大学を減らすと何がいいのだろう?
今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
大学を減らすと何がいいのだろう?
田中真紀子文科相の騒動をきっかけに、大学を減らすべきという意見があちこちで盛り上がっている。しかし大学を減らすと何がいいのだろうか?自然に減っていくのは構わないが、積極的に減らす意義がわからない。
少子化で子供の人口が減っている一方で大学の数は増えているというのはその通りだと思う。しかしそこから「だから大学を減らそう」というのは…はて。
例えば大学が多すぎるから、どんどん学力の低い学生も入学させることになり、大学全体のレベルが下がっているということなのだろうか。
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そうかもしれないが、全体のレベルが下がったとして何が悪いのだろう?優秀な生徒は依然として一流大学に入学し、いままで大学に入学できなかったレベルの低い生徒が、三流大学に入れるようになる。全体で平均を取れば確かにレベルは下がっているかもしれないが、なにか問題があるのだろうか?優秀な学生が必要なら一流大学の学生を選べばいいだけだよね。
大学を卒業しても良い企業に就職できないというのも、一流大学も三流大学もひとくくりにするからそういう結論になるだけで、現在でも一流大学なら就職は有利だろう。
三流大学の学生が就職難だからといって大学を減らしたら、かれらは高卒で就職することになるだろうから、就職が不利なのは変わらないと思うのだが。
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大学が過剰で大学に入学するのに相応しくない学生も大学に行っているというのは、そうかもしれないが、別にそれは本人や親の自由なんじゃ?好きで行ってるのだから、それでいいと思うのだが。
そういう学生は高卒で働くべきだというのは、俺も同感だが(その方が労働人口も増えて少子化問題が少しは緩和される)、本人や親が大学に行かせたいというのを止めるのは野暮というものだろう。
「みんな高卒で働こう」と政府がキャンペーンを行なって、世論を盛り上げたり、高卒での就職に有利なように企業に行政指導したりとか、そういう方向に努力するならわかるが…。
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残るは大学への補助金が無駄という点だろうか。無駄な財政支出はたくさんあるんだから、教育分野を切り詰めるのは俺は賛成しないが、どうしてもというなら、補助金を減らしてもいい。それで経営が成り立たなくなれば、自然に減るだろう。それだけのことだと思うけどな。
大学を減らして何をしたいのかよくわからん。大学を減らせば学生は一生懸命勉強し、今と同じだけの数の学生が大学に入り、しかしその成績は素晴らしく向上し、全員が一流企業に就職できる…とか考えてるのだろうか?
企業は優秀な人間を上から順に採用していくんだから、いくら優秀でも、全員が一流企業に入れるわけないのだが(笑)。
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そういえば以前asksで誰かが書いてたな。受験に失敗して友人が自殺してしまったらしい。自殺してしまったのはもちろん不幸なことだが、それを高校の教育の問題だと言っていた。きちんと教えていれば大学受験にも失敗しなかったろう、と。
でもそれは違うよね。学力の優秀な人間を上から順に合格させていくのだから、どんなに高校の教え方が上手でみんな優秀であっても、不合格になる人間の数は変わらない。高校の教え方が上手なら学力の平均点は上がるかもしれないが、合格・不合格の基準もそれにつれて上昇するのだから。
執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
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