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嵐のブレイクに見る「成功のための鉄則」

 「こうすれば大金持ちになれる」
 「成功するために必要な考え方とは?」
 このようなことについて書かれた、いわゆる“成功法則”の本が巷に数多く出回っていますが、それを読んだからといって全員が成功できるわけではなく、本当に成功する人はやはり一握りです。
 作家・水野俊哉さんは、新刊『「成功」のトリセツ』のなかで、これらの「成功本」に欠けている点を指摘し、「高級ホテルのスイートルームでカップラーメンを 食え!」「嵐がブレイクした理由」などのユニークな実例を交えて、本当の意味で“成功”するための鉄則を示しています。
 そこで今回は、水野さんご自身にインタビューを敢行。私たちが何らかの形で成功を収めたり、ブレイクするためにどのようなことが必要なのかを伺いました。

―本書『「成功」のトリセツ』についてお話を伺えればと思います。本書では従来の「成功本」の問題点を挙げている一方で、本書もまた「成功本」だといえます。本書と、巷に溢れる「成功本」のちがいはどのような点にあるのでしょうか。

水野「記者さんが「成功本」だというのならそうでしょう。でも、この本は、タイトルこそ『「成功」のトリセツ』ですが、基本的に、私が毎日考えていることをまとめて書いただけなので、実は特に「成功本」を書いたつもりはないのです。
それでも結果的に「成功本」として読めるということは、もはや自分自身の思考や行動が相当「成功者」っぽくなってしまっているのかもしれませんね。
この本に書かれていることはここ数年の自分の身に起こったことがベースとなっていますが、単なる身辺雑感と違うのは、僕がビジネス書の作家として、専門書や自己啓発書、 ビジネス書などを数千冊読んで得た知識と照らし合わせて書いている点だと思います。
ただ照らし合わせて書いただけでは、少し難しい内容になってしまうので、極力、普段ビジネス書など読まない人にも笑って読んでもらえるように書いたつもりです」

―本書でも書かれている通り、巷には「成功本」が溢れています。こういった本が大量に出回っている背景にはどんなことがあるとお考えですか?

水野「巷では「成功本」だけでなく、ダイエットの本や長生き、健康の本も大ブームです。
美しくなりたい、愛されたいという女性にとっての成功本は女性ファッション誌でしょうし、性ホルモンに脳が支配された若者にとっての成功本はエロ本です。
ビジネスで成功したい人も含めて、「今ある自分よりもパワーアップしたい」という人がいっぱいいて、そういう人を相手に商売している出版社がいっぱいあるということかもしれませんね。というと皮肉っぽくなってしまいますが。
本を書く側としては、読んで面白いと思ってもらったり、楽しいひとときが過ごせたり、読んで新しい知識を得られたり、あるいは人生が変わるというような、なんらかのプラスの体験を得て欲しい、与えたいと思って一生懸命書いているだけです」

―この本では「お金」「仕事」「時間」「人間関係」「自分」という要素に分けて「成功」する方法が語られています。水野さんがこれらの重要性に気づかれたきっかけはどのようなものでしたか?

水野「僕は人生の前半は、何をしてもうまくいく人でした。しかし、30代前半くらいから、それまでのやり方だけでは物事がうまく進まなくなりました。これはちょうど27歳くらいの女性が、若くて奇麗なだけでは行き詰まり、それまでと違う生き方を模索しだすのとタイミング的には似ているのかもしれません。
一部の若い男性は性欲や征服欲、アドレナリン、テストステロンなどに突き動かされて、 常に上に行きたい、1億円稼ぎたい、1億の次は5億、5億の次は10億、誰もが認める美女と付き合いたい、トップになりたい、などなど、数々の欲望を抱えています。
戦 いや競争や見栄が彼らの行動原理になっているのですが、それでは最終的には幸せにはなれない、という悟りを開くような経験があり、お金や仕事も大事だけ ど、時間とか家族を含む人間関係も大事だと思うようになりました。そのあたりのことは本の中で詳しく書いているので、読んでみてほしいですね」

―また、第5章の「人間関係を掌握する」の章も、わが身を振り返って考えさせられる内容でした。つい利害関係で人間関係を作ってしまうことも多いものですが、生きていくうえでストレスの少ない人間関係とはどのように作っていけばいいとお考えですか?

水野「今の世の中で生きていて、お金や利害がからまない人間関係を作る方が難しいかもしれません。昔、経営者だった頃に周りにいた人たちは僕にお金がなくなった瞬間、波が引くように離れていきました。
その時に気づいたのですが、何かを始める際に最初の動機にお金や利害が絡んでいるとロクなことにならないということです。
また、人脈以外のことへ使う時間が人脈を開拓するということも忘れてはいけません。週に5回、交流会に参加し、週末はセミナーやパーティーというような生活では、自分自身の価値を高める時間が奪われてしまいます。
僕にとっては、出版の世界にいて、毎日、地道に調べ物をしたり、本を書いたりすることが一番の人脈開拓の方法になっています」

―この章では「嵐がブレイクした理由」について触れていました。この箇所で水野さんが伝えたかったことは何ですか?

水野「今年の24時間テレビの司会は嵐が務めていました。それを見ていた時に、数年前の嵐の映像が流れたのですが、当時はまったく魅力的なグループには見えませんでした。少なくともファン以外の人にとっては、SMAPなどと比べて見劣りしていたはずです。
しかし、今見ると、なぜかカッコよく感じてしまう。
それは嵐がブレイクしたからです。
では、なぜ嵐はブレイクしたのか?
その理由は、一言でいえば事務所の力により、ドラマ出演や主題歌タイアップなどTVでの露出の機会が増えて、単純接触回数の効果により、知名度がアップし、親近感が増したからです。しかし、これでは同じ事務所のV6やTOKIOが嵐のようなブレイクをしなかったことの説明ができません。少なくとも、2006年頃の時点で「SMAPの次は嵐だ」と明確に言い切れた人はいないでしょう(ファンを除く)。
これは現実の世界の事象というのは複雑系のネットワーク効果が働き、未来の予測が極めて困難だからです。「バタフライエフェクト」などといいますがちょっとした変数の違いでまったく違った結果がでるのです。
しかし、ブレイクするためにしなければいけないことははっきりしています。それは1つに努力し続けること。次に、チャンスに挑み続けること。3つ目は、スキャンダルを避けることです。これは嵐に限らずお笑い芸人やスポーツ選手、政治家、あるいはビジネスマンにも共通します。
僕の出版セミナーの受講生に、「君たちは売れることを躊躇してはいけない」という話をします。みなさんも何らかの形でブレイクしたい、今よりも有名になりたい、結果を出したいという人も多いと思います。
そのためには、1.努力し続けること2.チャレンジし続けること3.スキャンダルに気をつけること。この3つを心がけてみてください」
(後編につづく)



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