映画『映像研には手を出すな!』齋藤飛鳥・山下美月・梅澤美波インタビュー「1人では気付けなかった役柄への理解」
「月刊!スピリッツ」にて連載中の話題のコミック「映像研には手を出すな!」(作:大童澄瞳/小学館)。乃木坂46の齋藤飛鳥、山下美月、梅澤美波が出演、4月より放送されたTVドラマシリーズが好評に終わった本作の映画版が公開中です。
超人見知りな一方で創造力溢れる“監督”浅草みどり役の齋藤飛鳥さん、俳優を両親に持つカリスマ読者モデルの“アニメーター”水崎ツバメ役の山下美月さん、金儲けのセンスと交渉力に長ける“プロデューサー”金森さやか役の梅澤美波さん、この3人の「映像研」キャストにお話を伺いました!
――映画楽しく拝見させていただきました!ドラマ、映画と、長い時間をかけて撮影してきたかと思います。最初の頃と比べて、自分が演じているキャラクターに愛着は湧いてきましたか?
梅澤:クランクインした時は機械的に演じていたというか、感情をあまり出さずに(金森を)演じていたんですね。だけど日数を重ねていくうちに、英監督に「もうちょっと人間味を出しても良いのかもね」と言われて。そこから、きっと原作よりも喜怒哀楽がはっきりしたというか、感情が表に出たような気がします。「金森って動じないし強い人なんだろうな」と思っていたけど、大人と対峙した時とか自分が不利な立場に回った時に、なんの言葉も返せず動揺しちゃう時が結構あって。普段は強そうだけど時折、見せる弱さにすごく愛おしさを感じて、より好きになったというか。「こんな一面もあるんだな」というところに、すごく惹かれました。
山下:私自身が「演じることが好き」以上に「お芝居の現場に行くのが好き」という部分があって。本作もスタッフさんや共演者の方がいる空間が好きで、そこがすごく楽しいと思えるので、原作を見てツバメちゃんにすごく感情移入もできたし自分と似ているところがあるなと思いました。最初は、実写化するのが難しいと思う作品だったので、「やりきれるかな?」という不安もあってポジティブなスタートではなかったんですけど。
でも、英(勉)監督や映像研の2人、共演者の皆さんだったりスタッフさんが本当に素晴らしい方ばかりで。2人と本読みやお芝居をしていくなかで、「あ、これがツバメちゃんの気持ちなんだ!」って分かることがあったり。ツバメちゃんは愛されているキャラだということを現場ですごく感じられたので。そこは、一人では絶対に気付けなかったところだなと思います。
齋藤:私は、どちらかというと、マイナスからスタートしたというか。原作を読んだ時に、浅草という人にすごく魅力を感じてしまって、そんな役を自分が演じることが、想像できなくて。2人は、すごくはまり役というか。もちろん見た目もだし、内面的な「この人たちはピッタリだな」と想像ができてたんですけど、自分だけが想像できなかったので戸惑っていて。
段々と作品に関わっていくうちに、漫画だけでは読み取れなかった浅草の気持ちとか頭の中を監督と話し合いながら覗いていって。そこで初めて共感するものを見つけたり、自分に取り入れたい考え方を発見できたので。そこからまた浅草の新たな魅力に気づいて。「自分が演じきれるか?」というよりも、この漫画では伝えきれないような、実写化でようやく伝えられるような浅草の魅力をもっと知ってほしいというか。私がお客さんに伝えられたらな、という気持ちが芽生えて。それからは本当の意味で浅草のことが好きになりました。
――皆さん本当に素敵なお話をありがとうございます。おっしゃるとおり、実写ならではの3人のキャラクターの魅力がたくさん詰まっていたと思います。英勉監督の演出はいかがでしたか?無茶振りとかありましたか?
齋藤:あったかな?
山下:優しかった!
梅澤:優しかった。むしろ変なシーンも英監督が実際に演じてくれて「これやってみて!」と言ってくれることが多かった。変なことを頼んでもないのにやってくれる(笑)
――映像研はコミカルな動きとか表情が多いと思うので、監督が率先してやってくれたんですね(笑)。
梅澤:本当にすごくお上手なんです!
山下:ドラマ版でも、いろんな部活動や研究会が出てきたんですけど、映画館では大混乱な感じで、登場人物がドラマ版より増えているので監督もお忙しかったと思います。「『シン・ゴジラ』くらい登場人物がいる」と書いてあって。「そんなにいたんだ!」って(笑)。私たちはそこまで会っていないんですけどね。
――完成した作品をご覧になって、映画ならではの見どころはどんな所でしょうか?
山下:VFXがドラマよりも更にパワーアップしたものとなっていて、私たちも映画が出来上がって初めて見ることができたので、自分たちが思っていた以上に壮大な映画になっていたというか。すごく安心しました(笑)
――VFXをたくさん使っているので、撮影の時は想像しながら、ですもんね。
山下:現場には何も無くて、監督からは「このくらいの大きさの、こういう感じのロボットが、こんなふうな歩き方してくるよ」という曖昧な感じだったので、とにかく3人でイメージを一致させるのが、大変でした。
――3人の絆も深まりましたか?
3人:ふふふ(笑)。
梅澤:深まったと思います。3人で「こうしようか」と話し合うとかではなく、その場の空気をそれぞれが読みあって自然とできる、みたいなのが当たり前にできていたのが今思えばすごかったなと思って。自分たちでアクションやリアクションを起こさないといけないを揃えるのも「せーの!」とかもいらないし、なんとなく自然な空気感を読み合えるのが合っていたと思うのがすごいなと思うんですが、いかがですか?(笑)
齋藤:そう思います。としか言えない(笑)。
梅澤:(笑)。
齋藤:確かに、話し合いとかは一回もしてなかったです。2人は後輩だし元々空気が読める子だし、浅草役が私じゃなかったとしても良い空気感を作れていたかもしれないんですけど、私がそういうタイプじゃないので。梅澤と山下じゃなかったら、全く違う作品になっていたかもしれないし。と思うと、2人に感謝の気持ちです。
梅澤&山下:(拍手)嬉しいです!
齋藤:はあ〜。嘘を言うのは疲れる!(笑)
――(笑)。とても素敵な3人の絆を感じました! 「映像研」の3人を見ていると、好きなことに夢中になる事って本当に素晴らしいなと思うんです。皆さんが誰にも負けない好きなことや夢中になっている事はありますか?
山下:最近好きなことなのですが、YouTubeでルーティーン動画を見ることが好きで。柴咲コウさんのモーニングルーティンで朝起きて瞑想しているのを見て、「私も瞑想しよう!」と思って家で寝る前に瞑想しています。これまで考えすぎて眠れなくなっちゃうことが多かったんですけど、瞑想をやり始めたら自然に眠くなることが多くて。瞑想って最初は意味あるのかな?ってちょっと思っていたのですが、本当に効果ある!と感動しました。
梅澤:好きなことというか、こだわっているのは「オフの日」です(笑)。全部スケジュールを細かく決めたくて。例えば、明日オフだとしたら食べるものを朝から全部、決めたいんです。人に合わせるのは得意というか好きなので、楽しく合わせたりするんですけど。一人で過ごす時は、こだわりが強いと思います、自分の理想どおりオフを過ごしたいというか。
――実際にその通りに、過ごせていますか?
梅澤:全然(笑)。決めるは決めるんですけど、それ通りにいかないんですけど、それはそれで楽しいです。
齋藤:うーん。昔から何をやるにも、あまり最後まではやりきれない、というか。途中で飽きちゃったり投げ出したりするタイプの子供だったんですけど。そんな時代から、ずっと音楽が好きで。音楽がすごく身近にある家庭だったので。
だからこそ、「アイドルになろう」と思ってなかったけど乃木坂のオーディションは頑張ったし。加入してからも、最初は中学生だったので、ほぼ部活気分で仕事とは認識せずにやっていたけど、だんだん「部活にしてはハードすぎるな」とか「ちょっと落ち込むことが多すぎるな」ということが増えていって。
だけど音楽が好きだから乃木坂にいたら歌もできるし、ダンスもできるし、楽器もやらせてもらえるし……というのもあって続けられたし。今も乃木坂として小室哲哉さんに楽曲を提供してもらったりとか、音楽を通じて、いろんな縁が伸びていくので、そういうので幸せを実感することもあるので。音楽には、ずっと近くでいたいし、それが乃木坂を辞めたとしても、音楽に関われる仕事に就きたいし、ずっと一生好きなんだろうなと思います。
――今日は映像研の3人の様に素敵な個性をお持ちの皆さんにお話を聞けて、本当に光栄でした。ありがとうございました!
撮影:周二郎
編集協力:miho mukai
(C)2020 「映像研」実写映画化作戦会議
(C)2016 大童澄瞳/小学館
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