うのではなく、紐やバンドで足を固定して履くものです。
サンダルの歴史は古く、四大文明のひとつメソポタミア文明を含む古代オリエントの時代には履かれていたとされます。
それに対して、現在のものにつながるスリッパ、江戸時代の末期から明治時代初頭の日本で生まれたたとされています。
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