コンパニオンプランツ一覧|相性の良い組み合わせと期待できる効果

コンパニオンプランツ一覧|相性の良い組み合わせと期待できる効果

違う種類の植物を一緒に植えることによって、野菜の成長促進や害虫を防ぐなど、よい効果をもたらすことができるとして注目されている「コンパニオンプランツ」。
本記事では、きれいな花も楽しめるコンパニオンプランツ5選と、どの植物とどの植物を組み合わせたらどのような効果が期待できるのかを一覧でご紹介します。

コンパニオンプランツとは?

コンパニオンプランツとは、「共栄作物」「共存作物」と呼ばれる植物の組み合わせや、組み合わせる植物そのものをさす言葉。かかりやすい病気を予防する、害虫を忌避する、生育を促進するなどのうれしい効果が期待できます。

たとえば「トマトとバジル」のコンビ。バジルの香りにより、アブラムシなどトマトの害虫が寄りつきにくくなります。さらに、バジルが土中の水分をぐんぐん吸い上げ、水分不足気味のほうが増すとされるトマトの甘みを引き出す効果も。

コンパニオンプランツの植え方は、株の間にコンパニオンプランツを植える「混植」と、「トマトの列」「バジルの列」というふうに列ごとに植える「間作」が代表的。

そのほか、株元を囲むように植えたり、家庭菜園の周囲をコンパニオンプランツで垣根状にしたりと、デザイン性に富んだ植え方もあります。

ただし、なんでも組み合わせればよいというわけではありません。「トマトとジャガイモを混植すると生育が悪くなる」など、悪影響を及ぼすカップリングもあるので注意してください。

また、完全に害虫をブロックできるわけではないので、害虫の徹底駆除を目指すのなら、専用薬剤を併用することも検討してくださいね。

ビギナーでも育てやすい! 花の美しいコンパニオンプランツ5選

野菜栽培に役立つコンパニオンプランツは、丈夫で育てやすい草花がたくさん!さまざまな花色で家庭菜園に彩りを添えてくれるだけでなく、清々しい香りのお茶にしたり、ボタニカルクラフトの材料にしたりと、多彩に活用できる点にもご注目を。

マリーゴールド

マリーゴールド(キク科)は、春から秋まで約半年にわたって、花を咲かせる一年草。さまざまな野菜と相性がよいことが知られており、花も楽しめるコンパニオンプランツの代表格です。

マリーゴールドは、土中に潜み、植物の根や葉に害を及ぼす「センチュウ」対策に一定の効果が認められています。センチュウはダイコンなどの根菜に入り込み、大きな被害をもたらしますが、マリーゴールドを一緒に植えることで土中のセンチュウ密度を抑制できるのだとか。

さらに、トマトやナス、キュウリなどの害虫であるアブラムシなどは、マリーゴールドの花の香りを嫌うため、近くに植えると寄り付きにくくなります。

マリーゴールドは真夏でも花を途切れさせないため、夏野菜を植えた家庭菜園にぴったりです。日当たりと水はけ、風通しがよい場所に植えればぐんぐん育ち、施肥の必要もほぼありません。

タネを直まきしてもよく芽吹き、難しい手入れも不要なので、園芸ビギナーでも十分育てられますよ。

マリーゴールドは、さまざまな野菜と相性が良く、病害虫の予防や生育を促す効果が期待できる植物ですが、コンパニオンプランツとして活用する際に注意したいのが「咲き終わった花を摘み取る」こと。

その理由は、咲き終わったあと、散らずに枯れたまま花が残っていると、カビが発生する恐れがあるため。カビが発生するとマリーゴールドが病気になってしまうので、咲き終わった花(花がら)が残っていないかどうか、必ず確認するようにしてください。

ペチュニア

ペチュニア(ナス科)は、多彩な花色で人気のガーデニング植物。菜園にあるイメージのない草花ですが、イチゴとの相性は抜群です。

ペチュニアにはアブやミツバチなどたくさんの昆虫が集まってきて、イチゴの花を無駄なく受粉させることが期待できます。その結果、イチゴの収穫量アップが見込めるというわけです。

同時に、昆虫が集合することで、イチゴの害虫であるアブラムシなどを遠ざけます。そのほかペチュニアは、マメ科の植物の生育を助けることも知られており、インゲンなどの足元にもどうぞ。

ペチュニアは成長が早く、育てやすい一年草。高度な栽培テクニックなしに、早春から霜が降りるころまで長期間花を咲かせてくれます。花期は肥料切れにならないよう、緩効性肥料や液肥を規定量与えてください。

カモミール

3~6月にリンゴに似た香りを放つ花をさかせるカモミール(キク科)。家庭菜園では、タマネギなどアブラナ科の植物の成長を助け、風味アップに貢献します。

タマネギの害虫であるスリップスは、カモミールの匂いが苦手で近寄らなくなるのだとか。

また、カモミールにはアブラムシが集まってくるため、同時にアブラムシを捕食するカマキリやテントウムシが引き寄せられ、タマネギのアブラムシ対策にも有効です。

同じような効果は、キュウリにも当てはまりますから、キュウリの株元にカモミールを植えるのもよいでしょう。

カモミールは、肥沃でやわらかい土を好みます。植える前に腐葉土やたい肥をすき込んで、土づくりを行ってください。野菜のコンパニオンプランツにするだけでなく、花を収穫して乾燥させれば、香り高いハーブティーも楽しめますよ。

ラベンダー

ラベンダー(シソ科)は、豊かな香りで人を魅了しますが、害虫や野鳥は臭いを嫌って近づきません。ラズベリーやリンゴなど、害虫や野鳥の被害にあいやすいバラ科の果樹の側に植えるのがおすすめ。

家庭菜園の縁取りに利用する場合は、風下と風上に植えるのがコツ。家庭菜園を丸ごとラベンダーの香りで満たすので、害虫対策に効果的です。またミツバチなどが集まるため、野菜の受粉を助けます。

ラベンダーの花の最盛期には一部を収穫し、ポプリやラベンダースティックなど、ボタニカルクラフトの材料として活用を。美しい紫の花は、ドライフラワーでも人気です。

ナスタチウム

食べられる花「エディブルフラワー」としてもおなじみのナスタチウム(ノウゼンハレン科 )。ピーマン、シシトウ、トウガラシやナスなどの側に植えたいコンパニオンプランツです。

ナスタチウムには、よくハダニなどの害虫が取りつきます。その害虫を狙って、天敵の昆虫も寄りつくため、ピーマンにつく害虫も捕食。

アブラムシなどはナスタチウムの香りを嫌って、その近くに植えられたピーマンにも近寄らなくなります。

ナスタチウムは花だけでなく、葉や実も食用できます。春~秋にかけての生育期、適量を収穫しながら育てましょう。

本葉が4枚程度育ったら、一番上の芽を摘み取るのが栽培のポイントです。脇芽がたくさん発生して、花や葉の数が増加。こんもりと育ち、収穫量が増えます。

コンパニオンプランツの組み合わせ一覧

組み合わせて植えることで害虫の忌避や生育の促進などの効果が期待できるコンパニオンプランツ。

ここでは、その組み合わせの一部を一覧にしました。

育てたい野菜のコンパニオンプランツにはどういうものがあるのか、チェックしてみてください。

【アブラナ科】

野菜
コンパニオンプランツ
期待できる効果

キャベツ
カモミール
生育促進
病害虫の予防

マリーゴールド
センチュウの忌避

タマネギ
生育促進

セージ
モンシロチョウの産卵忌避

セロリ
アブラムシの忌避

レタス
モンシロチョウ・ヨトウムシ・コナガの予防

ブロッコリー
マリーゴールド
センチュウの忌避

バジル
アブラムシ・あおむしの忌避

チンゲンサイ
カモミール
害虫忌避

大根
マリーゴールド
センチュウの忌避

ラディッシュ
マリーゴールド
ヨトウムシ・モンシロチョウの被害抑制

パセリ
害虫忌避

【ウリ科】

 

野菜
コンパニオンプランツ
期待できる効果

キュウリ
マリーゴールド
センチュウの忌避

ナスタチウム
テントウムシを呼びアブラムシを退治

シソ
害虫予防

生育促進

玉ねぎ
アブラムシの予防

にら
アブラムシの予防

かぼちゃ
ねぎ
アブラムシの予防

ゴーヤ
ニンジン
病害虫の予防

にら
アブラムシの予防

スイカ
にら
アブラムシの予防

【ナス科】

 

野菜
コンパニオンプランツ
期待できる効果

トマト
マリーゴールド
病害虫の予防
生育の促進

ローズマリー
ラベンダー
害虫の予防
益虫を呼ぶ
萎ちょう病の予防

バジル
生育促進
アブラムシ・あおむしの忌避

ナスタチウム
テントウムシを呼びアブラムシを退治

アスパラガス
センチュウの忌避

ピーマン
マリーゴールド
センチュウの忌避

ナスタチウム
テントウムシを呼びアブラムシを退治

つるなしインゲン
害虫の予防

生育の促進

ジャガイモ
マリーゴールド
センチュウの忌避

ニラ
アブラムシの忌避

【ネギ属】

野菜
コンパニオンプランツ
期待できる効果

ニンニク
きゅうり・トマト
病原菌の殺菌

タマネギ
カモミール
生育促進
病害虫予防

いちご
害虫予防

【マメ科】

野菜
コンパニオンプランツ
期待できる効果

エダマメ
セロリ
アブラムシの忌避

マリーゴールド
センチュウの忌避
生育の促進

ローズマリー
コナガの忌避

トウモロコシ
害虫忌避

生育促進

【せり科】

野菜
コンパニオンプランツ
期待できる効果

ニンジン
エダマメ
アゲハチョウの幼虫の忌避

ローズマリー
コナガの忌避

マリーゴールド
センチュウの忌避

チャイブ
アブラムシの忌避

セージ 
コナガ・モンシロチョウの忌避

【ユリ科】

野菜
コンパニオンプランツ
期待できる効果

アスパラガス
トマト
ハムシ・センチュウの忌避

ゼラニウム
害虫の予防

【バラ科】

野菜
コンパニオンプランツ
期待できる効果

イチゴ
マリーゴールド
ヨトウムシ・モンシロチョウの忌避

ナスタチウム
アブラムシの忌避

益虫を呼ぶ

ペチュニア
生育促進

益虫を呼ぶ

 

おわりに

いかがでしたか? 組み合わせて植えることによってさまざまな利点が期待できるコンパニオンプランツ。広い家庭菜園がなくても、鉢やコンテナで野菜と寄せ植えして楽しむことができるので、ぜひ試してみてください。

コンパニオンプランツ一覧|相性の良い組み合わせと期待できる効果
おすすめ記事
  1. HOME
  2. 生活・趣味
  3. コンパニオンプランツ一覧|相性の良い組み合わせと期待できる効果
Pacoma

Pacoma

「Pacoma」はホームセンター系のフリーペーパーに出自を持つ、「暮らしの冒険」がテーマのライフスタイル系Webマガジン。ノウハウ記事からタレントの取材記事まで「暮らしを楽しむためのアイデア」をテーマに日々発信しています。

ウェブサイト: http://pacoma.jp/

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

記事ランキング