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「ネットで民意 オープンガバメントへの試み」 「仕分け」を仕分ける 新仕分け特別セッション全文書き起こし <前編>

新仕分けを振り返る津田大介氏.jpg

 復興関連事業や次世代クリーンエネルギー、生活保護費負担金など、現在注目されるテーマが対象となった「新仕分け」が、2012年11月16日から3日間にわたり行われた。今回はニコニコ生放送の中継を通じてリアルタイムに実施されたユーザーアンケート結果や、ツイッターで寄せられたコメントが「民意」として、仕分けの現場で活用された。情報を公開し、ソーシャルメディアを活用して国民の参加を促す「オープンガバメント」への第一歩になるのか。新仕分けの最終日となった11月18日、「特別セッション」として、ニコニコ生放送で引き続き放送、新仕分けに参加していない有識者をまじえ、その意義やレビューシートの在り方、今後の展望などを討論した。

・[ニコニコ生放送]「仕分け」を仕分ける 新仕分​け 特別セッション生中継&​岡田副総理記者会見) – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv115221366?po=newsgetnews&ref=news

進行役・行政刷新会議事務局・伊藤伸氏(以下、伊藤):ここからは『仕分けを仕分ける』と題して特別セッションを行いたいと思います。まず参加者の方をご紹介いたします(以下の参加者を紹介)。

秋山咲恵氏((株)サキコーポレーション代表取締役社長、以下、秋山)
市川眞一氏(クレディ・スイス証券(株)チーフ・マーケット・ストラテジスト、以下、市川)
清水涼子氏(関西大学大学院会計研究科教授、以下、清水)
津田大介氏(ジャーナリスト、以下、津田)
速水健朗氏(編集者・ライター、以下、速水)
福嶋浩彦氏(中央学院大学社会システム研究所教授、以下、福嶋)
古市憲寿氏(東京大学大学院総合文化研究科博士課程、以下、古市)

伊藤:またこのセッションは、岡田克也副総理もご参加いただきます。また藤本祐司副大臣、寺田学補佐官もご参加いただきます。事務局からは、加藤秀樹・行政刷新会議事務局長、藤城眞・行政刷新会議事務局次長、進行役は引き続事務局の伊藤が進めて参ります。このセッションですが、まず事務局長の加藤より仕分けの意義等について話をした後、古市さんと速水さんにこの3日間に関するレビューシートを読み込んでいただいていますので、そこから感じる点をお話頂き、それから自由討論をしていきたいと思います。それではまず、加藤局長よりお願いします。

加藤秀樹氏(以下、加藤):こういうオープンな議論での仕分けを3年間で6回行ってきました。仕分けの成果というと、残念ながらメディアは、何を廃止したとか、いくら削ったとか、そういうところを中心に報道したわけですけれど、それは、その日の成果なのだと思います。それ以外にもっと長い目で見た成果ははるかに大きいものがあるんじゃないかと思います。つまり、その日の成果プラス波及効果です。

 元々仕分けをやらなくても、例えば会計検査院とか、あるいは国会の決済委員会というところで行政のお金のチェックをする仕組みになっていたわけですね。ところが、残念ながらそこが必ずしも十分機能していなかった。それでこういうことをやった。例えば、検査院は2009年に仕分けが始まって以降、3年間の指摘事項の平均が9000億円あまりです。ところが、2008年までの10年間は600億円ちょっとです。13倍か14倍になっています。これもやっぱり効果じゃないのかな。

 それから、一年前に衆議院の決算行政監視委員会で、これは国会ですから与野党合意して、「仕分け」と呼ばないですけれど、実質的には仕分けを行なっています。これに基づいて、国会として大臣に対して決議を送っています。本来の仕組みが機能し始めたのは、非常に大きいことだと思います。

 もう一つは、今日もそうですけれど、事業の議論をするわけです。抽象的な議論だと分かりにくいですから、事業を議論することによって、その事業をすることにさせている制度とか、その事業を行なっている組織とか、組織と制度の議論が必ず出ます。そして、その検討が随分始まっているわけですね。大きいのは特別会計、独立行政法人、これは制度まるごと議論されております。

 もっと個別のことで言えば、「もんじゅ」という仕組みをどうするか。それから、原子力政策、あるいは地方交付税の制度についての議論が始まっている。これもやはり大きいと思います。それから、今回の刷新会議の仕分けのコピーが、「国民の国民による国民のためのチェック」ということです。
今回は特に、ツイッター上でいろいろ議論していただきました。初日に野田総理が「オープンガバメント」という言葉をお使いになりました。この辺については、今後出てくる大きい成果だと思いますが、津田さんを始め、3人の方に議論していただければと思います。

 それを可能にした仕分けの特徴ですね。これは「レビューシート」と呼ばれている国の事業のフォーマット化ですね。これは世界初です。OECDなんかでもかなり注目をされています。それから外部の人が加わって議論するということと、その全面公開。こういう特色を今後どう活かして、さらに大きい成果に結びつけるかということかなと思っております。以上です。

■「オープンガバメント、政治のプロセスの透明化に」

伊藤:それでは、レビューシートを読み込んで頂いております古市さんから、所感をお話いただければと思います。

古市:今回の仕分けのレビューシート、ウェブサイトでも公開されているものを、仕分け人の方と同じように読んでいたんですけれど、一つ良いのは、どの事業であってもフォーマットが統一はされているので、比較可能性は昔よりも高まったのかなという気はします。ただ、それでもすごく読みにくいなと思うところがあって、例えばすごい細かい話なんですけれど、縦で読むページと横で読むページがあったりとか、お金の単位でも何億円と何百万円が混ざっていたりして、読みにくいところはありました。

 あとは肝心の内容なんですけれど、わかったような気がして、わからないなっていうレビューシートも正直たくさんありました。つまり、一応項目は全部決まっているからひと通りは書いているんだけれども、仕分け自体でも話題になっていましたが、「多面的」って言葉ですとか、曖昧な言葉で濁しているだけであって、なかなか実情がわからない。お金の流れも一応は書いてあるけれども、百億円単位で書いてあったら、その百億円の中身があまり分からないなってところがあったりしました。

 ツイッターできていた意見が目に止まったんですけれど、その方はある独立行政法人に内訳を出して欲しいって言ったら、それを国交省の間でたらい回しにされて、情報が開示されなかった。黒塗りで検証できないような資料が開示されただけだったと。レビューシート自体はフォーマットが統一されて、比較可能性が高まったという点においては価値があることだと思うんですけれど、これだと実感がなかなか見えないし、具体的に何が行われていて、内訳がなんだってことにもう一歩踏み込んで、見た人が興味を持った時にどうしたら良いんだってところまでが担保されたら良いのかなって思いました。

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