不快害虫が寄り付きにくくなるガーデン植物7選

不快害虫が寄り付きにくくなるガーデン植物7選

「ガーデニングは大好きだけど、庭やベランダに出ると蚊やハエ、アブなどにまとわりつかれて困る」。ガーデナーの切実な悩みには、専用薬剤を使うのもいいけれど、虫よけ効果があるといわれる植物を植えてみるのもおすすめですよ。

素晴らしい花も楽しめる虫除け効果アリのガーデン植物

いくら花や野菜を育てるのが大好きでも、ガーデニングの最中に群がってくる蚊やアブ、羽虫などには誰しも閉口しますね。ならば、ぜひ虫除け成分を有する植物を育てて、害虫忌避と美しい花が満喫できる一挙両得なガーデニングを!

 

なぜ植物で虫除けできるの?

植物のなかには、虫が嫌がって近寄らなくなる成分をもっているものがあります。たとえば、レモンのようなスーッとした匂いの「シトロネラール」は、蚊が嫌う香り成分です。

そのほか、ミント系の香り「メントール」はハエを近づけないのに役立つことが知られています。昔からタンスの中に防虫剤として入れられていた「樟脳(しょうのう)」の成分、「カンファー」も有名です。

科学的な分析が行われたのは近代ですが、もっと古い時代から、人々は虫除け効果のある植物を暮らしの中で利用してきました。

植物を育て、花が咲いたら収穫し、床に撒いて踏むことで香りを出して虫除けに。クローゼットや食糧庫に入れて、虫の害から衣類や食品を守る。窓辺につるすことで、網戸のない時代に害虫が部屋に侵入するのを防ぐ、などなど。

現在は害虫ごとに有効な専用薬剤が開発されていますが、古人の知恵にならって、虫除け植物を育ててみませんか。

 

シロバナムシヨケギク

愛らしい白い花を咲かせるシロバナムシヨケギク(キク科)の別名は「除虫菊」。草丈60~80cmに育ち、5~6月に花を咲かせる多年草です。耐寒性にすぐれ、強健な性質なので、ガーデニングビギナーでも十分に育てられます。

シロバナムシヨケギクに含まれる「ピレトリン」は、殺虫作用があることで知られています。日本には明治時代にアメリカから渡来。かつては蚊取り線香の原材料として、各地で育てられていました。

シロバナムシヨケギクは、日当たりのよい場所を好みます。日陰で育てると徒長して草丈ばかりが伸び、花があまりつかなくなりますので避けて。

真夏の高温多湿が苦手なので、夏越しが栽培のポイントです。枝や葉が込み合って風通しが悪くなったところは、適宜剪定してください。また多湿状態にならないよう、鉢植えの水やりは土がしっかり乾いてからにしましょう。

※キク科の植物にアレルギーのある方は、接触性皮膚炎などにご注意ください。

 

ゼラニウムの仲間

ゼラニウム(フウロソウ科)の仲間である「ローズゼラニウム」「センテッドゼラニウム」には、虫除けできる植物として有名です。なかでも「カレンソウ(蚊連草)」の名で流通する品種は、ローズゼラニウムとシトロネラソウを交配して科学者が生み出したもので、蚊への忌避効果をうたっています。

蚊は、人が発散する二酸化炭素に反応して指しますが、カレンソウに多く含まれる「シトロネラール」は蚊の二酸化炭素察知能力を鈍らせるというわけです。

特に、カレンソウの新芽にシトロネラ―ルが豊富。剪定した部分から新芽が発生しますから、ぜひこまめに枝先をカットして。葉の数が増えれば、蚊よけ効果も増します。

カレンソウは、日当たりがよく、風もよく通る場所が栽培適地。比較的乾燥した環境を好むため、水やりのしすぎに注意。長雨の時期には、鉢植え軒下などに移動させて。

また、霜除けができれば冬越しも可能です。5月頃には、愛らしい花も楽しめますよ。

 

タンジー

タンジー(キク科)は、8~9月にかわいらしい丸い黄花を咲かせる多年草です。蚊取り線香の原料として有名な「除虫菊」などの近縁種でもあります。

古くから親しまれてきたハーブで、イギリスでは16~17世紀から防虫剤として用いられてきたそう。花はもちろん葉も防虫剤として利用されます。

特にハエ除けに効果が認められ、窓際近くにタンジーを植えておくとハエの侵入が少なくなるのだとか。窓辺にドライフラワーを飾っておくのもよい方法です。

またタンジーは大変丈夫な性質で、半日陰でも育ち、耐暑性・耐寒性にもすぐれています。初心者でも十分に栽培可能。うまく育てれば草丈120㎝にも達するので、花壇の背景に植えるのがおすすめです。

※キク科の植物にアレルギーのある方は、接触性皮膚炎などにご注意ください。

 

タイム

タイム(シソ科)はハーブティーや料理によく用いられるハーブですが、虫除け効果もあります。タイムに含まれる忌避成分「チモール」はゴキブリを遠ざけ、ハエ、蚊、ダニ、ムカデ、ナメクジなどもタイムを嫌います。

タイムには茎を立ち上げて育つ「コモンタイム」、這うようにして広がる「クリーピングタイム」など300を超える品種が。風通しと日当たりのよい、乾燥した場所なら、どんどん増えていきます。クリーピングタイムは、グラウンドカバーにも。

真夏の高温多湿には弱いので、株が込み入ってきたら適宜剪定をしてください。多湿を避けるため、鉢植えの水やりはしっかり土が乾いてから行いましょう。

 

レモンユーカリ

レモンユーカリ(フトモモ科)は、800種を超えるユーカリのなかでも人気の品種。長細い葉をもむと、レモンのような香りが楽しめます。

ユーカリの仲間には防虫効果があるとされ、アメリカ疾病対策センターもその効果を認めています。なかでもレモンユーカリには「シトロネラール」や「ユーカリジオール」などが多く含まれ、蚊、ダニ、ハエ対策にうってつけです。

ユーカリは日当たりのよい場所を好みます。加湿は苦手ですが、若木のうちは水切れで枯死することが多いため、まめに土の状態をチェックしてください。

生育旺盛で、特別な手入れをしなくてもどんどん大きくなる半面、冬の寒さには弱いのがユーカリの特徴です。霜が避けられない場所ならば、冬季は室内で管理するのがおすすめ。

 

おわりに

いずれもガーデニングの楽しみを満喫できるうえ、不快害虫除けにも期待できるとあって一挙両得! ぜひ栽培にチャレンジしてみてくださいね。

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