どうしてこんなに安くなった!? 値落ち幅の大きいトヨタの大人気モデル3選
新型コロナの影響!? 鉄板の人気車の平均価格が下がっている
新型コロナは世界中の経済に大きな影響を与えている。今夏のボーナスが大幅にカットされてしまった、なんて方も多いのではないだろうか?
しかし、世の中悪いことばかりではない。何しろ、今年に入ってから一気に値落ちした中古車がいくつかあるからだ。
その中から今回は、特に値落ち幅の大きいトヨタの人気車、「ランドクルーザー200」「ハイエース」「ヴェルファイア」の3台を紹介しよう。
ランドクルーザー200とハイエースの値落ち原因は、おそらく新型コロナの影響ではないだろうか。どちらもフルモデルチェンジしたわけではないから、下取り車の急激な増加という理由が当たらないことや、2019年12月まではランクルはほぼ横ばいだったし、ハイエースはむしろやや上昇傾向でさえあったからだ。
また、どちらの中古車も海外では引く手あまただが、新型コロナ禍で日本のオークション会場に実質海外のバイヤーが参加できない状況が続いている。
つまり、今まで海外に輸出されていた、走行距離の多い中古車(多走行車)や修復歴のある中古車(修復歴車)が日本市場にとどまり、平均価格が値落ちしているのだと考えられる。
もう1台のヴェルファイアは2015年1月デビューだから、ちょうど今年2回目の車検を受けるモデルが増えるタイミング。それもあって台数が増えたこともあるが、実はアジア圏で人気の高いモデルなのだ。
そのため上記2台同様、多走行車や修復歴車が日本市場に増えたと推測できる。まず昨年10月から値落ちが始まり、今年になってさらに値落ちが加速……つまり、車検タイミングに加えて、新型コロナの影響を受けたと予測できる。
原因はともあれ、いずれの人気車も昨年末頃と比べて大幅に値落ちしているのは事実。中には50万円以上も平均価格が下がっているモデルある。走行距離や修復歴にあまりこだわらないのであれば、こんな美味しいチャンスはめったにないかも!?
かたくなにラダーフレームを守り抜き、世界中で愛されているヨンクトヨタ ランドクルーザー200(現行型)
2007年にデビューした現行型ランドクルーザー。型式から「ランドクルーザー200」と呼ばれている。
世界中の道なき道で愛されるランクルゆえ、例えば砂漠の中で動物などにぶつかって壊れれば、乗員の命に関わる。それゆえ他のSUVが次々と乗用車と同じモノコック構造を採用していくのに対し、あえてモノコックよりもボディを強固にできるラダーフレーム構造(はしご状のフレームにボディを載せる構造)にこだわっている。
デビュー時に搭載されたエンジンは、4.7LのV8エンジン。これに5速ATが組み合わされた。2009年には新型の4.6L V8エンジンに変わるとともに、ATが6速化されている。
本来、ラダーフレーム構造はモノコック構造に比べて乗り心地面で不利だが、それを感じさせないのは、さすが国産SUVのトップモデル。乗ればまさに陸を走る高級クルーザーのようだ。
デビュー時に世界初となるクロールコントロールを標準装備。これは勾配のきつい斜面だけでなく、岩場や砂場などでも微妙なアクセルワークが必要な場面で、車が自動で低速(1~5km/h)で走行してくれる機能。おかげでドライバーはハンドリングのみに集中できる。
内装や乗り心地は高級車然としているが、こうした悪路走破性の高さが、世界中で愛される理由のひとつだ。
デビュー時の車両本体価格は470万~540万円。中古車の平均価格は10年以上もほぼ横ばいの500万円前後で推移していた、というのもスゴい。
ここ1年間のピークは、2019年12月の520万6000円。しかしそこから一気に急落し、2020年8月時点で一時452万8000円にまで落ち、なんと値落ち額は67万8000円。
9月に入り現在は472万円に持ち直しているが、それでもお買い得なモデルが増えているのは確かだ。オススメは2007~2008年式の走行距離5万km超の物件。原稿執筆時点(2020年9月3日)では、支払総額300万円以内で狙える。
荷物もたっぷり! ユーザーによって使い方は千差万別トヨタ ハイエース(現行型)
商用バンの絶対的王者、ハイエースバン。人も荷物もたっぷり載せられるので、様々な用途に使え、国内ではリセールバリューが高いこともあって人気の1台だ。
現行型は2004年に登場。マイナーチェンジや一部改良を重ねながら、実に16年も販売され続けているロングセラーモデルだ。
商用バンをベースにした乗用車モデルであるワゴンタイプのハイエースは、2.7Lの直4ガソリンエンジンを搭載し、4速ATが組み合わされ2WD(FR)と4WDが選べた。なお、トランスミッションは2014年のマイナーチェンジで6速ATに切り替わっている。
10名乗りだが普通免許で運転できる。ボディサイズは全長4840mm(デビュー時)のロングと、5380mm(デビュー時)のスーパーロングがあり、スーパーロングはルーフの高いハイルーフを選ぶことも可能だ。
4列シートが備わり、最後列のシートのみ跳ね上げて収納スペースを広げられるワゴンは、キャンプやバンライフを楽しみたい人にもぴったり。
デビュー時の車両本体価格は226万8000~333万9000円。中古車平均価格は2019年後半からやや上昇し、頂点は2020年2月の352万7000円。そこから一転急落が始まり、2020年9月時点で287万8000円と、64万9000円も値落ちしている。
原稿執筆時点で支払総額100万円以下が10台見つかった。
威風堂々としたミニバンの王者も、お手頃価格で狙えるトヨタ ヴェルファイア(現行型)
アルファードの兄弟車として、2008年に誕生したヴェルファイア。2代目となる現行型は2015年1月に登場した。
トヨタの最上級ミニバンにふさわしいサイズや、威風堂々としたデザイン、豪華な仕様や快適な装備などでファミリーを中心に人気が高い。また最近はショーファーカー的ニーズもあるため、オットマン機能など豪華なセカンドシートを備えたモデルもある。
アルファード/ヴェルファイアともに国内はもとより、アジア圏で人気が高く、新型コロナが広まるまでは中古車を求める海外バイヤーが多く訪れていた。
現行型ではリアに新しい足回りを与えられたこともあり、さらに上質な乗り心地を手に入れた。2.5Lと3.5Lエンジン搭載車と、2.5L+モーターのハイブリッド車が用意されている。2.5L車は7速CVTが、3.5L車は6速ATが、ハイブリッド車は電気式4WDシステムとともに6速CVTが組み合わされる。2017年12月のマイナーチェンジで3.5L車は8速ATとなった。
デビュー時から衝突被害軽減ブレーキをオプションで用意。2017年12月のマイナーチェンジで、より進化した先進安全運転支援機能「トヨタ・セーフティ・センス」を全車標準で装備した。
室内にLEDのカラーイルミネーションが標準装備された他、自動で駐車してくれるインテリジェントパーキングアシストや、スマホを持って近づくだけでドアが開く機能などが用意されるなど、最上級モデルならではの快適装備も充実している。
デビュー時の車両本体価格は319万7782~703万6691円。
2019年10月時点の中古車平均価格は388万5000円だったが、そこから値下がりが始まり、8月末には338万8000円と49万7000円の値落ちを記録。原稿執筆時点で、支払総額200万円で7台見つかった。
ちなみにアルファードも10月の423万5000円をピークに値落ちしたが、それでも2020年2月から現在まで平均価格はほぼ横ばいの約390万円で推移。ピーク時から約33万円の値落ちに踏みとどまっている。
文/ぴえいる、写真/トヨタ
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