藤岡みなみ|思い立ったがDIY吉日<vol.48>
タレントの藤岡みなみさんが、モノづくりに対してのあれこれをつづるコラム連載!題字ももちろん本人。可愛くもシュールな世界観には、思わず引き込まれちゃいます。今回は、絵本棚作りにチャレンジ!
藤岡みなみタレント、エッセイスト。タイムトラベル専門書店 utouto店主。縄文時代と四川料理が好き。やってみたがり。
ブログ:藤岡みなみ 熊猫百貨店
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今回のDIYは挫折から始まります
見直したぞ、ダンボール!
ホームセンターマガジンで4年もDIYのコーナーの連載をやっている人、と聞いて思い浮かぶのはどんな人物だろうか。
木工、リメイク、お手の物。なんならちょとした小屋ぐらいだったら一人でパパっと建てちゃうような人、だろうか。
何を隠そう4年も連載をやっている人というのはこの私だが、小屋はおろか小さな本棚さえ満足に作ることができない。
DIY力がまるでない。DIY精神だけがやたらとある。
毎月このコーナーのためのDIYネタを考えるとき、いつも「次こそはザ・日曜大工的な木工をやろう」と思う。
心のどこかで、それくらい朝飯前、みたいな人でいなければならないと感じているからだ。
ある日、建設中の一軒家の前にあった「ご自由にお持ちください」と書かれた大きな箱のなかから、廃材をどっさり持って帰ってきた。
細長いものや、分厚いもの、きれいな正方形のものなど、ありとあらゆる形の木材があった。
私の心は躍った。
こんなにたくさん木材が手に入ったのだから、なんでも作れるに違いない。
小さい棚をたくさん作ろう。
絵本をしまうのにちょうどいい棚がなくて困っているから、絵本棚にしよう。
持ち帰ってきた廃材を改めて並べてみた。
うまく組み合わせれば最低限の調整でなんとか棚の形にならないかな、と思ったが難しかった。
味わいは出そうだが、でっぱっていたり粗削りだったりすると、小さい子が触れるものとしては適さないだろう。
今度、まずはきちんと採寸して揃えた木材で改めて木の棚に挑戦しようと思った。
半年間部屋の片隅で出番を待っていた面白い形の廃材たちには、またしばらく眠ってもらうことにした。
きみたちにはもっと活躍できる機会がきっとある。
ひな壇芸人になった絵本たち
ダンボールを斜めに切って、中に階段をつくる。
しかし困った。
廃材は使えなかったが、絵本棚を作りたくていてもたってもいられなくなってしまった。
何気なく部屋を見回すとダンボール箱が目に入る。
本屋をやっている関係もあり、倉庫にしている部屋には常に引っ越しの前日のようにダンボール箱があふれているのだ。
そうか、ダンボールで棚……。いやいやまさか。
木材に比べ、素材としてあまりにも弱い。
しかし、思い立ったがDIY吉日。失敗したら気兼ねなく捨てられるのもダンボールの良さだ。
軽やかな気持ちで絵本棚を作りはじめた。
本の滑り止め。テープはあとで隠れる!
我が家の絵本収納は、背表紙しか見えずとんでもなく使いづらいことになっていた。
毎回なぞなぞBOXに手を入れるように、なにが出るかお楽しみ状態である。
全部とは言わない、せめてスタメンだけでも面陳列したい(面陳列:書店などで、商品の表紙を見せて陳列すること)。
細かいところの接着はグルーガンが活躍。
大きめのダンボールを斜めに切る。
中に詰め物をした牛乳パックまたは硬めのダンボールを使って段を作り、切ったダンボールを貼り付けて滑り止めを作る。
切ったり貼ったり、感覚的に設計できるのがダンボールの良さだ。
組み立てるときはあまり気にせずガムテープでばしばし留めていき、最後に何事もなかったかのように布などを貼り付けて完成。
子どもも取り出しやすそうでよかった。
だめだったら捨てればいいやと思ったのに、できあがってみればこれがなかなかの強度である。
特に気に入っている絵本を面陳列したら、バラエティ番組のひな壇のように楽しくなった。
読んでいないときも部屋の雰囲気を明るくしてくれている気がする。
ダンボールをなめていた。
意外と長く活躍してくれそうで大満足だ。
くじけそうになったら、できることをやってみる。
DIYはみんなのもの。
これからも率先してDIYのハードルを下げていくとともに、早くあの廃材たちが活躍できる場所を見つけたい。
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