歓声がこだまする土間のある、カイエンが収まる海沿いのガレージ【EDGE HOUSE】
子どもたちと戯れながら、愛車を覗ける土間。
今にも子どもたちの歓声が聞こえてきそうな、約17畳の広い土間。
壁には子どもたちが何度も落書きした跡が残る黒板がある。
「休みの日はボール遊びや縄跳びなど、ここで子どもたちと過ごしています」と施主のOさん。
ソファの目の前にある白壁はプロジェクターのスクリーンにもなる。
「家族とスポーツ番組を見たり、映画を楽しんでいます」
一方、反対側を振り向けば、大きなガラスの向こうに、愛車を覗くことができる。
玄関ドアを開け、靴を脱がなくてもすぐに寛げる土間リビング。
「もともと薪ストーブやペレットストーブが置ける空間が欲しかったんです」
ストーブの火を眺めながらお酒を飲める、そんなスペース。
他にも、雨の日でも子どもたちと一緒に遊んだり、気が向いたときにDIYできる場所や、ちょっとした仕事ができる机も欲しかった。
それらをすべて解決したのが、この土間という第2のリビングというわけだ。
「今年1月の寒い時期に入居したんですが、エアコンだけで十分暖かかったので、ストーブを入れる機会を失いました」
備える場所や煙突の位置はすでに決まっているという。
真っ白なガレージと青く広がる海と空。
土間には、もう一つこだわったことがある。
それは土間からガレージの愛車が見えることだ。
「海沿いなので、塩害対策として車はインナーガレージに収めようと決めていました。だったら、土間からも愛車を眺められるようにしたいなと」
栃木県の那須でも宿泊業を経営しているOさん。
去年までは那須の宿泊施設の近くで暮らしていた。
「私も妻も地元はここ、いわき市なんです。両親が住んでいるので、いつかは戻って一緒に暮らしたいと考えていました」
那須の事業が軌道に乗った数年前から、その思いを叶えるため、那須と同様の宿泊施設と、両親との2世帯住宅を建てられる土地を探し始めた。
「海沿いを希望していたのですが、なかなか見つかりませんでした」
それでも根気強く、時にGoogle Mapの航空写真まで使って探し、ようやくこの場所を見つけたという。
それくらい、リビングから海が見える暮らしに憧れていたという。
建築家の雨宮さんも、当然その点を重視。
宿泊施設と自宅どちらも「リビングから海が見える」よう、海沿いの防波堤が邪魔にならない高さまで盛土している。
そのため宿泊者は目の前に広がる広大な太平洋と、太陽と雲の競演によって生まれる、刻々と変わる景色を何ものにも邪魔されることなく、部屋から眺めることができる。
もちろんそれは、Oさんの自宅2階リビングからも同様。
海側の窓はさながら、毎日絵柄が変わる大きな額縁のようだ。
本当は今頃、土間のプロジェクターを使い、家族みんなで東京オリンピックを楽しんでいる予定だった。
残念ながら楽しみは一年後にお預けになってしまったが、「コロナ禍で、やっぱり土間はいいなと再認識しました」
外出自粛の間、土間は子どもたちの格好の遊び場となった。
土間に響く子どもたちの声は、どんなときも家族を元気にしてくれる。
■所在地:福島県いわき市
■主要用途:専用住宅
■敷地面積:680.69 ㎡
■建築面積:174.72 ㎡
■延床面積:237.01 ㎡
■設計・監理:雨宮 靖(ユー・ジー・ユー・アーキテクツ)
■TEL:045-873-1655
※カーセンサーEDGE 2020年9月号(2020年7月27日発売)の記事をWEB用に再構成して掲載しています
文/籠島康弘、写真/尾形和美
関連記事リンク(外部サイト)
日刊カーセンサーは、中古車だけでなく新型車やドライブ、カーグッズ、レース&イベントなど幅広いジャンルの情報・ニュースをお届けするエンタメ系自動車サイトです。面白くて役に立つネタを全力で配信しています。
ウェブサイト: http://www.carsensor.net/contents/
TwitterID: carsensor
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。