横浜駅前で英語入門書を探すのに四苦八苦!? マンガ『#神奈川に住んでるエルフ』の異文化(?)交流に話題沸騰

エルフといえば、耳が長く、かなりの長命で、博識で美形な森の種族……というイメージですが、そんなエルフたちが現代日本、それも神奈川県に住んでいたとしたら……という鎧田さん(@0Fami)の『#神奈川に住んでるエルフ』が、2020年8月4日より『コミックELMO』(マイクロマガジン社)のpixivコミックで連載を開始。Twitterでも第一話が公開されています。

令和二年。かつて住処の森(異世界)を焼かれたエルフたちは神奈川に住んでいた。ここからツッコミどころ満載ですが、ひとまず置いておいて。

「工事中」の看板を見て「ぬあっ」となる青年。「また…使っていた通路が消えている…だと?」と驚き、「横浜駅の工事いう終わるんだよ!完了前にエルフの寿命が来てしまうぞ!!」と憤慨するのは、横浜のエルフ。「開業当初より横浜駅を利用しているがいつも迷う」とありますが、柞刈湯葉氏の『横浜駅SF』が生まれたことを考えれば要らぬ心配とはいえないかもしれません……。

そんな横浜のエルフに「赤い靴を履いてた女の子像の所にいないから探したぞ。遅れるならラインくらいしろや」と声をかけてきたのが川崎の人間。「すまん、遅くなった。家系ラーメンおごるから許してくれ」という横浜のエルフに、「人間には家系奢ってりゃいいやと思ってんだろ」とツッコミます。

「エルフは長命だからってヒトの時間を奪うことに鈍感なんだよ。待ってる間に寿命尽きそうだわ。ラインの返信はしねぇしよ」とボヤく川崎の人間。「えっ、返信したじゃんこないだ!」「お前の場合こないだって年単位だろ」と言われ、「すまない……。人間の寿命が儚いことは知ってるが、川崎の人間の寿命がそこまで短いとは知らなくて、もしかして夕方には?」と心配しだしますが、「いやそこまで短くないわ!!」と怒られ、「じゃあやっぱり来週とか……?」とズレた発言に「横浜港にこいつを沈めて京急線で早く帰ろう」と思う川崎の人間でした。

どうも英語の本を買いに横浜駅前まで来た様子のこのエルフ。「エルフ語と日本語は習得しているが英語も覚えたいのだ。以前横浜村にペリーが来た時は慌てたからな!」と意識高い系(?)なことを言い出します。

有隣堂でお目当ての本を探すことになり、川崎の人間に「本のタイトルは?」と聞かれて、「『英米対話捷径』ってやつが欲しいんだ!」と言い出す横浜のエルフ。作者を聞かれて「ジョン万次郎!」と満面の笑みで答えます。しばらく真顔で無言になった川崎の人間。「それたぶんめっちゃ古いから、ここにはないわ…ごめんな」「え?そうなのか!」と時間軸の違いを感じさせる会話が繰り広げられます。

エルフの買い物に付き合っている間に本当に寿命が付きそうな気がしてきた川崎の人間。「語学書の棚見て良さげなのババっと選ぼうぜ」といい、フロアの地図を見ますが「横浜駅の有隣堂、語学書のコーナーなくない?」と気付き、横浜のエルフも「ほんとだ。確かに見当たらんな?」といいます。「いやでも語学書取り扱いなしとかないでしょ。川崎の人間って横浜にほぼ来ねぇからわからんわ…」とボヤくのを見て、「仕方あるまい。横浜駅を含めこの周辺は毎日工事で地形が変わるダンジョンだ。エルフの私でさえ攻略できない」といい、「こういう時は尋ねれば良い」と……。

「横浜駅の妖精たちよ……私を語学書のコーナーに導きたまえ」と妖精を呼びます。ピョルル~と飛んできた妖精さんと会話した後で、「店員に聞けだって」という横浜のエルフ。妖精さんによると、横浜駅直結の有隣堂は3店舗あり、語学書があるのは西口エキニア店とのこと。西口ジョイナス店は「コミック王国」もあり、地下街の中央モールを直進すればたどり着くので間違えがちかもしれません。

なんとかエキニア店にたどり着き、「指輪を火山に捨てに行くような旅路だったな…!」「ゴミを不法投棄するな」「ものの例えだ!!というかこれは慣用句だ!」という心暖まる(?)会話を繰り広げる横浜のエルフと川崎の人間。エルフ語で「そんなことも知らんのか」と言われて「エルフの慣用句を常識にするな」とぶった切ります。

「早く決めてなんか飲みに行こうぜ」という川崎の人間に、耳をピコっと動かしながら「川崎はどっちがいいと思う?」と聞く横浜のエルフ。「人間ってたった十数年で英語を習得するんだろ?すごいよな!私に教えてくれよ」と言いますが、川崎の人間は「お前…川崎の人間が英語なんてわかるわけないだろ…?」と言われ、「えっ?そうなのか!?じゃあ横浜は!」と聞き返されて「横浜の人間はそらもうペラペラよ」と適当に(?)答えます。

無事に本を買った後。「なぁ、エルフってみんなこんな感じなのか?」と聞かれて、「小田原のエルフは小田原のエルフって感じで、相模原のエルフは相模原のエルフって感じだし、あ、あと茅ヶ崎のエルフは湘南の風に吹かれてパーリィエルフって感じだな」と答えます。「神奈川にエルフめっちゃ住んでるじゃん」という川崎の人間に「神奈川も住みやすくて良いところだからな」という横浜のエルフ。「俺はずっと神奈川の川崎住みだけど、エルフと会ったのは横浜が初めてだよ」と言いますが、「あ~……川崎だけはエルフは住めないからなぁ。空気が悪くてエルフ的に」と返されて、「やはりベイブリッジからこいつを海に放とう」と思う川崎の人間ですが、ちゃっかりエルフ語の本を買っていたのでした。

奇想天外すぎるストーリーな『#神奈川に住んでるエルフ』。鎧田さんにこの話を思いついたきっかけを尋ねると、「小田原城に観光に行って来たのですが、家族いわく、その日の夜に寝言で“小田原のエルフ…”って言ってたらしいです。それをメモっていて後々少しずつブラッシュアップしていきました。あと、顔の良い男性を描くのが下手くそだったのでうまくなりたいと思ったのもきっかけです」とのこと。

神奈川県民や横浜市民からは「ニヤニヤした」「ハマっ子的にどストライク」という感想が寄せられていましたが、鎧田さんは「笑った、面白かったなどの感想をたくさん頂きました。横須賀のエルフくん(第2話に登場する合法ショタジジイエルフ)が好きな人が多いみたいです。早くもファンイラストを描いてくれている方もいて、とても嬉しいです。皆様本当にありがとうございます」とコメントしてくれました。

「漫画だけでなく、みなさんの地域ネタでも盛り上がるといいなと思ってます。皆さんの地域には何が住んでますか?」という鎧田さん。早くも自身が住んでいる所のエルフなどの想像を膨らます反応も多数集まっています。「漫画は隔週火曜日更新になります、あの地域の話もするのでよろしくお願いします」とのことなので、今後も話題を振りまいてくれる作品になる予感です。

『#神奈川に住んでるエルフ』(pixivコミック)
https://comic.pixiv.net/works/6778 [リンク]

※画像はTwitterより
https://twitter.com/0Fami [リンク]

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ふじいりょう

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。

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