「ほめて信頼関係を築いた後で改善法の提案と伝授」 女子高生漫画家が「批判は全部ムダ」と言い切る理由は?

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『びわっこ自転車旅行記 北海道復路編』がWebコミックサイト『ストーリアダッシュ』(竹書房)で連載中の大塚志郎さん(@shiro_otsuka)が、崖っぷち漫画家志望者の猛岡に女子高生漫画家のなお先生が教えに来る『漫画家庭教師なお先生』の『「ほめる」のが人を伸ばすのに最も効率的で「批判」は非効率というお話』をTwitterで公開。さまざまな感想が寄せられています。

漫画を読まれてボロクソに批評されると思いきや、「良く描けています。キャラの表情も生き生きしてるし……一作目からどんどん画力も上がってる。…これなら月例賞の努力賞くらいなら獲れてもおかしくないレベルだと思います」となお先生に褒められて驚く猛岡。確かにマンガに限らず、プレゼンなどでもダメ出しから入るだろうと身構えることは多いのではないでしょうか。

褒めるのは「優しいからじゃありません」といい、「その方が“効率的”だからです」と断言するなお先生。「私がする事は良い所を見つけてほめる事…そして指摘と提案!」と続けて、「批判は一切ナシ!なぜなら批判は何も生み出さないから!」「批判は全部ムダ」「批判では育成できない!」と言い切ります。

「学校・塾・部活・バイトなどで…できない者に対ししばしば常習化する“しかる”行為は……気づくといつの間にかしかる側のただの憂さ晴らしになってしまっているケースが多い。しかられる側にとってそれが毎度のことになると……耳障りな鳴き声・騒音としてしか認識されないようになり…いつまでたっても改善や効率化が果たされない」といい、「大切なのは“しかる側”の相手の現在の実力と状況の正確な理解……そしてそれに合わせた現実的な指示出しや改善案の提示。……つまり意思の疎通!」と説明するなお先生。ううっ、耳が痛い……。

「一方的で感情的な批判は逆効果!それを重ねるほどお互いの心が離れる」と言い切り、育成のためには「その人の良い所を見つけて“自覚”させる!そのために……ほめる!」というなお先生。「まずは自信をつけさせ信頼関係を築く!その後に苦手な部分の改善方法の提案と伝授!批判や脅しは不要!それが正しく効率的な育成方法です!」と断言しています。

大塚さんによると、「自分の学生時代の学業や部活、そして漫画家として働いてきた実感として描きました」というこのマンガ。「僕自身は批判の“否”を数多く受けてきた人間で、それでも反骨精神で受け止めて色々邁進して来たのですが、やっぱり褒められた方が気分良く進歩できるって実感します」と話し、世に「批判する人」が多いことについて「褒める努力をまずするべきだと思います」と強調。「褒めるという行為は、肯定やお墨付きを与えること。新人がもしミスしたら上司が尻拭いしないといけない。それを何度か続けていくと勘のいい部下は気づいて慕ってくれるようになります。根気がいる作業ですが、感情的な批判が蔓延する現場よりもはるかに働きやすいし効率的だと思います」と語ってくれました。

「こんな人に指導されたい」といった声があった一方で、「批判が悪というのは納得できない」「とりあえず褒めればいいというのは違う」といった反応も上がっていたことについて、大塚さんは「“批判”ではなく“非難”に変化していることも多く、危険だと感じます」といい、最近問題視されることが増えたネットいじめや誹謗中傷についても「たくさんの人たちが“良かれと思ってお前のために批判してやっている”という感覚を感じて恐ろしいと思いました。おそらくその人たちの中では“正当な批判”になっていることを考えても、“批判”で誰かを育成して導くということは高等技術だと感じずにはいられません」と語ってくれました。

ある意味では「批判する」という楽な立場に逃げているのではないか、と自問自答させてくれるなお先生の教え。『漫画家庭教師なお先生』は『DLsite Comics』Twitter公式アカウント(@DLsiteC)で毎週月曜日15時に最新話が更新されているので、「こんなメンターに教えてもらいたい!」という人は要チェックです。

DLsite_Comic(Twitter)
https://twitter.com/DLsiteC [リンク]

びわっこ自転車旅行記 北海道復路編(ストーリアダッシュ)
https://storia.takeshobo.co.jp/manga/biwakko_fukuro/ [リンク]

※画像はTwitterより
https://twitter.com/shiro_otsuka/status/1280116117411774469 [リンク]

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ふじいりょう

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。

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