「閉経」前後にどんなトラブルが訪れる? 正しい知識を身につけるための完全ガイド
「閉経」とは、月経が完全に止まってしまう状態のこと。閉経の平均年齢は50.8歳となっており、その前後10年間の更年期は女性ホルモンが急激に減少することから、心身にさまざまな不調が現れる人が多いといいます。
いわゆる更年期障害と呼ばれる時期でも、正しい知識があれば、過度な不安に陥ることも避けられるかもしれません。そこで、40代、50代女性の閉経や更年期に関するマニュアル本としておすすめしたいのが、本書『「閉経」のホントがわかる本 更年期の体と心がラクになる!』です。
著者は「対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座」の院長で、周産期学、女性医療を専門とする対馬ルリ子さんと、美容家として知られる吉川千明さん。ふたりは20年近く前から、女性のための健康講座「女性ホルモン塾」を開催しているそうです。
本書を読むと、閉経前後にはありとあらゆるトラブルが起きやすいことがわかります。体の不調で言えば、ホットフラッシュ(ほてり・のぼせなど)や動悸、めまい、頭痛、手指のこわばり、便秘、太る・痩せる、喘息など。心の不調で言えば、イライラや情緒不安定、不安感、記憶力の低下、睡眠障害など……。
本書ではこれら一つひとつについて、対策とケアが書かれています。たとえばホットフラッシュや多汗などについては、「いちばんの解決策は、自律神経を整えること」(本書より)とアドバイス。「運動して汗をかく」「首を冷やして体温調整」「アロマオイルの使用」などを勧めています。
また、健康面だけでなく美容の衰えも気になるところ。肌や髪、頭皮などのトラブルのほか、なかなか人には聞きづらいデリケートゾーンの乾燥やセルフケア方法などについて紹介されています。
心身の不調と付き合うのではなく、医学の力で予防するという手もあります。「HRT(ホルモン補充療法)」は、足りない女性ホルモンを薬で補う治療法。飲む、貼る、塗る、入れるなどさまざまなタイプがあり、必要最小限の量を補うことで、症状が改善できたり、髪や肌に潤いが戻ったりするなどの効果が期待できます。HRTは、日本ではまだまだ認知度や普及度が低い状況ですが、ネガティブな意見にとらわれず、正しい情報のもと自身で判断することが大切です。
ほかにも、閉経前後にかかりやすい病気や女性検診などについても書かれており、現在トラブルに直面している人はもちろん、今後40代、50代を迎える人にとっても、きっと役に立つ一冊になることでしょう。
戦前の女性の平均寿命が50歳だったころとは違い、今は「人生100年時代」です。閉経が訪れても、人生はあと半分残っているといえます。50歳以降の人生をいきいきと過ごすためにも、本書で閉経や更年期に関する正しい知識を得てみてはいかがでしょうか。
(文・鷺ノ宮やよい)
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。