「運命の出会い」を引き寄せるしぐさ
たまたま知り合っただけの人でも、その縁を大事にしておくと後々思わぬ形で実を結んだりするものです。得に、日本人は「一期一会」という言葉があるように、昔から人の縁を大切にしてきました。
例えば、江戸時代の商人道には、出会った人を尊重し互いに助け合う精神に基づいた「江戸しぐさ」というものがありました。
1700年代のはじめ、全国各地から人が押し寄せて100万人の大都市になっていた江戸。
そのほとんどが今の中央区、台東区、千代田区に固まっており、その8割が何らかの商売をしていたようです。この狭い地域の中ですから、放っておけば客を奪い合って争いになりかねません。だからこそ、相手を尊重する精神が必要とされ、それが「しぐさ」として示されたのです。
今回は、日本古来から伝わる、開運につながるしきたりを特集したムック『ゆほびかGOLD vol.16』(海部光彦、枡野俊明、越川禮子、飯倉晴武、日下公人、斎藤一人、本田 健、安藤美冬/著、マキノ出版/刊)から、その「江戸しぐさ」をいくつか紹介します。現代でも使えるものばかりなので、“これは!”というものがあったらぜひ使ってみてください。
■傘かしげ
雨の日に道を歩く時、笠を人のいない方に傾けてすれ違うしぐさです。
こうすることで、狭い道でも傘同士がぶつからず、しずくで相手を濡らしてしまうこともありません。
当時の江戸の下町は、今の東京都心部と同じくらいに人口が密集していたそう。
そんな中でも人とぶつからずに歩くための身のこなしが「傘かしげ」なのです。
■こぶし腰浮かせ
例えば、旅行や観劇などでは見知らぬ人と相席になるなどの出会いがあります。
「江戸しぐさ」ではこうした時の人との関わりを「つかの間のつきあい」といい、見知らぬ人ともなごやかに過ごせるような気づかいをします。
「こぶし腰浮かせ」もその一つで、渡し舟などが混み合ってきたら、こぶし一つ分腰を上げて席を詰め、一人でも多く座れるようにするしぐさ。「よっこらしょ」と重い腰を持ち上げるのではなく、サッとこぶし一つ分腰を上げて詰め合うところがスマートですね。
これは、私たちも電車のなかで実践すると、混み合った車内でもイライラせず過ごせるかもしれません。
■後引きしぐさ
「後引きしぐさ」とは、出会った人に、「もう一度会いたい」という気持ちを起こさせるしぐさ全般を指します。
現代を例にするなら、「電話は相手が切ってから静かに切る」「誰かに見送られた時は、数歩行ってから振り返る」など。
相手に自分の心残りを伝える粋なしぐさが「後引きしぐさ」です。
普段から人に敬意を持って接しているかどうかで、せっかくの出会いがただの出会いで終わるか、後に繋がるものになるかが変わってきます。
「一期一会」の精神を体現する「江戸しぐさ」を取り入れることで、想像もできなかったようなチャンスや運命の出会いが訪れるかもしれません。
(新刊JP編集部)
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