人生にいらないこと、華麗にスルーしちゃいましょ♪ ドイツでベストセラーを記録した実録エッセイ
ムカつく友人や親戚との付き合い、どうでもいいLINEグループのやりとり、職場のプレゼント文化……私たちの日常には、めんどうくさいと思いながらも時間を取られていることがたくさんありますよね。
でも、それって本当にしなきゃいけないことなのでしょうか?
今回紹介する書籍『ホントはやなこと、マジでやめてみた 誰にもジャマされない「自分の時間」が生まれるドイツ式ルール42』は、ドイツの作家でプロデューサーのアレクサンドラ・ラインヴァルトが、そんな”ホントはやなこと”をやめてみた実体験を記したエッセイです。
あるとき、自分を振り回してばかりの女友だち・カトリンに「くたばっちまえ!」と決別を告げたところ、とてつもない解放感を得たアレクサンドラ。そこで、「自分が心から望むことだけ残して、それ以外はすべて捨てちゃう。そうしたら、いったいそこにはどんなに幸せな人生が待っているのだろう?」(本書より)という疑問を、実際に行動に移して検証してみることにしたのです。ときに大胆に、ときに失敗しながら「いらないもの」を華麗にスルーしていく姿が軽妙な語り口で綴られています。
アレクサンドラがやめてみたことは大きく分けると6つ。第1章では「自分」、第2章では「友人、知人、知らない人」、第3章では「家族、親戚」、第4章では「仕事」、第5章では「出産・子育て」、第6章では「恋愛・結婚」について取り上げています。
たとえば、多くの人が持つ悩みごとのひとつにあるのが”妻と姑の関係”。アレクサンドラもその一人で、「わたしが義母にとって理想の嫁じゃないことは、初対面のときからすでに微妙に伝わってきた」(本書より)と記しています。それでも、義母が家にやって来たときには、とにかく必死で会話をつなげ、「いい嫁」のフリをしていたアレクサンドラ。けれど、この「義母に気に入られたい」という感情をスルーしてみることにしたのです。
まずは義母が自宅にやってくるときに、「大掃除はしない」「壁のボードの泥酔写真を貼り替えない」「ケーキを用意しない」などを実行。そして「あなたは、普段あんまり料理をしないのかしら?」と聞かれたときには、正直に「……ええ、あんまり」と答えたところ……義母はなんと声をあげて笑い、「わかるわ、わたしもよ。お菓子作りは好きなんだけど、料理は大っ嫌いなの」と言ったのです。
それからは義母の来訪もあまりストレスではなくなり、会話も退屈ではなくなったそう。あえて本当の自分をさらけ出したほうが、相手もそれに応じて本音で会話をしてくれる。これは、本当は嫌なことをやめてみた実験の成功例といえるかもしれません。
ほかにも第2章「友人、知人、知らない人」では、気乗りしない趣味に誘われたときの回避術を紹介。どんな場合でも使える「万能の決めゼリフ」として、「ロッククライミングね、わたしはやめとく。そういうのはしない主義なの」という返答の仕方を勧めています。このように、本書には著者が実体験から得た、やりたくないことを華麗にスルーするための方法や考え方が満載です。
本当は嫌だと感じていたことをやめてみるのは、最終的に「自分のための時間」を増やすことにつながります。本当に自分の好きなこと・大切なことに時間を使うためのコツを、本書から学びとってみてはいかがでしょうか?
2016年にドイツで70万部を超えるベストセラーを記録した本書は、日本の私たちの価値観や感覚にマッチしている部分も多く、共感する人も多いことでしょう。日本版オリジナルでは、装画と本文中のイラストを『モトカレマニア』や『臨死!!江古田ちゃん』でお馴染みの漫画家・瀧波ユカリさんが担当。本書をさらに親しみやすいものに仕上げています。
(文・鷺ノ宮やよい)
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