「オサムシ」の「オサ」は何のこと?あの有名人の名前の由来って本当?
オサムシはオサムシ科に属する昆虫の総称です。
その名前は昔の機織り機の部品が由来となっているとされています。
なんでも機織り機に使われている「筬(おさ)」が語源なのだとか!
そんなオサムシはあの漫画の神様と呼ばれる人物のペンネームの由来にもなったとされています。
そこで、ここではオサムシの「オサ」とは何のことを指しているのかについて、漫画家の名前の由来になった話と併せてご紹介します。
「オサムシ」の名前の由来
オサムシの「筬(おさ)」とは、機織り機の部品から来ているとされます。
縦糸の列に差し込む横糸を押し込み、布として一体化させる道具、筬に由来しているとされています。
昔話などで機織りをする際、作成している布地をタンタンっと叩いている道具がありますよね、あの部分のことです。
しかし、筬の形状と似ていることから名付けられたというものの、現在見かける手織り織機の筬は長方形の櫛状なので、オサムシの形状とは異なりますよね。
しかしなんでも古い手織り機には、横糸を通すための道具の杼(ひ)と一体化した筬もあったとされ、それがオサムシの語源となったと考えられています。
ちなみに杼とは、上下に分かれた縦糸の間にシュッと滑らすように横糸を通す、シャトルともいわれるあの道具に事です。
古い筬は紡錘形だったことと、オサムシのなで肩が似ているという事で命名されたようです。
「オサムシ」の特徴
オサムシはコウチュウ目陸生オサムシ類オサムシ科に属する甲虫類です。
種類によって黒い個体もいれば宝石のような光沢を帯びた色を持つ個体もいます。
オサムシの仲間の大きさ
日本にいる固有種としてのオサムシは、その多くが3cm前後です。
そのため、あまり大きな虫とは言えません。
ただし一種だけ例外がいます。
マイマイカブリという種だけは7cm近くまで大きくなります。
また、マイマイカブリは大きさだけではありません。
形状も普通のオサムシとは異なっており、胴体から頭にかけてがより長いのが特徴です。
ちなみにマイマイブリは北海道から九州、その他の島々まで広く分布しています。
オサムシとしては、その他にもアオオサムシやクロオサムシという種が北海道から本州中部に生息しています。
エゾカタビロオサムシという種は、小笠原諸島を除く日本全土に分布していますので、オサムシの仲間は日本各地にいる甲虫となっています。
オサムシの体は美しい
クロオサムシは全身真っ黒なのですが、アオオサムシは緑の光沢を帯びた色合いとなっていてとても美しいのが特徴となっています。
ヨーロッパ産のキンイロオサムシも宝石のように美しいとされており、独特の光沢を持つ体に魅了される昆虫マニアも少なくありません。
その姿に魅了された人物の中には誰もが知る漫画の神様もいるのですが、誰なのかはまた後程ご紹介します。
オサムシの退化した後翅
オサムシは、その多くの種が飛ぶことができないというのも特徴と言えます。
大半のオサムシの後翅は退化していて、小さかったり糸状になっています。
そのため、他の甲虫類のように飛ぶことができません。
この退化自体の歴史が浅いと考えられており、中には先祖帰りがおこり発達した後翅をもつものが現れる種もいます。
逆に、異常個体として後翅だけでなく、上翅までもが丸ごと消失してしまっているようなものも稀に出てくるのだとか。
オサムシを捕まえる際は注意が必要!
オサムシは害虫の一種ともされます。
それはある条件下で異臭を放つからです。
オサムシは身に危険を感じると、メタアクリル酸とエタアクリル酸を主成分とする液体をお腹から噴射します。
この液体は強い臭いを持ち、皮膚に付着するとピリピリとした痛みを感じることもあります。
そのため、捕まえる際には注意が必要です!
オサムシの分泌液を大量に浴びると皮膚炎になる可能性もあります。
これは外国に生息するオサムシだけでなく、日本に生息しているアオオサムシやクロオサムシなどにも共通します。
見付けたからといって無防備に駆除していい昆虫ではありません。
対策と準備を整えてから捕まえる必要があります。
オサムシは漫画の神様の名前の由来
漫画の神様とされる「手塚治虫」。
この名前はペンネームであり、本名は「手塚治」といいます。
ではなぜペンネームに「虫」という文字を付け加えたのかというと、単純にそれは彼が大の虫好きだったことが理由です。
特にオサムシが大好きだったのだとか。
オサムシの名前をはじめて知った小学生時代、自分の名前に通じるものがあったので強く引き付けられるものがあったのだとか。
そのため、当時から描いていた漫画のペンネームとして「手塚治虫」としたと伝わっています。
ちなみにこの頃からデビューするまでの読みは「てづかおさむし」だったそうです。
漫画の神様とされる彼のペンネームには、そんなオサムシと深い関係があったことに驚きですね!
まとめ
オサムシは日本でも見かけることの多い虫で、種類によってはとても美しい色合いを持つものもいます。
中にはサイズ感が全く違うマイマイカブリという種もいます。
そんなオサムシ、その名前は機織り機の構造のひとつ「筬」という箇所からが名前の由来とされています。
また、漫画の神様「手塚治虫」のペンネームの由来にもなっており、実は人間とも深い関わりのある生き物です。
ただし触れると危険なので、見つけてもやたらと捕まえようとしないでくださいね!
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