[れんこんの穴の秘密]開いてる理由は呼吸、浮袋、ろ過のどれ?
れんこんは、おせちや精進料理などに欠かせない野菜のひとつ。見た目の大きな特徴は、何といっても穴が開いていること。今回は、その穴の役割など、思わず誰かに言いたくなるようなれんこんの雑学を紹介します。
れんこんのどこを食べている?
はす(蓮)の、地下茎(根茎)が肥大した部分を食べます。漢字にすると「蓮根」と書きます。
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れんこんがおせちや精進料理に使われる理由は、穴が開いていることで「見通しがきく」とたとえられ、縁起が良いとされているからです。
れんこんの種類や産地は?
[種類]
れんこんは、明治以後に中国から入ってきた中国種と、日本在来種(明治以前に渡来したものを含む)に大別されます。
・中国種(上のイラスト奥)
ふっくらと太い。病気に強く収穫量が多いため、現在の主流。在来種に比べて粘り気が少なくシャキシャキとした食感が特徴。
・在来種(上のイラスト手前)
ほっそりと細長い。やわらかく粘り気が強いのが特徴。
[産地]
茨城県が全国の出荷量の約半数を占めています。第2位が佐賀県で、徳島県、愛知県、山口県が続きます(2019年度)。
れんこんに穴があるのはなぜ?
[酸素を取り入れるため]
れんこんの穴は、れんこんが呼吸をするために開いています。れんこんは、「蓮田(はすだ)」という泥沼の中で育ちますが、酸素を取り入れるために水上の葉とつながっており、穴を通して酸素を取り込んでいるのです。
れんこんの収穫方法
れんこんの収穫方法には、次の2種類があります。
・干上がった状態の蓮田の泥の中を、専用のくわで丁寧に掘り起こす。
・ホースで勢いよく水圧を加えて蓮田の泥を飛び散らせ、浮かび上がらせる。
れんこんの花は、なぜはすと呼ばれるの?
[名前の由来]
はすという名前は、花が咲いた後の実が入った花托(かたく)の表面が、蜂の巣に似ていることから、「蜂巣(はちす)」を略してはすになったといわれています。
[食用と観賞用がある]
はすには食用と観賞用があり、観賞用の多くは「花蓮(はなはす)」と呼ばれます。花蓮は、国内で約1000品種が記録されています。
まだまだある、はすの豆知識
・日本には、中国から花蓮が先に伝来し、1500年前には実在していたようです。鎌倉時代に再び中国から食用品種が伝えられ、食用と観賞用に区別されることになります。
・紙が高価だった時代には、はすの葉は包装紙に代わるものとして重宝されていました。現代のラップフィルムやアルミ箔、クッキングシートとしての役目も果たしていたようです。
最後に
れんこんを食べる際、豆知識で食卓を盛り上げてみてはいかがでしょうか。
[れんこん]栄養を守る保存方法&料理の下ごしらえの基本
穴があって先を見通せることから「見通しがきく」という縁起物としても用いられるれんこん。蓮(はす)の地下茎が肥大したもので、漢字では「蓮根」と書きます。
きんぴらや酢ばすではシャキシャキ、煮物ではホクホクとした食感が楽しめます。加熱するメニューが多いようですが、本来は生食できる野菜。火を通す場合も栄養素を壊さないよう、加熱時間は短めにしましょう。
最終更新:2020.11.04
文:アーク・コミュニケーションズ
イラスト:林タロウ
監修:カゴメ
参考文献:『新・野菜の便利帳』板木利隆監修(高橋書店)
出典:
独立行政法人農畜産業振興機構
野菜ブック 根菜類 れんこん(れんこんの種類、特徴)
月報野菜情報 2007年2月号 今月の野菜 れんこん(れんこんのうんちく、収穫)
月報野菜情報 2015年2月号 産地紹介 山口県 JA岩国市(れんこんの豆知識)
農林水産省 農林水産統計(れんこんの県別出荷量)
J-STAGE 育種学研究 SSRマーカーに基づく巨椋池系品種群を含む日本国内花蓮品種の分類(花蓮の種類)
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