咲いてるだけじゃない!ポプラにも活用できる甘い香りを放つ花7選

咲いてるだけじゃない!ポプラにも活用できる甘い香りを放つ花7選

水やり、施肥、花がらつみ…地味なガーデニング作業のごほうびの一つが、花々が放つ「香り」! 一生懸命、花の面倒を見た甲斐があったと思う瞬間です。特に魅力的な香りを放つ花を、その育て方とともに紹介します。

庭植えで、切り花にして…豊かな香りを堪能できる花を育てよう

庭に満ちる魅惑的な香りを、深呼吸して体に取り込む。香り高い花を切り花にして、ナチュラルなルームフレグランスに。はたまたドライフラワーになるものは、ポプリにしても! 香りのよい花の楽しみ方はつきません。

 

ヤマユリ

「香りの素晴らしい花は?」と尋ねると、多くのガーデナーが回答するのが「ユリ」でしょう。ユリには100種近くの仲間がありますが、特に香りが強いのが「ヤマユリ(ユリ科)」です。

ヤマユリを育てる際には、植え場所が肝心。庭に地植えする場合は、落葉樹の木陰など、直射日光を避けられるところに。鉢植えにするなら、午前中は日が当たってもよいのですが、午後は明るい日陰にななるようなところ、もしくは一日を通じて明るい日陰が最適です。

ヤマユリの球根を植える適期は2~3月。根が育ち、球根を押し上げて土の表面に出してしまわないように、球根の長さの3倍の深さに植えます。

庭に地植えした場合には3~4年に一度、鉢植えは毎年、植え替えを行いましょう。鉢植えは、連作障害が起きやすいため、必ず新しい用土に植えてください。

7月頃に咲くヤマユリの花は巨大で、花径約20cmにも! 草丈も草丈1~2mと大型なので、倒れやすいのが難点です。庭に植えるときには巨大な花を支えられるよう、茎を支柱でくくりつけましょう。

 

ヒヤシンス

ヒヤシンス(キジカクシ科)は、水栽培でもおなじみの春の花です。草丈は20~30㎝と、決して大型ではありませんが、花茎にびっしりとついた小花から放たれる香りは強烈!

トイレなど狭い空間で育てたり、切り花を活けておくと、扉を開けた瞬間、香りのシャワーを浴びたかのような体験ができます。

ヒヤシンスは育てやすい球根植物ですが、最大のポイントは「球根に一定の寒さを経験させる」こと。ヒヤシンスは一定の寒さを感じないと、球根が発芽しないのです。庭植えなら9月下旬~11月ごろ植え付けて、戸外で冬の寒さにさらします。

水栽培の場合、10~12月の間は、球根を10度以下の屋外・室内の冷暗所、もしくは冷蔵庫の中に置いてください。あたたかい室内で保管するのは厳禁です。

1月になったら水栽培用ポットにセットして、日当たりのよい窓辺へ。球根の底面に接触しない水位をキープしておけば、やがて発根。その後は、根の先っぽに水がつく程度の水位に調整して育てます。

 

チューベローズ

チューベローズ(リュウゼツラン科)は、甘くエキゾチックな香り。夜になると香りが強くなるので、中国では「晩香王」、日本では「月下香」などと称されます。華やかな八重咲き種よりも一重咲きのほうが、香りが強いようです。

チューベローズは7~9月に開花、草丈60~100㎝にも育ちます。15℃以上の温度でよく育ちますが、耐寒性に乏しいため、鉢植えで管理するのがおすすめです。15℃を下回るようになったら、室内に取り込んで温度管理して。

チューベローズは比較的湿り気のある土を好むので、過度な乾燥には要注意。適度な水やりを心がけてください。栽培適所は、一年中日当たりのよい場所。アブラムシが寄り付きやすいため、見つけ次第、専用薬剤で駆除しましょう。

 

ストック

ストック(アブラナ科)は、ピンク、紫、赤、白などカラフルな花色でも人気ですが、香りも同じくらい魅力的! 強香で知られるユリなどにも負けない、素晴らしい芳香を楽しみに育てるガーデナーは引きも切らず、です。

またナノハナと同じアブラナ科の草花で、エディブルフラワー(食用花)でもあります。ストックは本来多年草ですが、日本の気候では越年が難しいため一年草として扱われることが多いようです。

ストックの花が咲くのは3~5月。草丈は品種にもよりますが、20~80cmほどで、庭やベランダで育てやすい草花です。

ストックは日当たりのよい場所で育てれば、茎が軟弱にならず丈夫に生育します。草丈の高い品種は、花の重みに耐えられるように支柱を立てましょう。

 

フリージア

フリージア(アヤメ科)は、庭やベランダで育てるガーデン植物以外にも、切り花として愛されている植物です。フリージアの香りを楽しむには、冷暖房が直接当たらない20℃以下の部屋…サニタリーや玄関などに置くと、より長く花を保て、香りを楽しむことができるのだそう。

フリージアは草丈20~50㎝ほどで、花は3月中旬~5月上旬に咲きます。庭に地植えする場合には、芽が寒さで傷まないように11月上~中旬が植え付け適期。鉢やプランターで育てるなら、9月下旬から植え付けて、発芽したら寒さを避けられる場所に移動して。

フリージアは日当たりと風通しのよい場所で育てます。ただし、連作障害が起きやすいため、毎年同じ場所に球根を植えるのは避けましょう。

 

ヘリオトロープ

ヘリオトロープ(ムラサキ科 )はハーブの一種に数えられる多年草。その香りは、甘く、バニラを連想させます。香りを放つ植物として有名で「香水木(コウスイボク)」、「香水草(コウスイクサ)」という別名が。夏目漱石の小説『三四郎』にも、ヘリオトロープの香水が登場します。

ヘリオトロープの花は、4月下旬~10月上旬と長期間にわたり咲くのが特徴であり、大きな魅力。花がらはこまめに取り除き、常に美しい花姿を保ちましょう。最初の花々が咲き終わった後は、枝を1/2くらいまでカットを。新芽の生育を促せば、次の花が咲きます。

花つきをよくするためには、日当たりの確保も大切です。ただ、夏の暑さは苦手なので、夏は明るい日陰が最適。またヘリオトロープは寒さに弱いため、鉢植えにして冬は室内で管理するとよいでしょう。

 

スイートバイオレット

スイートバイオレット(スミレ科)は、別名「ニオイスミレ」。古くから知られるハーブでもあり、香水の原料として活用される多年草です。

草丈10~15cmの小型のスミレで、花の少ない12~3月に美しい紫色の花を咲かせます。花は生食はもちろん、砂糖がけなどにしてお菓子にもなります。食用に用いる場合には、朝または夕方、開いたばかりの花を収穫するのがコツです。

スイートバイオレットは、半日陰の湿った土壌を好むので、木陰や大型植物の株本に植えるのがおすすめ。冬に枯れ込んだように見えても、根は生きていていることがほとんどです。

また、スイートバイオレットは小さな姿に似ず生育旺盛。株元から伸びるランナー(ほふく茎)で、どんどん広がって増えていくので、植え場所を厳選して。

おわりに

いずれもその香りに魅了されるに違いない、魅力に満ちた植物ばかりです。ぜひあなたの庭やガーデンを、花々の香りで満たしてくださいね。

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