新型トヨタ ヤリス&ホンダ フィットの登場で、一気に手に入れやすくなった超人気コンパクトカー3選
買い替えで同クラスの中古車が市場に増えたため、値落ちが進んだ
今年2月に相次いで登場した、全長約4mのコンパクトハッチバック、新型トヨタ ヤリスとホンダ フィット。
どちらも人気を集め、4月の新車販売台数でヤリスが1位、フィットが2位となるなど、好調なセールスを記録している。
当然これら2台への乗り替えによって、それまで乗られていた車が一気に中古車市場に流れている。
中古車には新車のような定価がなく、その価格は大原則として「需要」と「供給」のバランスによって成り立つ。
例えば、100台あるA車を欲しいという人が200人いるとすると、100人は必ず購入できない。
だから、多少価格が高くてもA車を手に入れたいという心理が働くため、価格はあまり安くならない。
逆に、100台に対して欲しい人が10人なら、なるべく安い車を見つけようとする。
このような仕組みで中古車の価格は決まるのだ。
これを踏まえてヤリスとフィットの人気を見ると、両車の下取り車は同じようなサイズのコンパクトカーが多いと予想できるため、このクラスの中古車の台数がグッと増えていると思われる。
しかも、4月以降は新型コロナの影響で客足も遠くなり、販売店としては少しでも早く売りたいと、値下げに動きがちだ。
調べてみるとやはり、値落ちの激しい下記の3台を見つけた。どれも今まで人気の高かったモデルばかり。
この3台をもともと狙っていた人はもちろん、同じクラスの車を検討していた人や「何かおトクな車ないかなぁ」と思っていた人も、今がチャンス! ぜひ検討してみてほしい。
購入後のランニングコストも財布に優しい人気モデルトヨタ アクア(初代・現行型)
ヤリスの旧型にあたるのは本来ヴィッツだが、ほぼ同じサイズのハイブリッド専用車であるアクアからも乗り替えが進んだようだ。
4月時点の中古車平均価格が約102万円だったのが、原稿執筆時点で約91万円と2ヵ月ちょっとで約11万円も値落ちしている。
ちなみにヴィッツは約7万円落ち。セールス自体もヴィッツよりたくさん売れていた分、乗り替え台数が多かったこともこの差につながったようだ。
2代目プリウスの1.5Lエンジン+モーターのハイブリッドシステムを搭載し、プリウスよりコンパクトなハイブリッド専用車として2011年にデビューしたアクア。
当初の燃費は35.4km/L(JC08モード燃費)だったが、2013年にはシステムの改良で当時の世界最高となる37.0km/L(JC08モード燃費)を、2017年6月にはクラストップの38.0km/L(JC08モード燃費)を記録した。
購入後のランニングコストも抑えたいという人にはオススメのエコカーだ。
2015年11月、一部グレードに衝突被害軽減ブレーキを含む「トヨタ・セーフティ・センスC」を標準装備し、2018年4月に昼間の歩行者検知機能を追加(名称をトヨタ・セーフティ・センスに変更)している。
デビュー時の車両本体価格は169万~185万円。
原稿執筆時点(2020年7月22日)で中古車は8000台以上と豊富。支払総額50万円以下で絞っても290台以上あり、総額約30万円という物件も見つかる。
走行距離5万km以下・修復歴なしで絞っても5300台以上、「トヨタ・セーフティ・センスC」を標準装備した2016年式以降も3300台以上あって選びやすい。
燃費から走りのモデル、4WDとバリエーションが豊富ホンダ フィット(3代目)
旧型から新型へ乗り替え、という王道パターンによって中古車価格の値落ちが進んだのはフィットだ。
中古車平均価格は昨年末から今年3月まで、120万円前後をいったりきたりしていたが、4月以降一気に値落ちし、原稿執筆時点で約17万円値落ちの約103万円に達している。
2013年にデビューしたフィット。1.5L+モーターのハイブリッドモデルは36.4km/L(JC08モード燃費)と、当時のアクアを抜いて国内トップとなった。
他に1.5Lモデルと1.3Lモデルが用意され、1.3LはCVTか5速MTが、1.5Lは6速MTかCVTが、ハイブリッドモデルは7速AT(デュアルクラッチMT)が組み合わされた。
走りを楽しむRSもある他、降雪地域などにうれしい4WD車もある。
また、ベビーカーを立てたまま後席スペースに載せられるなど、ラゲージの使い勝手の良さも魅力だ。
2014年10月(ハイブリッドモデルは同年12月)に衝突被害軽減ブレーキを含む「あんしんパッケージ」を一部グレードを除いて標準装備。
2017年6月には衝突被害軽減ブレーキだけでなく、車線維持支援システムや全車速追従型のアダプティブ・クルーズ・コントロールなども含む「ホンダセンシング」搭載モデルを設定した。
同時にハイブリッドモデルの燃費は37.2km/L(JC08モード燃費)に向上した。
デビュー時の車両本体価格は126万5000~193万円。
原稿執筆時点で5600台以上見つかり、支払総額約40万円から探せる。50万円以下は約30台。また、衝突被害軽減ブレーキ付きは3000台以上となる。
初期モデルでも安全性が高く、質感の高いインテリアも魅力マツダ デミオ(4代目)
自身はモデルチェンジしなくても、ライバルの中古車が増えることで値落ちした車もある。
2019年9月の一部改良とともに、名前が「マツダ2」となった「デミオ」はまさにそうだ。
マツダ2に切り替わったことで、昨年11月の約126万円をピークとして順調に値落ちを続け、そこにライバルの2車が中古車市場に出回ったことで大きく値を落としている。
中古車平均価格は原稿執筆時点で、昨年11月時点と比べて約20万円値落ち、今年4月と比べても約10万円値落ちの約106万円となっている。
上記2台と違いハイブリッドモデルはないが、逆にこのクラス唯一のディーゼルエンジン搭載モデルをラインナップするデミオ。
また、このクラスの中では特にインテリアのクオリティが高いモデルだ。
2014年9月に登場し、当初は1.5Lディーゼルか1.3Lガソリンエンジンが搭載され、いずれも6速ATかMTが選べ、4WD車も用意された。
2018年に1.3Lガソリンが1.5Lガソリンエンジンに切り替わった。
衝突被害軽減ブレーキを含む先進安全機能「アイ・アクティブセンス」は、デビュー時点で13Cを除くグレードに標準装備。
2017年には全車標準装備となり、前後誤発進抑制機能などが加わるなど機能が進化している。
デビュー時の車両本体価格は135万~219万2400円。
原稿執筆時点で2300台以上見つかり、約半数がディーゼル車だ。
最も手頃な価格で支払総額は約60万円と、最安値帯の価格は上記2台よりは多少高いが、それでも十分お得な状況といえるだろう。
文/ぴえいる、写真/トヨタ、ホンダ、マツダ
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