「この場所はよくない」 ホラー映画『悪鬼のウイルス』撮影現場の古民家をめぐる“奇妙な現象”をプロデューサーが証言[ホラー通信]

『悪鬼のウイルス』

『オカムロさん』でデビューを果たした松野友喜人監督が、二宮敦人の同名ホラー小説を映画化した『悪鬼のウイルス』が1月24日より公開。長年ホラー作品に携わってきた本作の山本清史プロデューサーが、撮影現場の古民家に関する奇妙な現象を語ったインタビューをご紹介する。

本作は、都市伝説に関する動画を撮るために神隠しの噂がある廃村へ向かったYouTuberたちを描く。映画初主演の村重杏奈が、仲間たちとともに村へ向かうヒロイン・日名子を演じている。

山本プロデューサーは今回の証言について、「これからお話することは本当に起きたことであり、現在も続いている現象であるため、様々な大人の事情を鑑みて、どこで起こったことなのかは伏せさせていただきます」と前置きしている。

「この通路はあんまり使わないほうが良い」

2023年秋、とある神社でのお祓いを済ませ、関東某所でクランクインした『悪鬼のウイルス』。村重演じる日名子らは問題の廃村へとたどり着くが、そこにはインターネット環境がなかった。困っていると、一人の親切そうな男が「Wi-Fiならうちにありますよ」と声をかけてくる。問題となるのが、その男が住む家として撮影に使った古民家だ。

「この家は映画のために作った建物でもなければ、特別に使わせてもらった未公開物件でもなく、実際に誰でも使用可能な形で存在している。江戸時代から続く大変な名家で宿泊もできるし、庭も広く、人懐っこい猫もいて、環境の良い古民家でした」

「ロケハンをしたとき、松野監督はこの古民家を気に入った。プロデューサーである私としても、ロケ地として使用するのはもちろん撮影隊のベースにもできそうだと夢は膨らむばかりでした。しかし、屋敷の北側の通路を回ると一気にそんな気分は萎えました

20年近くホラー作品に携わり、分かりやすい心霊スポットのみならず、数多くの不穏な“スポット”に足を運んだ経験があるという山本プロデューサー。

「霊感は持っていないと自覚しているし、生まれてこの方幽霊を見たことはないが、そういうキャリアを重ねていると“何となくこの場所はよくない”ということがわかってきます。いつの頃からか、私には予感や直感のようなものが働くようになっていた。そんな私の足が古民家の通路で止まった。まるで誰かに“それ以上行くな”と止められたかのように。ピタッと足が動かなくなった。こういうときはヤバいことを経験でわかりました。私は監督に“この通路はあんまり使わないほうが良い”とだけ言ってすぐにその古民家を出た」

山本プロデューサーは屋敷全体が良くないのか、奥の通路だけが良くないのか判断がつかなかったものの、そうした空気を感じやすい別のスタッフも「ここで撮るんですか……」と残念そうにつぶやいてたという。一方、霊感がない松野監督は、この話を聞いてワクワクしていたそうだ。

「ほぼ毎夜、“乗ってこられる感覚”はありました」

撮影後に都内に戻るのはロスが大きいため、翌日早いキャストやスタッフは近くのホテルなどに宿泊することになっていた。しかし低予算映画であり、少しでも宿泊費を抑える必要がある。他の人たちはホテルに泊まってもらい、山本プロデューサーとラインプロデューサーの岡田氏の二人は撮影に使った古民家に泊まるのはどうかという提案が出た。

「私はロケハンのときのことを思い出し、“あんなところに泊まるくらいなら自車で来て毎日都内に帰るので許してくれ”と懇願した。岡田氏は多少の霊感があるので、私と同じく泊まるのをやめると思っていたが、予算管理を担うラインプロデューサーとしての責任感だろうか、泊まることを決意し、撮影中ひとりで寝起きしていた。今思うと、強引にでも止めておくべきでした

撮影が終わって数か月後、岡田氏は謎の転倒を起こし、腰の骨を折ってしまったという。

「岡田氏は、しばらくは起きて歩けず、一年ほど経っても杖を使わなければならないほど歩行困難でした。人間関係のトラブルも続いた。 私は冗談のつもりで“あの古民家に泊まったからですよ”と言ったが、岡田氏は否定せずに苦笑した。その苦笑には意味がありました」

実際に古民家に泊まった岡田氏の証言はこうである。

「ほぼ毎夜、寝つくタイミングでリアルなヒトのそれでなく、“乗ってこられる感覚”はありました。毛布位の重みで、少しひんやりした人型。風呂のお湯の温度も不安定だったなぁ」

さらに山本プロデューサーが、この話をする許可を取るために岡田氏と話したところ、新たなエピソードを聞いたそうだ。

「映画のポスター画像をSNSにアップして告知したら、どこにもぶつけていないのに左手の薬指が曲がってしまったんです。原因不明で、医者に診せたけれど、治らないと言われまして」

山本プロデューサーは今回の現象についてこう続ける。

「岡田氏はそれなりに信仰心のある方で、神社はもちろん撮影場所に神棚があればきちんと御祈祷するくらいには霊的なものへの感度があります。そんな方が事前のお祓いをしたにもかかわらずこれだけの不幸に見舞われたことには何かしらの意味を感じざるを得ません。お祓いをしたから“この程度”で済んだのか、あるいは……」

「一つだけ言えることは、私は泊まらなくてよかった、ということです。直感は信じた方が良い。それがどんなに非科学的であっても

『悪鬼のウイルス』
2025年1月24日(金)丸の内TOEI、イオンシネマほか全国ロードショー

©2025 二宮敦人・TO ブックス/映画『悪鬼のウイルス』製作委員会

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レイナス

おもにホラー通信(horror2.jp)で洋画ホラーの記事ばかり書いています。好きな食べ物はラーメンと角煮、好きな怪人はガマボイラーです。

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