JR東日本の担当者に聞いた!駅・列車内の新型コロナウイルス感染症対策
旅行に行きたい気持ちが高まりつつある今日この頃。とはいえ、列車での移動をためらっている人もいるのでは? 今回は、そんな不安を解消するため、JR東日本担当者へのインタビューを実施。JR東日本が行っている新型コロナウイルス感染症対策をお伝えします。
【目次】
①列車内の換気や消毒
列車は、限られたスペースの中で、不特定多数の乗客が一定の時間を過ごすことから、「密閉」「密集」「密接」の三密リスクが心配です。JR東日本が車内で行っている、三密を解消するための工夫を教えてもらいました。
列車内は「密閉」されているようにも思えますが、換気はどのように行っているのでしょうか?
主な普通列車では、駅に止まるたびにドアが開くので、その際に車内の空気は入れ替わります。走行中も窓を開け、空調装置を使って外気を常時取り入れることで、さらに換気を促進しています。
新幹線や特急車両も、窓は開けられるのですか?
新幹線や特急車両のほとんどは、窓の開閉はできませんが、空調装置や換気装置を使うことで、6〜8分ごとに車内の空気を入れ替えているんですよ。
かなりの頻度で車内の空気が入れ替わっているんですね! ちなみに、通勤列車は利用客が多いので、接触感染がやや心配です……。
車内を清掃するときに、お客さまの手が触れる部分を、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を染み込ませた布で拭いて消毒をしています。次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、厚生労働省が「物の表面の消毒に有効」と示しているもの。普通車の場合は、吊り手・握り棒・窓枠・ドア付近などが対象です。
細かい部分まで消毒されているのですね。新幹線や特急列車はどうですか?
新幹線・特急車の場合は、肘掛け・テーブル・窓枠・ドア付近などが中心です。また、列車の種別に関わらず車内にトイレや洗面台がある場合は、そこも併せて消毒しています。
②駅構内での対策
駅構内は、利用客で混み合っていたり、行列ができたりと、三密が気になるスポットの一つ。感染のリスクを避けるために、JR東日本が行っている取り組みを聞きました。
たくさんの乗客が利用する駅構内では、どんな対策をしているのですか?
定期的な清掃に加えて、列車内と同じように消毒液を使用して、随時、除菌を行っています。また、駅係員はマスクを着用して接客をしているほか、首都圏の主要な駅では、改札口などにお客さまが自由に使える消毒液を設置しています。
なるほど。確かに、マスクを着けた駅員さんが、自動改札機や自動販売機のタッチパネルなどを消毒している姿をよく見かけます。
さらに、各駅の改札やみどりの窓口には、飛沫感染を防止するためのシートやアクリル板を設置しているので、安心してご利用ください。
とても工夫されているのですね。とはいえ、駅構内はどうしても人が集まりやすいので、「密集」が気になります。
駅ごとにソーシャルディスタンスを保つための独自の取り組みをしています。たとえば、窓口や自動販売機の前の床面に「足位置表示」を設置して、前後の人との距離の目安を示している駅があります。
この表示を見れば、前の人と間隔をどのくらい開ければよいか、ひと目でわかります。特に人混みができやすい、みどりの窓口や駅構内の待合室などは、どのように対処されていますか?
みどりの窓口内では、お待ちいただくお客さまを定員制として三密防止を徹底したり、待合室内では、座席と座席の間隔を空けて座っていただくよう呼びかけをし、入り口の扉を常時開放して換気している駅もあります。
人が集中しないように、工夫されているんですね。駅構内にある店舗などは、それぞれ対策が異なるのでしょうか?
店舗の運営主体によって、多少の違いはあるかもしれません。それでも、原則としてどのお店もソーシャルディスタンスの確保や店内の換気の徹底、三密の回避など、基本的な感染症防止対策を講じた上で営業しています。
それなら、安心してお店を利用できそうです。もう一つ気になっているのが、駅で利用する機会が多いトイレの対策です。
通常の清掃に加えて、利用頻度に応じて適宜消毒を行っています。また、トイレに蓋がある場合、「蓋を閉めてから流してください」といったお願いを掲示しています。飛沫感染防止のために、ハンドドライヤーを停止しています。
③三密を避ける、おすすめの乗車方法
列車内や駅構内では、徹底した感染予防対策が行われていますが、自分自身でできる対策も知りたいところ。三密を避けて、安心して乗車するための方法を教えてもらいました。
なるべく空いている時間帯に列車を利用したいです。駅構内の混雑が避けられる時間帯や曜日、列車の号数などを教えてください。
エリアによって混雑のピーク時間帯は違うので、一概には言えないのですが、平日はラッシュ時間帯を避けたオフピークの時間帯でのご利用をおすすめします。また、ターミナル駅において、ホームの階段やエスカレーター付近に停車する車両は比較的混雑しているので、避けたほうがいいでしょう。
自分が利用する列車の情報を、事前に確認しておくとよさそうですね。
JR東日本のホームページでは、首都圏の主な線区の過去約1週間の車内混雑状況を確認できます。また、JR東日本アプリでは、山手線や首都圏の主な線区の車内や一部駅における混雑状況の情報をご提供していますので、ぜひご活用ください。
ほかにも、列車を利用するときに持っていると便利な物や、気を付けるべき点など、アドバイスがあればお願いします。
新幹線や特急列車の車内で飲食をする場合は、こまめに手を消毒するなど、お客さまご自身でも感染症対策をしっかりと行っていただければと思います。持ち運びができる小型の除菌スプレーや、除菌シートの持参をおすすめします。また、車内販売などをご利用されるときは、お金に触れる必要がないSuicaなどの交通系電子マネーを、ぜひご活用ください。
除菌グッズとSuicaは、どちらもコンパクトなので、旅に行くときも用意しておきたいです。
新しい旅のエチケットにあるとおり、マスクの着用はもちろん、車内での会話は控えめにしていただくなど、飛沫感染を防ぐ対策にご協力ください。また、新幹線などでは、座席を回転して向かい合わせにしないなど、周囲のお客さまへのご配慮もお願いできればと思います。
まとめ
少しでも安心して列車を利用できるよう、徹底的に感染症対策を行っているJR東日本。自分でもできる限りの対策をとりながら、周りへの配慮も忘れずに、列車旅を楽しみたいですね。
掲載情報は2020年10月27日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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