コロナ禍の教育のあり方を小中高校生6人と意見交換 平井卓也デジタル担当大臣「デジタルが目的でなく手段と完全に理解している」
一般社団法人教育イノベーション協議会(代表・佐藤昌宏デジタルハリウッド大学教授)主催で『Edvation x Summit (エドベーションサミット) 2020 Online』が開催され、2020年11月3日の「未来の教育イノベーター会議」では、平井卓也デジタル担当大臣が出席。小中高校生6人が新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響でどのような活動したのかプレゼンテーションを行い、その後に意見を交わす時間が設けられました。
「未来の教育イノベーター会議」に参加したのは、札幌新陽高等学校の市村隼汰さん、海城高校の小嶋匠実さん、小学生時に既に起業している佐藤夢奏さん(株式会社まなそびてらこ)、井上美奈さん(TSUNAGU OÜ CEO)、小学生YouTuberの三宅音翔さん、もっちーさん。モデレーターを担当したのはフルマ株式会社CCOの岩田直之氏。
海城高校で生徒会副会長を務めているという小嶋さん。コロナ禍により部活紹介や文化祭(外部向け)をオンラインで実施。「議論の効率が結果としてよくなり、動画の良さを感じることができた」と話す一方、「自分のやりたいこと以外はオンラインだと難しい」と課題も指摘。今後は「リアルの価値をいかに出すのかが重要なのでは」と述べました。
発表時に配信トラブルに見舞われながら、動じずにプレゼンを行った小嶋さんについて、平井大臣は「非常に冷静だった。将来なんでもできると思う」と評価していました。
休校期間に「オンラインでのコミュニティ作り」を試みたという佐藤さんは、Zoomを用いた朝のホームルームを実施し、俳優の要潤さんにインタビューも行ったといいます。「学校のある意味を改めて問い直す機会が持てたという子が多かった」と話します。
2007年に総選挙でオンライン投票を可能にするなど、IT先進国として知られるエストニアなどと日本を繋ぐ事業を行うTSUNAGU OÜを起業した小学校6年生の井上さん。開く予定だったイベントをオンラインで開催し、「エストニアでの授業もオンラインで受けることができました」と報告。「地域の違いは空間の違い、年齢の違いは時間の違い、それを繋ぐことで学びを考えることができるといいと思いました」とイベントを実施して、「私たちの先生は自然や社会。コロナによって世界がより近く感じることができました」と述べます。
学校が再開されて、オンラインのツールが徐々に使われなくなっていったという声や、「教科書をデジタルにしてほしい」などといった要望を聞いた平井大臣は「皆さんがデジタルが目的でなく手段、ツールだと完全に理解して、何を学ぶのかをちゃんと考えている。デジタルの時代になって皆さんの能力がさらに開放される可能性がますます大きくなっている。彼らの能力が発揮できれば次の日本の未来は明るくて大変頼もしい。やりたい事がどんどん変わることもあるので、いろいろなことにチャレンジしてほしい」と期待を述べていました。
一方で、平井大臣は小・中学校の義務教育の過程での「教員の立ち会いの問題が残されている」といい、遠隔で教育の授業・単位として認めることについてやデバイスの普及、デジタル教科書の推進についても、河野太郎規制改革担当大臣との「2+1」で萩生田光一文部科学大臣と再度の議論が必要との見解を示しています。特に遠隔授業に関しては、今後の新型コロナウイルスの流行によっては再度の休校措置という可能性もあり、対策が急がれるのではないでしょうか。
Edvation x Summit 2020
https://www.edvationxsummit.jp/ [リンク]
乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。
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