2020年5月27日、ZARDのボーカル・坂井泉水さん(享年40)が急逝してから丸13年を迎える。毎年、坂井泉水さんがレコーディングを行っていたゆかりの場所である東京・六本木と大阪・北堀江に献花台が設置され、1000人以上のファンが訪れている。しかし今年は、緊急事態宣言が解除にはなったが、その余波を受けて、初のオンライン献花という形に切り替わった。
ZARDの代表曲と言えば、東日本大震災や甲子園大会など、日本テレビ「24時間テレビ」など、数えきれないシーンでの応援ソングとして親しまれるミリオンセラー「負けないで」。このコロナ禍においても多くの人を元気づけた。「揺れる思い」を含めて数々のミリオンセールスヒット曲を持つが、その詞は坂井さんが担当している。また、来年はZARDデビュー30周年記念の年であり、それに向けて、2020年になってから、書籍も含めて、各シングルのマキシ化やハイレゾ音源などが次々と発売されている。
例年、命日に設置される献花スペースには、坂井泉水さんの数々のパネル写真の展示、彼女の曲が流れ、ファンが用意した彼女が好きだったというカラーの花束で埋め尽くされる。また、「Messege 坂井さんへ」と書かれたメッセージボードには、その場でファンひとりひとりが坂井泉水さんへ、曲にまつわる思いや思い出も含めてのメッセージを綴っていく。室内だけでは足らずに、外にもボードを設置して、ファンの気持ちに応えている。
毎年、献花に訪れるファン同士も、SNSでやりとりをし、花束を共同で購入する人や、集まったメンバーでカラオケボックスを借りて、ZARDの曲を大合唱するというコミュニティも生まれていた。
しかし、今年は、コロナウィルス感染拡大防止策として、オンライン上の献花台。ファン同士で集うことはできないが、サイトのメッセージを通じて思いを語りあるのだろう。
今年の命日の献花台は、5月27日正午より、ZARDオフィシャルサイト内に献花特設サイトが設けられ、TOPページのバナーからアクセスする形をとる。坂井泉水さんのフォトの周りに用意された花をチョイスしてメッセージを送るというシステムだ。
坂井泉水さんのように、10年以上経過した今でも、命日に毎年欠かさずファンが献花に訪れるようなアーティストは偉大。ファンの心に残る楽曲が後世に歌い継がれていく、アーティストの命日の献花というイベントは音楽がもたらす影響力や存在価値を実感する。
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Written&Photo:佐藤正子