街歩きのプロが案内!新名所をめぐる東京さんぽ【2020年版】
こんにちは! 「知られざる街の魅力」をエッセイでお届けするWebマガジン『かもめと街』を運営する、街歩きエッセイストのチヒロです。普段は浅草や蔵前などの東東京を中心に、レトロな喫茶店から下町に新しい風を吹かせる洗練されたカフェなどを紹介しています。
レトロな雰囲気も大好きだけど、同じくらい好きなのが新しいスポット! 今年はなかなか出かけられない時期が続きましたが、実はニュースポットが続々とオープンしています。東京へ旅行に来た方はもちろん、東京住まいのあなたも、「東京ってまだまだ楽しめる場所があるな……!」と思ってもらえること間違いなし。新しい東京を感じられる、1泊2日のプチ旅行の始まりです!
アーティゾン美術館
幅広いジャンルのアートを身近に
まずは、JR東京駅八重洲中央口から徒歩約5分の「アーティゾン美術館」へ。駅を出てすぐアートを楽しめるのが嬉しいですね。
アーティゾン美術館は、公益財団法人石橋財団ブリヂストン美術館の志を受け継ぎ、新しい美術館として2020年1月にオープンしました。「創造の体感」をコンセプトとし、古代美術から現代アートまでボーダレスに楽しめるのが特徴です。
ビル型の美術館で、1〜3階がエントランスとカフェ・ショップ、レクチャールーム、4階〜6階が展示室。フロアごとにさまざまな展示が楽しめるようになっています。入口で検温チェックと消毒を済ませ、気になる新型コロナウイルス感染症対策もバッチリ。入館は日時指定予約制のため、公式サイトからの予約がおすすめです。
今回は、展覧会「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×鴻池朋子 鴻池朋子 ちゅうがえり」(記事公開時2020年11月25日現在は会期終了)を観覧。
展示室の真ん中に設置されたスロープを登ると、同じ目線の高さで観ていた作品を上から見下ろせ、新たな視点で観られる仕掛けが。スロープの先は滑り台につながり、思い切って滑ると、大きな弧を描くように設置された大襖絵の中へ飛び込む感覚が得られます。
広々とした展示室をフルに使ったダイナミックな展示方法に驚き、知られざる世界へアプローチできた気がして、しばらく興奮が止まりません。
各展示室の間には、森にいるかのような気分が味わえる森の小径が作られていました。道のまがり角には、熊や狼の毛皮がぶら下がっています。その間を通り抜けるという、日常ではありえない感覚、一般的な美術館では感じられないような鑑賞体験を楽しめました。
また、スタイリッシュな建物の3階から5階は吹き抜けになっていて、ガラス越しに街の景色が眺められます。それぞれの展示室入口には休憩スペースが、5階と4階にはビューデッキがあり、見学疲れしにくい構造なのもうれしいポイントです。
2021年1月24日までは展覧会「琳派と印象派 東西都市文化が生んだ美術」を開催予定とのことです。
原宿駅
山手線に乗って、リニューアルした原宿駅へ
美術館を出て東京駅へ戻り、山手線に乗って約30分の原宿駅へ。
「ハーフティンバー」と呼ばれる西洋風様式で、都内最古の木造駅舎として人気を集めてきた原宿駅。防火上の問題などにより旧駅舎は閉鎖され、2020年3月21日に新駅舎がオープンしました。
こちらが、オープンした新しい原宿駅です。
直線的なラインが目を引く、スタイリッシュな雰囲気の外観にチェンジ。新しい構内は、広々とした作りで明治神宮の緑が見えます。
原宿駅の向かい側には、2020年6月にオープンした複合施設「WITH HARAJUKU」。こちらも見逃せません。
MIYASHITA PARK
渋谷らしいスタイリッシュな公園へ
原宿駅から渋谷方面へ15分ほど歩き、「MIYASHITA PARK」へ。
東京に足りなかったのは、こういうリラックスできる場所……! と思わずガッツポーズをしたくなるスポットです。
MIYASHITA PARKは、全長約330mにおよぶ4階建ての複合施設。屋上階にある渋谷区立宮下公園は、以前よりも視界が開けて渋谷の空が堪能できます。公園のほか、カフェやショップ、ホテルが併設されています。
東京で初めての屋上公園として知られる「渋谷区立宮下公園」は、バリアフリーや耐震性に対応するために再整備され、2020年7月に開園しました。
JR渋谷駅から徒歩3分ほどの立地でありながら、心地いい空間は都会のオアシス。渋谷区立宮下公園には芝生もあります。公園に来ている人たちはどことなく柔和な表情で、リラックスしているのが伝わってくるほど。
VALLEY PARK STAND
渋谷を国立公園と捉え、その観光案内所をイメージ
MIYASHITA PARKの北端に位置するホテル「sequence MIYASHITA PARK」の4階にあるカフェ、「VALLEY PARK STAND」。
カフェは開放感にあふれ、自然光が差し込みます。のんびりと公園を眺めながらランチタイムを過ごすのにぴったりのカフェ。
VALLEY PARK STANDのコンセプトは、渋谷の街を1つの大きな国立公園(VALLEY PARK)と捉え、その「観光案内所」とのこと。ユニークなMAPリーフレットはテイクフリー。
ウィットに富んだMAPリーフレットをランチタイムのお供にどうぞ。
人気のランチメニューは「MIYAPITA」という特製ピタサンド。いちばん人気の「チキンシャワルマ」は、スパイスに漬け込んだチキンがぎっしり!
ピタサンドには、ひねりをきかせたオリジナルカクテル「わさびのジントニック」を合わせて。ツーンとする辛みは抑えつつ、ほのかな甘みとふんわりとした香るわさびの味わいは、くせになる爽やかさ! 昼間からお酒を片手にほろ酔いするのも、列車旅の醍醐味ですよね。
Café Cova Milano
イタリアの伝統的なカフェで美しいデザートを
公園でのんびり過ごした後は、おやつを食べに行きましょう。
MIYASHITA PARKから徒歩8分ほど。渋谷駅直結の「SHIBUYA SCRAMBLE SQUARE」4階にある「Café Cova Milano」へ。イタリア・ミラノで1817年に創業した老舗のカフェ。
店内の中央には、華やかなシャンデリア。ビロードの深いブルーのソファが目を引きます。
人気のコッパ(パフェ)、「ファンタジア・ア・ラ・フルッタ」をオーダー。
地球儀のような丸いガラスに入ったコッパに、しばしうっとり。クジャクが羽を広げたかのようなりんごが美しい!
ラズベリーやブルーベリーなど、ベリー系を中心にフレッシュなフルーツがたっぷり。爽やかなレモンシャーベットとトロリと濃厚ないちごシャーベットがバランスよく楽しめます。イタリアらしい、洗練されたパフェの美しさに心が潤いました。
たっぷり歩いたので、今日は早めに休憩。渋谷駅から徒歩10分ほどの「渋谷東武ホテル」にチェックインします。
すみだリバーウォーク
隅田川を一望できる新スポット
2日目は浅草へ。下町エリアのニュースポットをめぐります。東京メトロ銀座線の渋谷駅から浅草駅まで約35分、乗り換えなしで行けるので、渋谷と浅草のはしごは意外と楽チンなんです!
駅から徒歩約5分、2020年6月に開通したばかりの話題のスポット、「すみだリバーウォーク」へ。
すみだリバーウォークは、東武鉄道の隅田川橋梁の脇に作られた遊歩道。浅草エリアと東京スカイツリーを結ぶ散歩にふさわしいルートです。
すみだリバーウォークの床の一部分はガラス張りになっていて、その上に立つと、まるで隅田川の上に浮いているような感覚が味わえます。
橋のどこかにスカイツリーの人気キャラクター「ソラカラちゃん」も隠れているので、探してみてくださいね! ちなみにわたしは初めて通った時に見つけたのですが、その後通ってもなぜか見つけられず……。どこへいったのソラカラちゃん…。
LAND_A
お洒落なカフェで名物のレモンステーキを
すみだリバーウォークを渡りきり、すぐ右手の「東京ミズマチ」へ。すぐ上を東武鉄道の東武スカイツリーラインが走っています。
「LAND_A」は東京ミズマチにある、スタイリッシュなカフェレストラン。
地元の方に愛されるランチメニューを目指して生まれたのが、「茨城県産A5ランク黒毛和牛のレモンステーキ」(税別1680円)。
黒毛和牛がリーズナブルに楽しめると人気のランチメニューの一つ。あつあつの鉄板にすりおろし玉ねぎたっぷりのソースとレモンの爽やかな酸味が食欲をそそり、あっという間にぺろり。
デリやスイーツも充実しているので、良い天気の日にはテイクアウトして、隅田公園の芝生でプチピクニックを楽しむのもおすすめですよ!
隅田公園
スカイツリーを眺めながらお散歩
旅の最後、東京ミズマチの向かいにある「隅田公園」をお散歩しましょう。
2020年4月にリニューアルしたばかり。大きなスカイツリーを目前に、約3,000平方メートルの広い芝生エリアや、春になると梅や桜が楽しめる花見丘など憩いの場が整備されています。
帰りは浅草駅から東京メトロ銀座線で神田駅へ。山手線に乗り換え東京駅へ向かい、1泊2日の旅はおしまい。
東京に住むわたしでも、あらためて東京のニュースポットを巡ってみると、まだまだ新発見がたくさんあって、ワクワクが止まらない2日間でした! 刺激的でありつつ、心地よい開放感が感じられるスポットの旅。
あなたも新しい東京さんぽ、してみませんか?
東京駅
掲載情報は2020年11月25日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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