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いつの間にロック少年は「洋楽」を聴かなくなったのか?

いつの間にロック少年は「洋楽」を聴かなくなったのか?

この記事は『DrillSpin』からご寄稿いただきました。
寄稿元サイトでは、文中で登場する人物プロフィールと詳細情報へのリンク、ユーザーコメントも記載されています。
※すべての画像が表示されない場合は、https://getnews.jp/archives/281335をごらんください。

いつの間にロック少年は「洋楽」を聴かなくなったのか?

2007年を分岐点に激減していった洋楽市場

洋楽を聴かない人が増えている。

海外の音楽シーンに興味を持つ層がどんどん少なくなっている。洋楽というカルチャー自体が、いよいよ絶滅危惧種になりつつある。ここ最近の変化ではない。ここ数年、ずっと言われ続けてきたことだ。どうして、こうなったんだろう? 何が変わったのか。そういう問題提起を本稿ではしたいと思う。

分岐点は2007年にある。

過去10年の音楽ソフト市場の推移*1から、そのことがわかる。実は、2006年までの洋楽市場はかなり健闘している。音楽ソフト市場の全体が右肩下がりで落ち込んでいくなかで、00年代前半の5年間は、洋楽に限って前年比増を記録している年も多い。しかし、2007年にセールスが激減。その後も落ち込みが続き、2011年には、市場規模は5年前の数字にくらべてほぼ半分になった。

*1:「オーディオレコード総生産数量」 『出典:一般社団法人 日本レコード協会』
http://www.riaj.or.jp/data/aud_rec/aud_q.html

いつの間にロック少年は「洋楽」を聴かなくなったのか?

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http://px1img.getnews.jp/img/archives/img01.jpg

こういう話をすると「そもそも音楽不況だから」とよく言われる。けれど、そういうこととは、またちょっと違う。全体のパイだけじゃなく、邦楽と洋楽の比率自体が大きく変わっているというのが、ここ5年で起こった変化だ。2012年には音楽ソフト市場が14年ぶりに拡大したというニュースも報じられたが*2、それに寄与したアーティストのメンツを考えても、今年はさらに全体の中で洋楽が占める割合は少なくなっているはずだ。

*2:「音楽ソフト市場、14年ぶりに拡大 中高年下支え」 2012年11月26日 『日本経済新聞』
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDC2600Q_W2A121C1EA2000/
(※会員限定コンテンツのため、ヘッドラインのみ閲覧可能です。)

また、「アイドルブームで若者が海外の文化に興味を持たなくなっている」とか「日本の音楽のクオリティが上がったから聴かなくてよくなった」とか、「そもそも英語だからしょうがない」とか、そういうことを言う人もいる。ただ、それらの意見は、個人的にはピントがずれていると思っている。

何故なら、洋楽全体の市場が落ち込んでいく中で、それでも大きな支持を築き上げたアーティストがいるからだ。その筆頭に挙げられるのがレディー・ガガ。昨年にリリースされたアルバム『ボーン・ディス・ウェイ』は60万枚を超えるセールスを果たし、オリコンの年間ランキングでも嵐、AKB48、EXILEに続く4位という数字を記録している。今年でいえば、シェネル『ビリーヴ』は20万枚、カーリー・レイ・ジェプセンは10万枚以上のセールスを実現している。ジャスティン・ビーバーやテイラー・スウィフトの人気も高い。

カーリー・レイ・ジェプセン「Call Me Maybe」


(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
http://youtu.be/fWNaR-rxAic

そして、ここに挙げられたようなアーティスト名を見ていくと、だいたいどういうことが起こっているのかがわかる。端的にいえば、バンドがいないということ。おそらく、10代~20代の音楽ファン、特にロックファンがリアルタイムの洋楽を聴かなくなっているのだ。

時計の針が90年代のまま止まっている世界

10代~20代のロックファンが洋楽を聴かなくなっているということは、現場の声からも読み取れる。たとえば、毎年ロック・イン・ジャパンでDJを担当しているダイノジの大谷ノブ彦さんは、去年、自らのブログにこんなことを書いている。

DJの現場に出てて、自分たちに影響を受けて始めてくれる人も増えたけど、そのほとんどが見事に洋楽に興味を示さない。邦楽のバンドの英詞にはためらいなく入っていけるらしいので、言葉の問題ではないのだ。かっこいい音楽がどうかっこいいのか、どう聴いていったらいいのか、ガイドが本当に不足しているのが原因なのは明らかだ。

(中略)

この2~3年の傾向としてとにかく洋楽がかかるとオーディエンスが固まるのだ。これは出演者みんなが口をそろえる。もう本当に見事に固まる。逆にロキノンフェス常連のバンドの曲なら、どんなに流れが雑でも盛り上がる。というか、それだけが全員の共通項になっている。あとは大衆性のあるJ-POPとか。ジャニーズナンバーをかけたら、ジャンルの壁を壊した!なんて称賛されたりして(笑)いや俺その前にVAMPIRE WEEKENDかけて、振り付けあてて踊らせてて、そっちのほうが全然ジャンルの壁を壊したと思っているのに、そのかけたこと自体、なんか触れられない。たまにリアルタイムな洋楽も好きなミュージシャン、DJから声をかけられるだけって感じだ。実際、ジャパンフェスのDJブースのレジデントDJもみんなの知らない洋楽をかけたところで受けないもんだろうから、割とオーディエンスの空気を感じながら選曲してる感じもある。それはそれでいいでしょ?って言われそうだけど、そういうところをここはこういうコミニティーだからと分別していく限り、新しいジャンル、新しい価値観に触れる喜び、楽しさに気付かないままの若者が増えていってるのだ。これ本当だよ。全然大げさじゃなく、今この国で起こっていること。つまりだ。このままじゃ洋楽を中心としたロック・フェス、本当になくなるよ。

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